「歩くZ旗」みね姉のひとりごと ~矜持 国を護るということ~

私たちを護ってくれている自衛隊を、私が護りたい!そんな気持ちで書いてきました。今は、自衛隊との日々の大切な記録です

雅やかな海上自衛隊

2014年03月19日 | 海上自衛隊
今月は、はるゆき、いそゆきの自衛艦旗返納式と、


代わって、すずつき、ふゆつきの自衛艦旗授与式という、


まさしく自衛艦の世代交代が行われました。


はるゆきは、このブログでも何度も取り上げさせていただきました通り、


こちらも、私にとっては、いせに負けず劣らずお世話になった、思い出深い艦です。


ついにこの日が来てしまったんだな、という気持ちでいっぱいです。


逆に、新たにふゆつきとのご縁を頂き、


なんだか自分の中でも、自衛艦の世代交代が行われました(笑)


不思議ですね~。








それにしても、常々思うのですが、


艦名ってなんでこんなに美しいんですかね?


「すずつき」「ふゆつき」「あきづき」


美しい…なんて美しいの


帝国海軍時代から、軍艦の名前は旧国名や自然の美しさを称えた、


雅やかで美しい名前が多いですよね。


他国は、地名や王様、大統領あたりの名前で、


強そうな印象を与えるような名前が多い軍艦が多い中、


海上自衛隊の艦名は、強さよりは美しさ、雅やかさを感じさせますね。


世界でも類をみないのではないでしょうか?


海自の艦艇にも半島名とか、山の名前とかありますけど、


全くもって強そうには感じない名前ではありませんか?


「いかづち」とかまぁ、雷なので強い感じかもしれませんけど、


ひらがなだから?むしろカワイイ感じになってしまっていますね(笑)


雅やかさを感じさせる名前としましては、


私個人の印象ですけど、


「むらさめ」「はるさめ」(誰ですか?食べる方のをイメージした人は)


「さみだれ」「あけぼの」「さわぎり」「あまぎり」「ゆうぎり」…


などなど。


いかがですか


和歌でも一首詠めそうな名前ではありませんか


あ、そうそう、


和歌と言えば、こんな話を聞いたことがあります。


「演習中に他の護衛艦とすれ違う時なのですが、向こうの艦長からこちらの艦長に向けて、

 和歌の上の句が送られてくる
 
 ので、こちらの艦長が下の句を作って返す、という事があります」


え???まぢでこの21世紀にですか?うそでしょ?(笑)(←心の声)


「え?それっていつの話ですか?」(←当然の質問)


「ついこの前もありました」


え????最近の話なの???


ちょ(笑)海自ってばどんだけ雅やかなんですか


っていうか、今日び、そんな雅やかな事をする人たちが実在していたことに、


私は計り知れない衝撃を受け、同時に、


す、すてきすぎるぅ~だから海自好きなの~


と、私の中で、がぜん海自の素敵度がマックスに(笑)


しかし、常々、海自士官っていろんなスキルが要求されるよね、


とは思っていたけど、


まさか、和歌の教養まで要求されるとはね(笑)


おみそれしました


「いや、適当に返すんですよ」


とは言ってらしたけど、


どんだけ適当でも、そうそうさらっと作って返せるものではないですよ


いろんなこぼれ話を聞いてきたけど、


未だ、この話以上の衝撃的な話は聞いていないです(笑)


技量がある方だと、うまい具合に艦名なんかを織り込んで詠まれたりするんですかね?


