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自衛官が集団参拝 ― 「北の靖国」北海道護国神社

2014-02-10 | 危険な安倍政権の軍国主義・国民弾圧許すな

現場で目撃したキリスト教牧師「戦争への光景だ」

安倍首相が昨年末に強行し、内外から厳しい批判が続いている「靖国神社」参拝。日本の侵略戦争を肯定・美化する同神社参拝にならい、「北の靖国神社」とよばれる北海道護国神社(旭川市)への集団参拝を恒例化させている集団があります。


写真

(写真)集団参拝後、拝殿を出る陸自第2師団、旭川地方協力本部員ら=1月6日午前、北海道護国神社(旭川市)

 1月6日、午前10時前の北海道護国神社境内。しんしんと降り続く雪のなか、きらびやかな記章を胸に並べた制服姿の一団が本殿を目指します。

幹部ズラリ

 同神社とは道路1本隔てた陸上自衛隊旭川駐屯地に司令部を置く第2師団の幹部、自衛隊旭川地方協力本部の自衛官ら約60人です。

 自衛隊の参拝終了後、境内に用意された清め水のひしゃく、お払い用のまさかき、手拭用紙を置く木製の台、三方(さんぼう)を片付けていた神社職員の言葉に、自衛隊集団参拝の「重み」が垣間見えます。

 「手水(ちょうず)道具は普段は出さない。総理大臣といったVIP(重要人物)のためのもの。今日は自衛隊のトップがきたから用意した」

 第2師団は本紙の取材に、「師団長、副師団長、幕僚長が参加した。私人としてで、玉ぐし料は私費だ」と回答。いつから参拝しているかの問いには「かなり以前からで、時期は不明だ」としました。

 自衛隊旭川地方協力本部は「本部長(1佐)が私人として参拝している。玉ぐし料は私費負担だ。本部長、その他の本部員も休暇扱いで参拝している」と回答しました。

 第2師団、自衛隊旭川地方協力本部の上級部隊である自衛隊北部方面隊(司令部・札幌)の関係者が自嘲気味にいいます。

 「玉ぐし料は私費というが、くせものだ。高級幹部のこうした出費の原資については問題視する声が隊内にある。休暇扱いもその場しのぎの言い訳だ」

 実は自衛隊の同神社への集団参拝はこれだけではありません。

 昨年6月の「北海道護国神社慰霊大祭」には北海道の自衛隊高級幹部が参列しました。陸自北部方面総監(陸将)、第2師団長(陸将)、空自北部航空方面隊司令官(空将)らが参拝席の最上席に陣取っています。「慰霊大祭」では参列者全員が旧唱歌「靖国の神」を「奉唱」します。

道議より上

 2007年の「北海道護国神社慰霊大祭式次第」の「参列殿著床図」があります。参列席順の中の「日本会議道本部上川協議会長」が目を引きます。

 日本会議は、憲法「改正」、自衛隊海外派兵支援、侵略戦争肯定の教科書づくりなど「靖国」派勢力の横断的な政治団体。同会議の席順が道議員よりも上席という配置に慰霊大祭と同神社の政治色がにじみ出ています。

 今年1月6日の自衛隊集団参拝を現場で目撃した旭川東光キリスト教会の松坂克世牧師(43)は、安倍政権の自衛隊の国防軍化、集団的自衛権見直し発言に見られる「戦争する国づくり」への暴走にふれ、力を込めます。

 「この光景は戦争に向かいつつある現状をよく表している。道民にこの事実を広く伝えなければならない」


 旭川平和委員会の由井久志事務局長の話 10年前に旭川から自衛隊がイラクに派兵され、この2月にはソマリア沖海賊対処を理由に自衛隊初の海外基地であるジブチ基地に第2師団70人が派兵される。憲法違反の部隊ぐるみ参拝の背景にある、かつての侵略戦争遂行の精神的支柱となった靖国思想へと回帰させ、自衛官を安心して戦地に送り出す仕組み=海外で戦争する国づくりを許してはならない。


 護国神社 日中戦争による戦死者が急増した1939年、内務省が靖国神社の地方分社と位置づけて設置したもの。戦死者を「英霊」としてまつり、天皇崇拝と侵略戦争の思想動員の場として利用されました。北海道護国神社のホームページでは、「由緒」として「名実共に北の靖国神社に」との記述もあります。


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