ミッちゃん 山元気!

自由気ままに 自分の目線で
山歩きの様子を綴っていく日記です

リベンジの薊岳に一瞬の軌跡が♪ 1 P1334尾根編

2022年02月23日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2022年2月20日(日)☁/雪 強風 薊岳 

 ※P1334尾根~薊岳~トウフ岩経由

 

今年・・・雪が降る機会が週末に見られた

だけど、中々本格的な雪山を味わう事が難しい状態だった

少し体調も落ち着いたと思って、薊岳に向かった時も、結局!

喘息発作を起こして、中止せざるを得なくなった

 

喘息の薬が変わり、ようやくコントロールできるようになった

今の体調で登れる所として 再度、薊岳に向かった・・・

 

これが吉と出るか凶とでるか・・・

行ってみなければわからない!

 

チチの運転する車に揺られて

うつらうつらしていた頃 景色が変わった!

大又林道は冬景色に変わり 

その途中で、スタックしている車と

それに対応する数名の登山者たちに出会う

この林道をこの時期に入ると 必ずみられる助け合い!

チチも助っ人に回り そして、先の大又林道終点へと向かった

 

 大又林道終点駐車場

 

雪は以前の時に比べると少ないように思われるが

今の体調を考えると充分だ!

冷たい空気を吸っても 発作は起きない 

不安を抱えながらも、支度をして 薊岳に向かった

 

 

コースタイム

7:45 大又林道終点駐車場 ~ 7:51 P1334尾根取付き 8:05 ~ 8:54 C900m地点 ~ 11:19 1334m ~ 12:07 薊岳1406m 12:25 ~ 12:50 石ヶ平東尾根分岐 ~ 13:55 トウフ岩 ~ 14:14 方向転換地点 14:20 ~ 15:25 石ヶ平谷東尾根取付き ~ 15:42 大又林道終点駐車場

 

 

 

車止めゲートを過ぎると、更に世界が変わっていった

林道は、無数の登山者の形跡を残して 

モノトーンの世界へと導く・・・

 

展望は望めないにしても 冬の花見は出来そうだ♪

冬山への期待が膨らんだ

 

ただ、この時… 

久々に履く冬靴を忘れていて

後々く事になるなど 気にもせず

今季冬靴の重さを感じながら歩いていた

 

 

林道を進んで行くと 小さな橋の右側に

雪を被った鉄階段が見えてくる

ここが P1332への尾根の取付きである

 

ここからはアイゼンを装着してから登っていく

 

 P1334尾根の取付き

 手すりに標布テープ!

 

雪を被った鉄の階段が冷たく誘う

ステップに積った雪は新雪のままだった

 

今日はまだ、誰も歩いていないようだ!

 

最初から人の少ないコースを選択しての事だが

キュッと身が締まる思いがした・・・

 

 さて、行こうか!

 初っ端から急登が待っている!

 覚悟はしていたが背中の荷が、重い!

 

鉄の階段からは な登りが続く

久々の冬靴12本アイゼン そして・・・

背に背負ったスノーシューの重さが応える

 

雪の表面は柔らかいが その下からは凍った固さが伝わる

雪質は悪くなさそうだが下はクラストしているようだ 

注意しながら確実に歩いていく

 

 急登を只管、登っていく

 C800m辺りか?緩くなって…

 最初の急登がった・・・が!

 

わぁ~!

風の洗礼?悪戯?

最初の急登を登り切ったあたりのC800m

そこには  手薬煉を引いて待つがいた!

 

突風が 草木の雪を払いのけ

雪煙を捲き上げる勢いで吹きつけてくる

その力は強く 木々を揺さぶっていく

 

そんな、容赦なく襲う風に立ち向かう

急登を上ってきた足に、異変を感じ始めた

 

右足に痛みを感じ始めたのだ

それは だんだんくなっていく・・・

そして 思い出した!

冬靴との相性が悪かったことを・・・

足の肉刺予防対策をする事を・・・

 

しまった!

そう思ったが、すでに遅かった・・・

 

 支尾根の植林帯

 急斜面をトラバース

 時に埋もれた倒木を越えて!

 再び急登を一気に登ると

 C900m 急登が終った?