一度でいいから聞いてみたい。


しかし、曲水の宴以上のスキルが必要とされるよね、コレ。


その和歌の出来いかんはともかく、そんな雅な事を演習中にしちゃう海自が好き






雅やかといえば、


私、お茶を習っている時にいつも思っていたことなのですが、


お茶の席の床の間のしつらえで、面白い事が出来るんですよ。



↑これ、お茶席の床の間です。


掛け軸とお花、そして右下に小さくて見えづらいですが、香合(こうごう)です。


香合とは、香木を入れるものですね。


お茶席では、この3つをテーマを決めてしつらえます。


掛け軸の意味、花、花器、香合を通して、1つのストーリーを作んですね。


で、私は考えた。


たとえばですよ、掛け軸をこれにして、



香合を南瓜の形のものにして、



花器をこの出雲焼きにして



花はこの菖蒲を活けます。




カンの良い方や教養の高い方にはピンと来たかもしれません。


掛け軸は言わずと知れた、日露戦争における東郷元帥の名言、


「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ」


元帥ご自身の筆によるものですね。


そして、


南瓜⇒かぼちゃと言えば、日向かぼちゃです。


花器⇒出雲焼きですね。


花⇒この菖蒲は「伊勢」という種類の菖蒲です。


はい、もうおわかりですね。


ひゅうが、いせ、いずも…


我が国が誇る、2DDH(と22DDH)をテーマにしたしつらえが、


こんなにも雅やかに仕上がるわけです


ちなみに、私が通っている(って最近行ってないけど)お寺には、


ぶっちゃけ、東郷元帥の直筆の掛け軸やらがたくさんあるので、


これの実現は可能です(笑)


あ、以前ブログにも書きましたが、東郷元帥の副官って、


小笠原中佐(当時)といい、唐津最後の藩主の跡取りで、


このお寺(近松寺)は小笠原家の菩提寺だからです。


…とまぁ、こんなに雅なことが、


海上自衛隊の護衛艦の名前を使って出来ちゃうって言う…。


ちょっとした野望ですが、


このしつらえで、お茶席を設けて、


海自士官さん達を招いてお茶会してみたいな


あ、その時制服は、あの白の詰襟のをお召しくださいませね(笑)


