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世界遺産 富士山に実弾 、地響き

2013-08-26 | 歴史の流れは平和外交
陸自が総合火力演習

">陸上自衛隊による国内最大規模の実弾射撃演習「富士総合火力演習」が25日、東富士演習場(静岡県御殿場市など)で一般公開されました。6月に世界文化遺産に登録された富士山麓に向けて、戦車や戦闘ヘリコプターなどが例年と同様、次々と火砲を撃ち込みました。              

 雨天と霧の発生による視界不良のため、パラシュート降下やP3C哨戒機(海上自衛隊)、F2戦闘機(航空自衛隊)の飛行など一部演習が中止となったものの、戦車やりゅう弾砲などによる実弾射撃はほぼ予定通り実施。耳をつんざく発射音と、湿った地面に突き刺さる地響きのような着弾音が、2時間にわたって「霊峰」に響きわたりました。


 野外大型スクリーンでは、「陸上自衛隊の水陸両用機能強化のための取り組み」として、米海兵隊やオスプレイとともに自衛隊が訓練を重ねる姿や、水陸両用車を米国から購入する方針などが紹介されました。陸・海・空の統合作戦を再現した後半部でも、洋上での敵艦船の迎撃にはじまり、沿岸部、陸上部へと舞台が移るシナリオで、「島しょ防衛」を強く打ち出しました
法規制逃れ山肌削る
         東・北富士演習場 世界遺産の価値と相いれず

(写真)(上)雨の中、富士山に向け、りゅう弾砲を実弾射撃する総合火力演習
(下)飛び出す地雷原処理ロケット。手前は74式戦車=25日、静岡県御殿場

「信仰の対象」「芸術の源泉」―二つの普遍的価値をユネスコ(国連教育科学文化機関)に認められ、6月に世界文化遺産に登録された富士山。しかし、25日の陸上自衛隊「富士総合火力演習」では、例年と変わることなく次々と撃ち込まれるミサイルや砲弾が山肌を吹き飛ばしました。人類共通の遺産として損傷・破壊から守り、後世に残すことが世界遺産条約の本旨ですが、米軍・自衛隊が使う広大な軍事演習場は、登録への準備段階でことごとく関連法の規制から除外されました。

■演習は黙認

 「ドーン」「ゴロゴロ」―。富士山麓東側に広がる東富士(静岡県)、北富士(山梨県)の両自衛隊演習場周辺では、頻繁に実弾射撃のごう音が響きわたります。演習場の面積は合計で1万3401ヘクタール(表)。東京ドームの約2860個分に相当します。

 世界文化遺産の登録には、構成資産などが立地する核心地帯(コアゾーン)と、その周辺に資産を守るための緩衝地帯(バッファゾーン)を設けることが求められます。文化庁は当初、両演習場も含めて、景観や環境の保全が義務付けられる緩衝地帯に指定する意向でした。しかし、登録後もユネスコの監視下に置かれる緩衝地帯の設定に、防衛省が難色を示しました。結果、演習場は国・地元自治体が自主管理に努める「保全管理区域」に指定されました。

 「保全管理区域」とはいうものの、実質的には演習場の“黙認”です。市街地・集落の「保全管理区域」が景観条例などの規制を受ける一方、演習場はこれらの規制すべてから除外されました。「新たな規制は何もない」(文化庁担当者)のが実態です。

■米軍も除外

 なぜ防衛省は緩衝地帯を拒否したのか。文化庁担当者は「演習行為そのものに有形・無形の規制がかかることに抵抗があったのでは」と話します。軍事演習の自由を優先させ、景観・環境の保全義務を逃れたことになります。その結果、西麓は広く緩衝地帯に指定される一方、東麓では構成資産と軍事演習場が隣接するいびつな地域設定になりました。

 両演習場では、密約で年間最大270日の使用権を認めるなど、自衛隊以上に米軍が優先使用してきた経緯があります。東富士演習場の一角を占める米海兵隊キャンプ富士は今回、「保全管理区域」からも除外されました。


 法規制を逃れ、山肌を削る演習場の存在は、世界遺産登録の原動力となった「信仰の対象」「芸術の源泉」という普遍的価値とは相いれないものです。人類共通の財産となった今、富士山をどう守っていくか、これらの矛盾に目を背けずに議論していくことが必要です。

       

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