トランプ米大統領は17日、北朝鮮が6月12日に予定される米朝首脳会談開催の再考を警告していることを受け、非核化に応じるなら「金正恩(キム ジョンウン)氏は非常に強力な保護を手にすることになる」と述べ、体制保証の用意があると強調しました。北朝鮮側は米国の軍事介入で政権崩壊に至ったリビアやイラクのような展開を警戒しており、米側の懸念払拭(ふっしょく)のメッセージとみられます。
ホワイトハウスで北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と会談した冒頭、記者団に語りました。
トランプ氏は、見返りよりも核放棄を先行させる「リビア方式」について、「北朝鮮を想定する際の、われわれのモデルではない」と否定。リビアやイラクでは米国が軍事介入し、国を破壊することになったものの、北朝鮮の場合は「金氏が国を治め、非常に豊かになる」とも述べました。
一方、トランプ氏は「もし合意に至らないなら、リビアのような方式に十中八九なるだろう」とも語り、非核化の合意に応じないなら圧力の継続と、最終的な軍事介入もありうると威嚇しました。
また、「北朝鮮は何事もなかったように、日程その他について伝えてきている」と会談準備は続いていると説明。北朝鮮の突然の態度変化については、予想外だったと認める一方、「金氏と(中国の)習近平氏との2回目の会談後に大きな変化があった」との認識を示しました。
サンダース大統領報道官は同日の記者会見で、予定されている米朝首脳会談の目標や日程、その他に「何の変更もない」と指摘。北朝鮮が非難している米韓共同訓練「マックス・サンダー」についても、「現時点で変更の考えはない」と述べました。