東郷元帥ゆかりのお寺のお茶室にて、お待ちいたしております

























護衛艦いせゆる会・・・そして

2014年03月18日 | 護衛艦いせ
本来、このブログではあまり自身が主催する「婚活イベント」については書かないのですが、


今回、ひとかたならずお世話になった、藤原艦長、藤原副長、そして、いせの皆様に感謝でいっぱいの気持ちを


綴らせて頂きます。







1月に唐津で梅崎艦長とお会いした事で、思いがけず、


私がやっている合コンイベントを、

3月14日に、護衛艦いせとのコラボレーションで開催させて頂く運びとなりました。


本当に貴重な機会で光栄の極みとも言えるご提案を、


梅崎艦長から頂きまして、


喜び以上にプレッシャーと不安が大きかったのですが、


いせの方々のご尽力のおかげで、


私は、ただそこにいるだけで、


参加の皆様が喜んでくださる素晴らしい時間になりました。


どれほどお礼を言っても言い尽くせません。







皆様ご存じのとおり、


3月14日は伊予灘で地震が起きました。


当然、みなさんは、0300時には非常招集がかかっていましたので、


ほとんど寝ていないにも関わらず、


1900時には22人の乗員の方々にお越し頂きました。


飲み会も、普段はただ飲みつつお話するだけなのですが、


気が利かない私に代わって、


いせの幹部さんが


男性陣の受付をしてくださったり、


全員の名札や、気になる人の名前を書く用意してくださってたり、


パワーポイントで海自あるあるを紹介してくださったり、


フィリピン災害支援派遣の時のDVDを流して下さったりと、


本当にたくさんお気づかい頂きました。






実は、開催するまで


15日にもともと予定されていた、いせ艦内のイベントが中止になったり、とか


このブログでも何度もご紹介させていただいた、


梅崎艦長が異動になられたりと、


予想もしなかったことが結構あって、


不安はもっと大きくなりました。


だけど、


具体的な事は書けませんが、


新しい藤原艦長が、快く私たちを受け入れてくださったこと、


そして、


いせの幹部さんたちが、とってもとってもお忙しい中、


陰でたくさんのサポートと準備と、そして、


細かいご配慮とおもてなしをしてくださったおかげで、


本当に素晴らしい、どんなイベントも叶わないような最高の日を、


参加者の皆様に過ごして頂くことができました。


先日紹介した「日本に自衛隊がいてよかった」でもあったように、


本当に本当に、


「ありがとう」という言葉しか出てきません。








いつも、自衛官って素晴らしい、と言い続けてきましたが、


彼らは、本当にいつも、


どんなに小さなことでも、


全力で、


私たちのためにがんばってくれる人たちなんだと言う事を、


肌で感じました。


自分たちの苦労や手間が増えることより、


目の前にいる人や、


応援してくれる人、


訪ねてくる人を、


せいっぱいおもてなししてくれて、


いかに喜んでくれるか、楽しんでくれるか


どうすれば助けられるか、


そのことを、いつも考えてくれている人たちなんだと。


だからこそ、


有事の際に、


あんなにもすさまじい使命感で、自らを犠牲にしてでも


多くの人を救う事ができる人たちなのだと。


彼らと関わることができて、


私はとても幸せです。


とめどない感謝をこめて…。














あれから3年・・・

2014年03月11日 | 日記
早いもので、もう3年なのですね。


まずは、震災でお亡くなりになった皆様のご冥福をお祈りいたします。





昨夜、ある震災の特番を見ていました。


開始20分くらいから観始めたのですが、


地震発生当時 ⇒ 48時間 ⇒ 72時間


と時系列で、自衛隊や警視庁、消防庁が様々な人々を救助する様子に従って、


生死の明暗を分けた行動にスポットを当てるという内容でした。


中でも印象に残ったのは、


護衛艦たかなみに救助された幼稚園の方々のお話です。


想像を絶する寒さと空腹に、


屋根の上で懸命にたえていた幼い園児たちや、


その園児たちをあらん限りの手を尽くして必死に守る、


保育士の先生方の姿勢には、ただただ息を飲むばかりでした。


日本人のDNAって、こういうことなのだろうと、思わずにいられません。


また、そのお話を淡々とされるのが、一層感情が動かされました。


先日紹介させていただいた、


「日本に自衛隊がいてよかった」


という本に、その幼稚園の皆さんの逸話も記されています。


その保育士さんは、


自衛官とあいさつする時は、朝も昼も夜も、


「ありがとうございます」


と仰っていて、不思議に思った園児が、


「先生、どうしてありがとうしかいわないの?」


と尋ねると、涙ながらに、


「もうね、ありがとうという言葉しかでてこないのよ」


と答えられたという事でした。











たくたんの方々がお亡くなりになり、


同時にたくさんの方々が、必死に生きるために耐え抜かれたその事態は、


例外なく、3年前のこの時間まで、


まさか数時間後に自分がそのような目に会うなどと言う事を想定していた人など、


誰一人いなかったのだと思うと、


自分自身をその場に置いてみる想像なりともしてみると、


自分の時間が無原則に保証されているわけではないのだと、


思わずにはいられません。


同時に、いつも自分の周囲に当たり前いる人々…


友達はもちろん、小うるさくてうざいと思いがちな両親や、夫や、妻が、


いなくなってしまうという事についても、考えずにはいられません。


この震災を生き残った方々は、


そういう想いを抱えながら、日々を大事に生きていらっしゃるのだろうと思います。


ですが、悲しいことに、せっかく生き残られても、


自殺する方も多いと聞き及びます。


様々な理由があるのだろうと推察しますが、


「自分ひとりが生き残ってしまった」


という自責の念で自ら命を絶たれる方もいらっしゃるようです。


それは、


過酷な状況を生き残る、ということは、


災害も戦争も変わらないのだと感じます。


そう思うと、


自衛隊という「戦わない軍隊」の存在意義を感じます。


以前書いたように、国防が主であって救助活動が主な任務ではないのですが、


「軍隊ではない」といいつつも、


日々、国防のための厳しい訓練を積んでいるからこそ、


隊員数より救った命の方が多い唯一の軍隊(的な存在)たり得たのだろうと思います。


敵と戦って国民を護るか、


苦難に陥った国民を救助するか、


方法が違うだけで、彼らにとっては、


国民のために自らを過酷な状況に身を置くことに違いはないのだろうと思います。


ただし前者は、自衛官は極めて、命を危険にさらすことになるので、


護って頂く側からすると、同列にはとても置けませんが…。






それに付随して、


以下、震災について、ではなく、


あくまで、その特番で気になったことを書かせて頂きます。


ちょっと、個人的に看過できないと思いましたので。


警視庁の方々が、救助に向かった下りでした。


当時現場にいた、ある警察官がさっそうと歩きながら状況を説明していました。


その警察官が、生存者を発見したというご自宅を3年ぶりの訪問、


救助者との感動の対面というわけです…が、


その発見時の映像が流れた時、


私は「え?」と思いました。


彼ら警視庁の捜索隊数名が自宅に入った時、


はっきりと、陸上自衛隊数名が、その生存者を救助していたのです。


その生存者は、半身不随の初老の男性。


半身不随ながら、懸命に2階に逃げて難を逃れていらしたとのことでしたが、


警視庁が自宅に入ってきた時は、


その方も自衛隊も、1階にいらっしゃいました。


半身不随で、衰弱もしている方が自力で階下に降りられたとは考えにくいので、


明らかに自衛隊が救助されたであろう、その男性を、


あたかも、警視庁の捜索隊が、発見・救助したかのように放送していました。


自衛隊の存在を、なかったかのような…いや、完全無視!


