「パーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」―。閣議で決めたルールを破って大規模な金集めパーティーを開いた“前科”のある閣僚が、安倍晋三首相を先頭に11人も新内閣にいることが16日、本紙の調べでわかりました。安倍首相がいう「仕事人内閣」どころか、“ルール破り常習”内閣と言えます。
このルールは、2001年に閣議決定でつくられた「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」です。
その目的は「国民全体の奉仕者として公共の利益のためにその職務を行い、公私混淆(こんこう)を断ち、職務に関して廉潔(れんけつ)性を保持する」というものです。
「規範」では、在任中に大規模な政治資金パーティーの開催や、株式などの有価証券・不動産・ゴルフ会員権などの取引を自粛するとしています。また、関係業者から供応接待を受けることを禁じています。
「規範」は、新しい内閣が初めて開く閣議で、官房長官が中身を紹介し、順守を呼びかけます。安倍首相や麻生太郎財務相にいたっては、2012年12月に第2次安倍内閣ができて以降、今回の新内閣までに計6回も初閣議で「規範」に目を通したことになります。
赤旗紙は、新内閣の閣僚20人の資金管理団体の収支報告書(13~15年分)を調査。その結果、11人が正副大臣の在任時に1回の収入が1000万円を超える大規模パーティーを開いていました(表)。
閣僚の模範となるはずの安倍首相が11回計2億500万円と、最も大規模パーティーで荒稼ぎをしています。
第2次内閣ができてから、官房副長官などの要職で政権を支えてきた世耕弘成経産相と加藤勝信厚労相も、まるで「規範」を忘れているかのようです。閣僚に復帰した林芳正文科相と茂木敏充経済再生相も同様です。上川陽子法相などのように、副大臣時代に大規模パーティーを開いた閣僚もいました。
安倍内閣の「規範」破りはこれだけにとどまりません。
麻生財務相が昨年、ゴルフ会員権を購入していたことが発覚しています。
学校法人加計(かけ)学園の加計孝太郎理事長とたびたび食事をしていた安倍首相は「私がごちそうすることもあるし、先方が持つ場合もある」と国会で答弁。規範破りの疑いがあります。