 登って来た所を振り返って見た

 

C900m辺りから緩やかになるが 

先の見えない白い闇の狭間を歩く感じがした

そして この辺りから雪の量と雪質わり出した

 

緩く感じた道も そう長く続くものではなかった

段々勾配はきつくなり 優しさは微塵も感じない

 

だが この時 後ろから人気配が

二人の若者が登って来られた!

躊躇することなく 道をった

 

若さというものは素晴らしい~!

馬力が違う!

ドンドン登っていく

私にとって助っ人が現れた様な感じだった

 

若いっていいなぁ~

チチがボソっという・・・

 

年齢と共に 体力がわれていくのを感じ始め

そして更に追い打ちをかけるように起こったコロナ禍!

 

老いという避けられぬ試練に直面して実感する

正気な気持ちだ…

 

 

若い頃のチチも凄かったよ

そうだったかな

 

今もその頃と同じだったら 

私、ついて行けないよ!

そうか・・・

 

ここからは、

入れ替わった若い先行者の恩恵を受けながら

マイペースに登っていった

 

登っていったが・・・足のみは増していった

ついに 肉刺が敗れた感触が伝わった・・・

 

微妙に靴の中で足をずらしながら調整するが

目先の対応で効き目は無いに近かった・・・

 

いたい~!

 

 

 足が痛いよ 

 斜面の角度も!容赦ない

 

異次元の世界がひろがり

まるで未知との遭遇を彷彿させられた

 

止まると足の痛みはやわらぎ この幻想的な景色に

少しの間、忘れていたが・・・

歩きはじめると・・・~い

 

 プチラッセルしながら登っていく

 

幻想的な世界に目を奪われると

また 足が止まり 痛みも忘れる!

だけど やっぱり 歩き出すと痛みは襲う!

 

 レース編みの暖簾?

 

光は煙幕に包まれ柔らかく、白い魔物たちが佇む

まさに幻想的な世界と化していた

 

視界は閉ざされ、白い闇が広がる森の中を

何かを訴えるように吹き抜ける強い風!

この風は終始 付きまとい、

こんなタイミングで吹く~?と言いたいほど

突風に煽られ、バランスを崩しかける事が多々ある

 

 

 容赦ない突風!

 立ちはだかるエビの尻尾軍団!

 戦い続く…

 

山の様相わり出した

吹き溜まりとなった所や、風に掃かれて浅い所

様々に変化しつつも、確実に雪の量は増えており

樹の背丈も低くなり始めていた

 

足の痛みも増してきた!

 

チチに足の事を このタイミングで伝えた!

愚かな私!

 

急登が続いて、風も吹きつける中 

足の処置をするところがないように思えた

我慢すればいいと考えた

しかし、それが間違いだった…

 

 稜線はもうすぐだ!

 稜線手前の緩い所で履き替えよう!

 

急斜面のトラバースでは もろい雪が足場を不安定にし

油断するとそのまま谷底まで滑り落とされそうだ

小さな雪玉が落ちていく姿を見ながら 緊張が増す!

 

稜線に出る所での尾根が緩やかになるはずだ

そこでスノーシューに履き替える事にしよう!

 

ここからは必死だった

記憶には、

白い世界で藻掻く自分の姿しか残っていない!

 

 もうすぐ尾根に出る・・・

 

まだか?

もう少しか?

足が痛い・・・!

 

そして緩い尾根に出た時はホッとした

 

風は強いが、風を避けるところは見つからない

ここでしかない!

 

アイゼンを外して 

靴下を脱いで足をみた・・・

 

お見事!

肉刺はつぶれて皮が捲れていた!

 

吹き付ける強い風との戦いの中

手袋を付けたままの操作は苦手な事もあり

足の処置や履き替えには時間がかかった

 

かなり時間をロスしたと思う・・・

もういつ履き替え始めたのか いつ終わったのか

時間の記録も この辺りから疎らになっていた

 

ただ 履き替えて動き出した頃にはもう

時刻は11時を回っていた・・・

 

身体も冷え切って 手足が冷たく

凍傷を考える程、指先が痛かった・・・

 

 

スノーシューに履き替えてからは早かった

足の肉刺の処置もうまくできたのか 

痛みは気にならない

 

ここから挽回するように歩いた・・・

次第に体が温かくなりだし

冷たかった手先にも血が通い始めた感じがした

 

だが 薄暗い世界の中で 時間の感覚がずれ

薊岳に登れる自信が 

いつの間にかえつつあった・・・

 

 

チチ・・・薊岳に着くかな?