極論を言えば、どちらが助けようとも、


その方が助かったので、万事めでたし、なのですが、


ちょっと、これはねつ造と言ってもいいレベルの放送だと感じました。


(というか、それならそれで、もう少しうまく編集したらどうなんだと思いますが)


その警官も、恥ずかしげもなく、そのような収録に同意して撮影に臨んだのかと思うと、


嫌悪感を隠しきれません。


警視庁の捜索隊が必死に頑張ったPRがすごかったですね(笑)


「狭いバスの中で非常食を食べながら救助活動をした」とか。


それはそれで大変だったと思いますが、


だったら、自衛隊がどれだけの事をしてくれたか、もっと映せよ!と。


どっちが大変かなんて、比較するものではないと思うけど、


なんだろう、なんかこの作り方は、ちょっと我慢ならなかったです。


本当に大変だった方も、本当に発見・救助された警視庁の捜索隊も、


おそらくはいらっしゃるはずなので、


こういう報道は、被災者と救助隊の両方を侮辱していると言わざるをえません。


どちらが提案したのかはわかりませんけど…。


でも、こういう時でも、きっと自衛隊って


「あの時、救助隊が来てくれて助かりましたよ」(←事実そうなのかもだけど)


とかって言っちゃうんだろうな…。


「その人が助かることが一番なのだから、どっちでもいいんです」


って言うんだろうな。


最近、マスコミもさすがに自衛隊を取り上げないわけにはいかなくなったから、


報道数は増えたけど、


なんか、その分姑息な手段に出てきたな~とか思ったのは、私の気のせい?


被災者を利用してそういう作り方するのって、


本当に失礼だということが分からないくらい、マスコミってアホなんだなと痛感した次第です。


全体的な構成は悪くなかっただけに、非常に残念な番組でした。
















「約束の海」

2014年03月08日 | 本の感想
いつもコメントを下さる方から、ご紹介頂いて、


さっそく購入して読みました。


約束の海




「白い巨塔」や「不毛地帯」で有名な、山崎豊子の絶筆です。


今回は、実際に起こった、海上自衛隊の潜水艦「なだしお」の事故をベースにしたお話でした。


偶然ですが、


おおすみの事故が記憶に新しい中でこの本を読むと、


潜水艦と輸送艦の違いこそあれ、


事故のことが非常にリアルに感じられます。


また、私自身、海上自衛隊に関する知識が、だいぶ増えてきたこともあり、


すんなりと読み進めることができました。






お話の流れは、けっこう淡々としていたのですが、


だからなのか、余計に現実味がありましたね。


潜水艦の生活や、任務が結構細かく書いてありました。


そのあたり、さすが山崎豊子だな~と。


潜水艦乗りの方と出会う前に、この本を読みたかったです。


以前、このブログでも書いた、ある潜水艦の艦長さん、


潜水艦の艦長を務めていらっしゃるので、スゴイ方だろうとは思っていましたが、


それよりも、知識のない身では、


「おもしろいおじさん」


としての印象の方が強かったので、


この本を読んだ後に、非常に非常に自分は失礼だったと深く反省した次第です…


話自体は、事故の事にスポットライトを当てているというよりは、


あくまで私の印象ですが、


潜水艦の任務やその意義を、その日々の行動を詳細に記すことで、


伝えてくれているように感じました。


最もわかりにくく知られていない、


潜水艦というものや、潜水艦に乗る人たちを少しでも知ることができる貴重な本ではないでしょうか。


それは、かの「沈黙の艦隊」などには描かれていない部分です。


あの作品を潜水艦のイメージの中枢に据えていらっしゃる方には、


違った意味で面白いと思います。


事故後は、予想通りといえばそうなのですが、


実際に、事故を起こした方々の心の叫びや苦悩が、読んでいて辛かったです。


先日のおおすみの事故でもそうなのだろうと思うと、余計に・・・。










潜水艦の船務士である主人公が、なんだか雰囲気はかっこよさそうな印象でしたね。


ちょっと不器用さはあるものの、生真面目でスマートな感じの、ザ☆海自士官という感じ


ちょっとしたラブロマンスもありなので、女性でも抵抗なく読めると思います。


個人的には、そのあたりの話は、わざとらしくて、あまり必要ない感じがしましたが(笑)


