ダメリーマン脱出整理術
【第3回】机の引き出し
2013年6月12日
草間雅子 [美的収納プランナー]
皆様、こんにちは。美的収納プランナーの草間雅子です。
前回のコラムでは、
一番難易度が高く悩ましいデスクの上の「書類・紙モノ」に限定して、
その整理術をお送りしました。
今回は“デスク全体”の整理術を
じっくりご紹介したいと思います。
前回も申し上げたとおり、
オフィスのデスクは“あなたの顔”と言えるもの!
あなたがどんな人なのか、
周りの人はあなたのデスクの状態から
少なからず判断しているはずです。
そんなあなたの名刺代わりとも言える重要な場所ですから、
前編・後編の2回にわたって、
「デキる男の印象を与えるデスク」を一緒に目指していきましょう!
前編である今回は、実際のデスクを元に
「ダメな(残念な)ポイント」と、
どうしてそうなってしまうのかの原因分析を。
そして次回の後編では、
その具体的な改善策をご紹介してまいります。
汚い、不便、非効率…
“ダメリーマンなデスク”が与える印象
さて、早速ですが、こちらはとある方のデスク――。
書類の積み具合がなかなかいい感じですね~。
とても器用に積んでいらっしゃいます。
パーティションの高さもゆうに超えています。
お向かいの方、お隣の方は、
いつ雪崩が起こってもおかしくないこの状態に
内心怯えていらっしゃるのではないでしょうか?
あなたのオフィスにも、
1人ぐらいこんな積み名人はいらっしゃいませんか?
ある意味、素晴らしい技術ですが、
このデスクでは、残念ながらデキる男には見えません。
溜まった空き缶や飲みかけのペットボトルなども、
いつのモノなのかちょっと怖いものがあります。
このデスクから私が受ける印象は、
大きく分けて5つです。
①非効率:探し物に時間がかかる。作業スペースが狭すぎる。
時間当たりの生産性が落ちる。残業が多そうに見える。
②不親切:本人の休暇時・外出時に、他の人ではモノがみつけられない。
③けじめがない:会社のデスクをプライベート化している。
④危険:地震、火災で書類などが崩れてきたら逃げ道の邪魔になる。
普段でも崩れてきたら仕事を一時中断しなければならない。
周りの人も危険。
⑤不衛生:ほこり・食べかすがチラホラ見られ、
引き出しには賞味期限切れのおかし?
食べかすや飲みかけの飲み物で大事な書類を汚しかねず、
キーボードもギトギトなイメージ。
ちょっと辛口だったら申し訳ありません。
でもこれが率直な印象です。
そして、皆さんが抱かれる印象とも、
そんなにはかけ離れていないのではないでしょうか?
しかし!このデスクの持ち主さんは、
実際のところ仕事がとてもデキる方かもしれません。
だとしたら、デスクの見た目だけで
これだけマイナスの印象を与えてしまうのは、
とてももったいないですよね!?
では、早速デスクの引き出しを順に見せて頂きましょう。
文房具、メモ帳がぐちゃぐちゃ!
「引き出し雪崩」はココからはじまる
まずは、右袖の一番上(1)から。
いきなりキャパオーバー気味ですね!
文房具とメモ帳などが節操なく詰め込まれていて、
モノの指定席が決まっていません。
きっと引き出しを開ける度に、
何かがつっかえてプチストレスを感じているはずです。
電池も切れたものと未使用な物が混ざっているのではないでしょうか。
文房具を取り出す時にも、やや時間がかかりそうです。
では、なぜこの状態になってしまったのでしょう?
右利きの人はここが一番開けやすい場所なので、
とりあえずここへ物をどんどん入れてしまいがち。
しかも、高さの低い引き出しゆえに、
クリップやポストイットなどの薄く、
細かい文具類が集まってきやすい傾向にあります。
それら細かいモノを収めるのに必要な仕切りが手前の部分にしか付属していないため、
収まりきらない小物たちが奥の方へと広がり乱れていきます。
そのうち、この1段目が完全に
キャパオーバーになると、
溢れたモノは2段目→3段目へとどんどん広がり、
そこもぐちゃぐちゃに…。
いわば「引き出し雪崩」を引き起きす最初の砦とも言える箇所ですので、
ここは確実にビシっとキレイにしましょう!
