さて、いやらしい終わり方をしてしまった、前回の続き行きます。
総監のお話しそのままでなく、お話を聞きながら私が感じたことを交えていますので、その点ご注意ください。
次にお話しされたのは、ロシアの野心的方針(←やっぱ赤文字だろうここは)についてです。
このタイトルからもお分かり頂けると思いますが、非常に言葉を丁寧に選んでお話しされていました。
一般的には「ロシアの脅威」と書きそうなところを「野心的方針」と書いてあったことに、危機感を煽りすぎず、かつ楽観視もしていない、
絶妙な言葉を選んであるように感じました。
で、ロシアが何を企んでいるのか、ということですが…
「大洋の」海軍を再興させようとの腹積もりであるらしく、パワーポイントに映し出されたこの言葉を見た瞬間、
私の脳裏に浮かんだのは、「バルチック艦隊再び」という言葉でしたね。
同じことを、中国も企んでいますが、さしずめ「北洋艦隊再び」というところでしょうか?
まぁ、いづれにせよ、二つとも我が国の海軍に負けたわけですけどもね…(笑)
それはさておき、総監のお話に入ります('ω')ノ
ロシアは中国とのパートナーシップが強固になっていて、
日本の庭先でたびたび合同訓練をしています → な~ん~で?
北朝鮮もたびたび、ミサイルを撃ってきます → な~ん~で?
中国が第2列島線と第1列島線の間をぐるぐると海洋観測をしています → な~ん~で?
…この「な~ん~で?」は総監のお話そのままです(笑)誠に畏れ多いことながら、この「な~ん~で?」がかわいくで大好きでした

もう一度、総監の「な~ん~で?」が聞きたい…

しかし、この、「な~ん~で?」がポイントですよ。
そして、アメリカは中国の無法者をどう思っているのか?ですが、
ワシントンの方々は、驚くべきことに、南沙諸島の現状を知らないのだそうです…。
結構これはびっくりしました。
それだけでなく、「え?領有権くらい、YOU 認めちゃいなよ」(注※ 総監はそんな言い方はされていません)と言ってくる始末。
これには、本当に驚きました…。
アメリカが、フィリピンから撤退するわけだわ、こりゃ、と思いましたね



発表あったように、米軍は日本を護るといっているけど、結局議会が承認して大統領の承認がなければ、現実無理なわけでして…。
しかし(前まで論外だった軍事力しかなかった国の)能力が高くなっていて、その意図が明らかに問題があるのが、現状です。
(↑この赤文字部分は、総監が仰ったまま)
そして、総監が仰ったのが…
脅威 = 能力 × 意図
この公式、私的にはE=MC2くらいのインパクトがありました