彼のお父様は、元帝国海軍で初めての捕虜になったという方。


この部分がもっと読み応えあっておもしろそうでしたので、


続きが一生出ることはないと思うと、非常に残念です。


この本は、本来三部構成だったのですが、


残念ながら、1部を書き終えた後に彼女はお亡くなりになってしまいました。


その、お父様についてのお話は2部で書かれる予定だったようです。


この本を書かれるために集められた、膨大な資料…


それを見るだけでも、見応えあって非常に面白かったのではないかと思いました。







しかし、この本は、


病床にあってなお、命を燃やしつつ、


その命が燃え尽きる直前まで執筆されていた本ということです。


そこまでして書きあげる想いとは、何なのだろうと思いました。


それは、私が、作中のどの部分よりも心を惹かれた、彼女の言葉…


本の帯に書いてあったこの言葉が全てだったのでしょう。


 戦争は絶対に反対ですが、だからといって、守るだけの力ももってはいけない、という考え方には同調できません。

 いろいろ勉強していくうちに、「戦争をしないための軍隊」

 という存在を追及してみたくなりました。

 尖閣列島の話にせよ、すぐにこうだ、と一等両断に出来る問題ではありません。

 そこを読者のみなさんと一緒に考えていきたいのです。

 戦争は私の中から消えることのないテーマです。戦争の時代に生きた私の、

 ”書かなければならない”

 という使命感が、私を突き動かすのです。



ここに集約されていると思います。


「戦争をしないための軍隊」という存在を追及してみたい言葉に、とてもシンパシーを覚えました。


そして、私が知る戦争体験者の方には、


「守るだけの力も持っていけない」


という考えに同調できないという方も、確かにいらっしゃいます。


間もなく、あれから3回目の3月11日を迎えます。


災害救助で大きな貢献をしてくださった自衛隊。


ですが、彼らの本来の任務は、災害救助ではなく、


国防なのだということを、再考してみる機会になるのではないでしょうか?
















「日本に自衛隊がいてよかった」

2014年03月05日 | 防衛省
ここ最近で、立て続けに本を読んだものの、


感想をUPする暇がないまま数日過ぎてしました…


今月は14日に呉ゆる会、21日博多ゆる会、22日大阪ゆる会、29日舞鶴ゆる会…


と、ゆるやかという名に似つかわしくない活動量となっております(笑)


