東京都議会は７日の本会議で､築地市場(中央区)の豊洲新市場(江東区､東京ガス豊洲工場跡地)への移転問題に関する調査特別委員会(百条委員会)の調査報告書と､元副知事の浜渦武生､元政策報道室理事の赤星経昭両氏が百条委で偽証したとして告発することを賛成多数で議決しました｡いずれも日本共産党､公明党､東京改革(民進系)､都民ファースト､生活者ネットが賛成し､自民党､維新などが反対しました｡
報告書は、石原慎太郎元知事が豊洲移転は自らの就任以前からの「既定路線だった」とする弁明を否定。土壌汚染を知っていたことにもふれ、豊洲移転を判断した「石原元知事の責任は重い」としています。また、都と東京ガスとの用地取得交渉で、同社が負担すべき土壌汚染対策費用を免責するなど、都が大幅に譲歩することにつながった「確認書」の存在を明らかにしたことなどを明記しています。
共産党の、そねはじめ都議は報告書への賛成討論で、報告書が石原氏の責任を明記したこと、百条委の調査で「確認書」の存在が明らかになったことは重要だと指摘。一方、大手ゼネコンによる談合疑惑が指摘される豊洲新市場建設工事契約についてはまったく調査されておらず、改選後の都議会で引き続き百条委を設置することを提案しました。
浜渦氏の偽証告発を求める動議の提出会派（共産、公明、東京改革、ファースト、ネット）を代表して賛成討論した共産党の尾崎あや子都議は、浜渦氏が都と東京ガスとの移転に関する「基本合意」以降は交渉に関与していないとする陳述が偽証であることは、提出記録によって明白だと指摘。浜渦氏をかばう自民党に対し、「偽証告発をねじ曲げ、否定する自民党の態度は都民の厳しい批判を免れない」と述べました。