なぜネクタイとお菓子が!?
書類のエリアを侵食する私物たち
次にその下の2段目(2)、比較的深さのある引き出しです。
上から見て、何が入っているのかネクタイ以外分かりません。
深さのある引き出しだけに、
上に積んでしまうと底のモノが全く見えなくなってしまいます。
それを防ぐには、仕切りを利用して
(ない場合はファイルボックスなど)で部屋を作り、
ファイルなどは立てて入れるようにする事が必要になります。
ネクタイなどの私物は、
どこか入れる場所を決めてまとめて仕舞い、
公私を分けた方がスマートな印象でしょう。
そして、右袖の最下段(3)を見てみましょう。
ここではせっかくファイルを立てて整理しているにもかかわらず、
その上に紙モノを置いてしまっては残念です!
確実に開け閉めをするとつっかえますし、
引き出しの後ろ側にも何か落ちているはず!
一部、タイトルがつけられていないファイルがあるのも惜しいですね。
オフィスでは、他の人から見ても分かるようにしておくことが大切です。
そして、出ました!書類のエリアなのにお菓子が紛れ込んでいます!
おそらく存在すら忘れているかも知れません。
先ほどのネクタイ同様、私物の中でも食べ物は、
賞味期限もありますし、
衛生上の理由からもキチンと場所を決めて保管するのが賢明です。
ファイルの上にひしめく書類…
引き出しの開け閉めで破れていませんか?
そして、左袖へと移ります(4)。
これは大変!!!
紙がひしめいています!
多分、これらの書類(特に奥の方)を見る事は皆無に等しいはずです。
前回お話した通り、紙は定期的に見直しをしないと、
とにかく増える一方。
これらの情報が、メールの添付に残っていないか、
データ化されていないか、
部署で共有されていないかを見直し、
本当に自分で保管をしておく必要があるものだけに絞りましょう。
これでは、上に積んだ紙は破れてしまいます!
相当、環境のストレスに鈍感になっている状態かも…。
その下、左袖の下段(5)はどうでしょうか?
本置き場のようですが、
一部他のモノも混在しているようですね。
ここも、深い引き出しなので上に積んでしまっては
下が死角になります。
ここには雑誌と本だけ!と決め、溢れてしまう時は処分、
もしくは本棚へ移動するなどを検討しましょう。
直近でよく参照する本だけに絞っておくと頭もスッキリするはずです。
便利に見えるのに
実は不便な手前の引き出し
最後に身体の正面(6)の引き出しにまいりましょう。
この引き出しは、もともと高さが低いため、
PCを使わない時代は、便せんやノートなどをよく入れていたと思います。
しかし、PCが普及した今では手書きの機会もめっきり減ってしまったため、
ここに入れるモノが決めにくくなっています。
しかも、取り出すときは椅子を後ろに引く手間がかかるので、
一番近いけれど、実は便利な場所ではないのも特徴です。
使用頻度の高い物を仕舞うには向いていません。
この方は紙がびっしりと詰まっていますが、
あまり有効には使えていないはず。
いっそ、空にしておくという活用法を、
次回ご説明したいと思います。
ダメリーマンのデスクは
ちょっとのコツで“デキる男のデスク”へ
以上、ダメ出しばかりで少々厳しかったかも知れません。
ただこの方は、これまでデスクに入ってくるものを
自らコントロールしようという意識がなかっただけだと思います。
そのために、蓄積するプチストレスや失っている時間の多さ、
仕事の効率が下がっているという事実にも気付いていらっしゃらないのでしょう。
でも大丈夫!実はちょっと意識をするだけで、
ちょっとしたコツを知るだけで、
どなたのデスクでも“デキる男のデスク”へと
変身させることは可能です。
特に強化していきたいのは、モノの指定席を決め、
それを守るための「システム構築筋」+“汚い、
不便、非効率”をそのままにしておけなくなる
「感受性筋」の2つになります。
具体的な改善策をご紹介する、
次回(6月24日公開予定)をぜひご覧ください!
