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きょうの潮流

2017-09-07 | コラム

沖縄・那覇市の300席の映画館。上映前に満員の観客から拍手が沸き上がったというから驚きました。ドキュメンタリー映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」▼戦後、アメリカが沖縄の恒久基地化を宣言して占領。米軍の弾圧とたたかった政治家・瀬長亀次郎の生涯を追った一作です。1947年に沖縄人民党を結成。56年には那覇市長になり、追放されるも屈せず、70年に沖縄初の衆院議員に当選し、のち共産党副委員長に▼映画は200冊の日記とアメリカの資料をもとに、主人公と寄り添った沖縄の民衆の戦後史を克明に描いています。監督はTBSキャスターの佐古忠彦氏。テレビの仕事で沖縄取材を続けていたとき、どこへ行っても必ず耳にしたのが「カメジロー」の名でした▼昨年、49分の番組として関東ローカルで深夜に放送し反響を呼びました。72年の本土復帰後も沖縄に基地が集中。全国の人に見てほしいと追加取材をして映画化にこぎつけたのです▼作品に何度も出てくる「分断」という言葉。カメジローを不当逮捕し独房に閉じ込めて、人々と分断。両者が固く結ぶと、今度は沖縄と本土の分断を図る。アメリカ政府の企(たくら)みであり、すり寄る日本政府の狙いでもありました▼分断と対置するように、映画は団結を深める県民の姿を活写しています。保守革新を問わず新基地建設に反対を掲げる、現在の「オール沖縄」そのものです。全国各地で上映が始まります。カメジローに会いに行きませんか。


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