安倍晋三首相と新聞・テレビなどマスメディア幹部との会食が12月、内閣支持率の低下と歩調を合わせるように増えています。秘密保護法の強行や靖国神社参拝、沖縄への米軍新基地押しつけなどで国民や多くのメディアから強い批判が起きるなか、安倍首相がメディア対策に躍起になっている姿が浮かびあがります。
来年度予算65億円
新聞・テレビ局幹部と次々会食
首相は靖国神社参拝後の26日夜、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京内の日本料理店「雲海」で報道各社の政治部長らと会食しました。
わずか10日前(16日)、東京・永田町の山王パークタワー内の中国料理店「溜池山王聘珍樓(へいちんろう)」でNHK解説委員、「読売」論説委員長、日本テレビ報道局長、時事通信解説委員、「毎日」専門編集委員、「朝日」政治部長らと会食したばかりです。
「読売」グループの渡辺恒雄会長・主筆とも12月中に2度も会食。20日には、東京・新宿区のフランス料理店「オテル・ドゥ・ミクニ」で「産経」の清原武彦会長、熊坂隆光社長らと会食するなどメディア・トップとの癒着も相変わらずです。
安倍首相は会食以外でも、「読売」東京本社ビルの新社屋竣工(しゅんこう)式典(11月28日)や5日に東京・虎ノ門のホテルオークラの宴会場で「日経」、テレビ東京など主催の「年末エコノミスト懇親会」に足を運ぶなど、マスメディア幹部との接触も強めています。
NHK経営委員人事では、安倍首相と思想的に近いとされる人物など4人を送り込み、「安倍カラー」を色濃く打ち出しました。これと前後して、秘密保護法や靖国参拝、沖縄新基地問題などでのNHKの報道には「安倍政権の報道官のようだ」との批判が相次いでいます。
また、「官邸主導による広報の強化」と称してメディア対策を強める政府は2014年度予算案で前年度比21億円増の65億円を計上。「主要な広報テーマ」としてアベノミクス、消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)、エネルギー問題、安全保障などを予定しています。税金を注ぎ込み、原発推進や秘密保護法の世論誘導も狙っています。