(文/構成=勝俣絹枝)
http://diamond.jp/articles/-/37278より
【第3回】机の引き出し
2013年6月12日
草間雅子 [美的収納プランナー]
皆様、こんにちは。美的収納プランナーの草間雅子です。
前回のコラムでは、
一番難易度が高く悩ましいデスクの上の「書類・紙モノ」に限定して、
その整理術をお送りしました。
今回は“デスク全体”の整理術を
じっくりご紹介したいと思います。
前回も申し上げたとおり、
オフィスのデスクは“あなたの顔”と言えるもの!
あなたがどんな人なのか、
周りの人はあなたのデスクの状態から
少なからず判断しているはずです。
そんなあなたの名刺代わりとも言える重要な場所ですから、
前編・後編の2回にわたって、
「デキる男の印象を与えるデスク」を一緒に目指していきましょう!
前編である今回は、実際のデスクを元に
「ダメな(残念な)ポイント」と、
どうしてそうなってしまうのかの原因分析を。
そして次回の後編では、
その具体的な改善策をご紹介してまいります。
汚い、不便、非効率…
“ダメリーマンなデスク”が与える印象
さて、早速ですが、こちらはとある方のデスク――。
書類の積み具合がなかなかいい感じですね~。
とても器用に積んでいらっしゃいます。
パーティションの高さもゆうに超えています。
お向かいの方、お隣の方は、
いつ雪崩が起こってもおかしくないこの状態に
内心怯えていらっしゃるのではないでしょうか?
あなたのオフィスにも、
1人ぐらいこんな積み名人はいらっしゃいませんか?
ある意味、素晴らしい技術ですが、
このデスクでは、残念ながらデキる男には見えません。
溜まった空き缶や飲みかけのペットボトルなども、
いつのモノなのかちょっと怖いものがあります。
このデスクから私が受ける印象は、
大きく分けて5つです。
①非効率:探し物に時間がかかる。作業スペースが狭すぎる。
時間当たりの生産性が落ちる。残業が多そうに見える。
②不親切:本人の休暇時・外出時に、他の人ではモノがみつけられない。
③けじめがない:会社のデスクをプライベート化している。
④危険:地震、火災で書類などが崩れてきたら逃げ道の邪魔になる。
普段でも崩れてきたら仕事を一時中断しなければならない。
周りの人も危険。
⑤不衛生:ほこり・食べかすがチラホラ見られ、
引き出しには賞味期限切れのおかし?
食べかすや飲みかけの飲み物で大事な書類を汚しかねず、
キーボードもギトギトなイメージ。
ちょっと辛口だったら申し訳ありません。
でもこれが率直な印象です。
そして、皆さんが抱かれる印象とも、
そんなにはかけ離れていないのではないでしょうか?
しかし!このデスクの持ち主さんは、
実際のところ仕事がとてもデキる方かもしれません。
だとしたら、デスクの見た目だけで
これだけマイナスの印象を与えてしまうのは、
とてももったいないですよね!?
では、早速デスクの引き出しを順に見せて頂きましょう。
文房具、メモ帳がぐちゃぐちゃ!
「引き出し雪崩」はココからはじまる
まずは、右袖の一番上(1)から。
いきなりキャパオーバー気味ですね!
文房具とメモ帳などが節操なく詰め込まれていて、
モノの指定席が決まっていません。
きっと引き出しを開ける度に、
何かがつっかえてプチストレスを感じているはずです。
電池も切れたものと未使用な物が混ざっているのではないでしょうか。
文房具を取り出す時にも、やや時間がかかりそうです。
では、なぜこの状態になってしまったのでしょう?
右利きの人はここが一番開けやすい場所なので、
とりあえずここへ物をどんどん入れてしまいがち。
しかも、高さの低い引き出しゆえに、
クリップやポストイットなどの薄く、
細かい文具類が集まってきやすい傾向にあります。
それら細かいモノを収めるのに必要な仕切りが手前の部分にしか付属していないため、
収まりきらない小物たちが奥の方へと広がり乱れていきます。
そのうち、この1段目が完全に
キャパオーバーになると、
溢れたモノは2段目→3段目へとどんどん広がり、
そこもぐちゃぐちゃに…。
いわば「引き出し雪崩」を引き起きす最初の砦とも言える箇所ですので、
ここは確実にビシっとキレイにしましょう!