曰く、
「脅威とは、能力掛ける意図で、この意図が重要。そして、この意図が不明であることがまさに脅威」
と。
簡にして要を得るとは、まさにこのことでしょう。
先ほどの「な~ん~で?」は、つまり、この意図が不明なので、脅威ということですよね。
そして、この脅威に対抗するには、
⇒ 1.対処による能力の低下
⇒ 2.抑止力および関与による意図の変更
この2つであるということでした。
そして、まさに、この2の「抑止力および関与による意図の変更」に自衛隊の存在意義があるのだと。
1の「対処による能力の低下」とは、実際に戦うことで、相手の戦意を挫くことなら、
2は戦わずして戦いを避ける=意図の変更となりますから、自衛隊の存在意義は、まさにそうであると、私も思います。
そしてこの「抑止力」とは「お互いやめようよ。損するよ。でもやるならやるけど?」=脅し
「関与」とは「お互いやめようよ。損するよ。しないでおこうよ~」=説得 (※←こちらの「」内の言葉はうろ覚えです…すみません…)
しかし、この「抑止力」と「関与」はわかりやすかったです。
続いて、海上自衛隊役割についてですが、
こうした背景を踏まえると、海もっとも重要であるとのことでした。
海上防衛力とは、機動性、多目的性、柔軟性、持続性、国際性を併せ持っているもので、その特性は陸・空と比べても特殊であるということでした。
機動性ですが、艦艇は「国そのもの」であるので、行動自体がプレゼンスを占めしています。
さらには、国から国に移動する途中で、他の国に寄港したり、別の任務を行うことが可能です。
以前、海賊対処から帰る途中で、墜落した航空機の捜索にあたる、ということもありましたが、まさに機動性と柔軟性・多目的性がこれでしょう。
持続性という点において、艦艇は、補給さえ受けられれば、洋上で行動し続けることが可能なのです(人がこれに耐えられるかは別問題ですが…)
以前、ある知人の若手航空自衛官幹部から、
「艦艇ってすごく不思議ですよね。武器の中で生活も仕事もしている感覚って、我々はよくわかりませんから」
と言われたことがありますが、総監も、
「艦艇では、生活しながら任務も遂行する」
と同じようなことをおっしゃっていましたが、それが故の機動性だと思います。
そして、最後の国際性ですが、これは、外交的機能とも言われていました。
これこそが、艦艇の行動は艦艇そのものが国であるがゆえに、「国境を引っ張っていくことができる」海上自衛隊ならではの行動なのです。
先ほど出てきた、「関与」についてですが、これを、海上自衛隊は、
色々な国と話し合い、訓練を通じて話をすることができるし、直接対話ができない国とでも、間接的に、その国とかかわりを持つ、
日本が交流のある国を通して対話をすることができるのだと仰っていました。
また、海上自衛隊の行動をもっと具体的に言うなら、海上警備行動において国土を護ることはもちろん、
抑止によるプレゼンスの維持として、各国海軍との合同訓練や、ソマリアの海賊対処や、そういった行動に際しての、戦略的寄港があります。
私は、この「戦略的寄港」という言葉がとても響きました。
知っている人も多いと思いますが、例の中国の南沙諸島進出の抑止?牽制?として、
ソマリア海賊対処の行き帰りに、ベトナムに寄港した(する)とかがそうですが、寄港が戦略となりえることって、すごいなぁと思うんです。
さらには、国際性ということで、今回初めて知ったのですが、
海軍だけの国際会議…ISS(国際シーパワーシンポジウム)なるものがあり、
世界188か国のNavyが集まり、多国間の協議によって、海洋の安全保障の安定に関与するのだそうです

すごい



先ほどの、脅威 = 能力 × 意図 の式の、
能力に直接働きかけること = 戦争
意図に働きかけること = 抑止
になるので、この「意図に働きかけること = 抑止」これができるのは、Navyだけとのことでした。
各国海軍の制服(軍服)は似ていますが、それを着ているだけで、言葉は通じなくても、ハグして仲間になる…船乗り独特の仲間意識が、
戦争になりにくい。
ましてや、洋上には国境がないので、その海を行くNavyたちは価値観が同じであるから、それによって、政府に働きかけるのだということでした。
これこそ、海軍の真骨頂といえましょう。
よく言われる、Navyは外交官という、まさにこれですね。
総監が掲げていらっしゃる言葉は、
精強 即応 常在
なのだそうですが、この「常在」は山本五十六の「常在戦場」の「常在」からとってあるのですが、これをさらに、
実際に戦争にならないように、まさに今、戦っているのだという、その気持ちを忘れるな

何のために自分たちがいるのか、このことを常に忘れるな

そういう思いを込められているのだそうです。
1時間でしたが、あっという間でした。
本当に、簡単な言葉で、分かりやすく楽しくお話ししてくださいました。
もう少し、上手にまとめられれば良かったのですが…なかな納得のいくまとめ方にならなかったのが残念です。
しかし、総監のお話の一端なりと、お届けできれば幸いです。
また、ぜひお話をお聞きしたいです

ありがとうございました

…それでは、会食会に参ります

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