そんな中、忙しくなるほど活字中毒なので、気分転換に本を読み漁り…で、


これと思った本が、やっぱこれ。




陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、全ての震災での秘話が綴られているだけでなく、


現在自衛隊が抱えている問題まで、かなりわかりやすく書いてありますので、


自衛隊への理解を深めたいという方には、お勧めの一冊です。


特に、ゆるやかな会に参加して、自衛隊と仲良くなりたい、と思っている方には、


せめてこの本は、必ず読んできてほしいです。


もっというなら、公務員狙いで自衛隊と結婚したいとか思っている女性や、


自衛隊ってかっこいいですぅ~って言っている女性に。


そこには、


かっこいい!!とか、すごい!とか、親切とか、


そんな生半可な言葉では言い表せない部分が、たくさんたくさん書いてあります。


もう、とにかく読んでくださいとしか言えません。






個人的にいろいろ考えさせられたのは、


陸上自衛隊についてでした。


以前、このブログで


「自衛隊の活躍は陸上自衛隊の活躍は見えやすい評価されやすいけど、

 海上自衛隊は海に出ているので知られにくい」


と書いたことがありましたが、


この本には


「陸上自衛隊は、海上自衛隊や航空自衛隊と違って、演習ばかりしているから、無駄な存在だと思われている」


という、まったく逆の視点で書いてあり、少なからず衝撃を受けました。


領空侵犯の危険があると、ただちにスクランブルがかかる航空自衛隊、


実際に海に出て哨戒活動に従事している海上自衛隊、


この2つがより直接的に接触する機会は多いのは確かです…が、


陸上自衛隊が敵と接触する機会はもう、敵が日本の国土に上陸した後という事になりますので、


演習ばかりの状況でなければ、いけないわけです。


平和な時にはわからないんですよね、必要性が。


もちろん、それは陸自だけでなく、海自も空自もそうなので、


この本を読んでいると、しきりに脳裏に浮かぶのは、まさしく、


防衛大卒業式で有名な吉田首相の


君達は自衛隊在職中

決して国民から感謝されたり

歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない

きっと非難とか叱咤ばかりの一生かもしれない

御苦労だと思う

しかし

自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは

外国から攻撃されて国家存亡の時とか災害派遣の時とか

国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ

言葉を換えれば

君達が日陰者である時のほうが

国民や日本は幸せなのだ

どうか、耐えてもらいたい




という演説内容でした。


まさに、まさにその通りだと。


だけど、それ以上に、必死にただひたすら国民を助けたいという意志だけで、


ここまでの状況に耐えうることが、人間はできるものなのかと思わずにはいられません。


そして何より、


自衛隊は決して自らの功を語りません。


この本の秘話はこの著者が実際に見聞きしたことであり、


今や広くネットで流布している自衛隊の功績のほとんどが、


その側にいて見ていた人のこぼれ話であり、


彼らが伝えてくれなければ、知られることのない話なのです。


こういう「功名心のない高潔さ」こそ、私が陸海空を問わず彼ら自衛隊を尊敬する所以です。


こういう自衛隊の一種の性格のようなものを、


実際に、さまざまな自衛官とお話してて感じるのですが、


特に感じたのが、


このブログでもたびたびご紹介している梅崎艦長と、


秋田駐屯地の司令官という、お二人とお話を伺った時でした。


秋田で広報官の方が、昨年の土砂災害での捜索活動で、


なかなかご遺体が見つからない時に、


司令官が陣頭指揮を執られて、指示どおりにすると、


ようやくみつかったというお話をされた時に、


司令官は「いやいや、私はただ立っていただけだよ」


と笑いながら仰いました。


また、梅崎艦長が唐津にて講演された時も、


パワーポイントの資料がとても丁寧でわかりやすかったので、


誰が作られたのかと尋ねると、


「あれは、部下が作ってくれたんだよ」


と仰ったのですが、部下の方に伺うと


「いえ、あれは艦長ご自身で作られたものです」


と言われました。


講演の内容も、本当にみんな頑張ってくれた、というお話でした。


なので、自らの功を黙して語らないという性格については、


とても共感できます。


また、お二人からお話を伺っていたことでもあり、


本の中でも繰り返し書かれていたことが、


「自衛隊は有事に備え徹底的に厳しい訓練をしている。

 だから、困難に見える災害派遣は、演習に比べるととても楽」


と言われていたことです。


「あの」状況が演習より楽だというのは、一体どれほどの演習をされているのだろうと、


思わずにはいられません。


ですが、


震災の活躍で、自衛隊の評価が上がったことはいいことだと思うのだけども、


本の中でも出てきますが、別の問題が浮上してきました。


自衛隊をなくして、災害派遣専門部隊にすればいい


という、馬鹿げた論ですね。


あれほどの災害支援ができるのは、


それ以上の、戦闘に備えた極めて厳しい訓練をしているということが前提になっているからだという事を、


自衛隊不要論者は理解していないのです。(する気もないでしょうけどね)


もうひとつは、


国民にとっての自衛隊の存在意義の認識がズレてしまっていることです。


上記と繋がる話なのですが、


自衛隊不要論者のみならず、


自衛隊は「なんかしら助けてくれる存在」だと思われ、


安易に派遣要請を出す自治体が増えたようです。


また、震災以降、自衛隊の入隊希望者は増えた言う事ですが、


多くは救助隊を希望するのだそうです。


その気持ちはとてもよくわかるし、大切にするべきものだとは思いますが、


この本でも触れらられている通り、


自衛隊に入隊する目的が、本来の任務である「国防」からちょっとズレているのですが、


なんとも言えない気持ちになります…。


人を助けたい!という気持ちは間違っていないし、立派で崇高な使命です。


実際に目の前で、成果がわかりやすい分、やりがいを感じやすいので、


仕方のないことだとは思いますが、


国防という、本来の任務の重要性が、成果は見えづらいけども


国民を救っている行為なのだということを、気付いていただけるといいな、と思います。


護って頂いている立場なので、おこがましいかもしれませんが、


今、成果として見えなくても、


あなた方がどれほど、国を護るために様々な犠牲を払って日々の生活を送っているかという事を、


多少なりとも知って、感謝している人も増えているのだと、知っていただけたらなぁと思い、


ゆるやかな会を、そういう機会にもできたらと願う次第です。