なぜネクタイとお菓子が!?
書類のエリアを侵食する私物たち
次にその下の2段目(2)、比較的深さのある引き出しです。
上から見て、何が入っているのかネクタイ以外分かりません。
深さのある引き出しだけに、
上に積んでしまうと底のモノが全く見えなくなってしまいます。
それを防ぐには、仕切りを利用して
(ない場合はファイルボックスなど)で部屋を作り、
ファイルなどは立てて入れるようにする事が必要になります。
ネクタイなどの私物は、
どこか入れる場所を決めてまとめて仕舞い、
公私を分けた方がスマートな印象でしょう。
そして、右袖の最下段(3)を見てみましょう。
ここではせっかくファイルを立てて整理しているにもかかわらず、
その上に紙モノを置いてしまっては残念です!
確実に開け閉めをするとつっかえますし、
引き出しの後ろ側にも何か落ちているはず!
一部、タイトルがつけられていないファイルがあるのも惜しいですね。
オフィスでは、他の人から見ても分かるようにしておくことが大切です。
そして、出ました!書類のエリアなのにお菓子が紛れ込んでいます!
おそらく存在すら忘れているかも知れません。
先ほどのネクタイ同様、私物の中でも食べ物は、
賞味期限もありますし、
衛生上の理由からもキチンと場所を決めて保管するのが賢明です。
ファイルの上にひしめく書類…
引き出しの開け閉めで破れていませんか?
そして、左袖へと移ります(4)。
これは大変!!!
紙がひしめいています!
多分、これらの書類(特に奥の方)を見る事は皆無に等しいはずです。
前回お話した通り、紙は定期的に見直しをしないと、
とにかく増える一方。
これらの情報が、メールの添付に残っていないか、
データ化されていないか、
部署で共有されていないかを見直し、
本当に自分で保管をしておく必要があるものだけに絞りましょう。
これでは、上に積んだ紙は破れてしまいます!
相当、環境のストレスに鈍感になっている状態かも…。
その下、左袖の下段(5)はどうでしょうか?
本置き場のようですが、
一部他のモノも混在しているようですね。
ここも、深い引き出しなので上に積んでしまっては
下が死角になります。
ここには雑誌と本だけ!と決め、溢れてしまう時は処分、
もしくは本棚へ移動するなどを検討しましょう。
直近でよく参照する本だけに絞っておくと頭もスッキリするはずです。
便利に見えるのに
実は不便な手前の引き出し
最後に身体の正面(6)の引き出しにまいりましょう。
この引き出しは、もともと高さが低いため、
PCを使わない時代は、便せんやノートなどをよく入れていたと思います。
しかし、PCが普及した今では手書きの機会もめっきり減ってしまったため、
ここに入れるモノが決めにくくなっています。
しかも、取り出すときは椅子を後ろに引く手間がかかるので、
一番近いけれど、実は便利な場所ではないのも特徴です。
使用頻度の高い物を仕舞うには向いていません。
この方は紙がびっしりと詰まっていますが、
あまり有効には使えていないはず。
いっそ、空にしておくという活用法を、
次回ご説明したいと思います。
ダメリーマンのデスクは
ちょっとのコツで“デキる男のデスク”へ
以上、ダメ出しばかりで少々厳しかったかも知れません。
ただこの方は、これまでデスクに入ってくるものを
自らコントロールしようという意識がなかっただけだと思います。
そのために、蓄積するプチストレスや失っている時間の多さ、
仕事の効率が下がっているという事実にも気付いていらっしゃらないのでしょう。
でも大丈夫!実はちょっと意識をするだけで、
ちょっとしたコツを知るだけで、
どなたのデスクでも“デキる男のデスク”へと
変身させることは可能です。
特に強化していきたいのは、モノの指定席を決め、
それを守るための「システム構築筋」+“汚い、
不便、非効率”をそのままにしておけなくなる
「感受性筋」の2つになります。
具体的な改善策をご紹介する、
次回(6月24日公開予定)をぜひご覧ください!
(文/構成=勝俣絹枝)
http://diamond.jp/articles/-/37278より