空を見上げると雲の形は絶対何千年何万年前と変わらないであろうとほっとする。
地表は変わり果てた。どこへ行っても送電線があり、まるで墓石のようなビルがある。 昔ながらの天然素材だけでできた家はどんどん消えようとしている。
ただの野原だった面影は必死に想像してもはっきりしない。
戦国時代の旅をよくするのだけど、いつも戦国時代の人々はどんな景色を見ていたのだろうと思う。今より煙っていたのかな。木は今より少なかったのかも。川はもっと水量があったんだろうな。
ただ 雲だけは戦国時代の人が見ていた雲ときっと同じだろう。
小さな単位で村人が助け合って 食料を作ったり、狩猟したり、日用品などの行商が徒歩で行き交うのだ。医療はあまりないので 人間の寿命は今よりずっと短いが、短いから無駄はない。 平等公平の社会的ならば 教育も最低限でよいので、子供のストレスもない。子供のころから生きる糧を得る知恵を身につける。
そんな社会が理想だけど。
残念ながら 人間は強欲な生き物だ。その欲深さが 全てをめちゃくちゃにする。
必要以上に生産する、有るだけ採る、売って富を得ようとする。 富を得たら支配しようとする。
この人間に組み込まれた遺伝子は一体なんなのだろう。