 

ここからは 薊岳はもうそこだ 着くよ!

 

うそ・・・

 

内心そう思った・・・

なぜそう思ったのか・・・

 

山家は 嘘をつく!

励ますために嘘をつく!

優しい嘘をつく!

頑張ろうとする気持ちが生まれる!

 

 P1334mに着いた

 チチが振り返ってもうすぐだという

 

風がせせら笑う

樹々が揺れて悲鳴を上げる

氷の花びらが乱舞して肌に刺さる

それでも

それでも

チチの言葉に押されて

 

薊岳へと向かった・・・

 

何もかも包み込んで

先の見えない白い闇の世界が広がる中

冬の花を咲かせた木々が寄り添って

励ましてくれる

 

 

つづく

 

長編になりますが、思いを綴っていきたいと思います

山行記にお付き合い下さると嬉しいです

宜しくお願い致します

 


初冬の大台ヶ原 三津河落山へ 再び…5 下山編

2020年12月01日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2020年11月22日(日) ☁/強風 日出ヶ岳~三津河落山

 

大和岳から引き返すところからの続きです

 

さぁ~ 元来た道を戻るだけ

風に追われ 景色を奪われ・・・

それでも楽しんだお山のUターン

 

 

 まずは日本鼻頂点へ戻ろう

 農林水産省雨量計まで急ぐ

 

雨量局の裏側を借りて休んだ

風は止まず 雲は往来するかの様に動き

明るくなったり暗くなったり…

そんな風から守るように 建物がとなってくれた

 

ここからの景色も 閉店とあって

少しも開けようとはしない…

 

今日は本当にダメだな・・・

コーヒーをすすりながら

先の見えぬ白い闇を見つめた

 

 三津河落山分水嶺まで戻ろう

 

おぉ~

一瞬だ 一瞬だが 尾根が見えた

雲が山を越えた瞬間だ

 

すっきりとはしないものの 

懐かしき尾根を捉える事が出来た

 

来年 来れたときは・・・

 

ゲンコツ峠からの尾根

 

すぐに閉じて 視界は奪われた

一瞬のご褒美を胸に 復路を歩きだした

 

 さらば 三津河落山

 

同じコースを戻っているのに ガスも手伝ってか

見る方向が変わると 雰囲気が全く違う感じだ

 

日本画の中にいるような錯覚を覚える事もある

白黒のモノトーンの世界もまた いいものかも…

 

 

  風は相変わらず強い…

 下っては登り返し…

 

ガスは増えても消える事はなく

すべてを包んで をチラホラ落としてくる

 

ここで 防鹿柵にぶつかるが

往路では気が付かなかったものを見つける 

 

 防鹿柵の出入り口?

 国立公園整備事業フムフム

 如来月への急登ふぁいと~

 

山は不思議だ…

同じ道を戻っているはずなのに

少しルート取りが変わるだけで 景色が変わる

 

新たなる山の魅力を見せてくれたり…

痛い経験をさせられたり…

 

本当に山には 不思議な魔力が潜んで試してくる感じ…

良しも悪しも それが面白いと言えば面白い

 

 如来月 再び

 またまた急な下り

 

今日はお天気には恵まれなかった…

でも 決して嫌な山ではなかった…

それ所か・・・

 

ミヤコザサの絨毯も 秋色を通りこして枯色に…

寒々しい冬木の梢も

魔物たちの息遣いの様なガスに包まれ

神秘なる山の世界を演出していた

 

今日でしか味わえない魅力を、知ることが出来た

だが・・・

 

 倒木の残骸…

 

現実に戻ると 風との戦いは続いている…

 

風も冬の便りを運ぶ準備でもしているのか

心底凍てつきそうな冷たさを潜ませ

油断すると吹き飛ばす勢いで体当たりしてきた

 

 

風は沢いているが 樹林帯の中は

人の気配すら消し去り 

眠りの準備をするかの様に静寂に包まれ 

粛々とその時を待っているかのようであった

 

その中を…

 

 名護屋岳の直下の斜面

 

いつの間にか 無言になって

登っては下り…

下っては登りを繰り返しながら 

只管 来たルートを戻っていた

 

 名護屋岳の巻き道

 

 

苔付きの急斜面を見上げた

名古屋岳への直登だ…!

 

急登は もういい…

 

帰りは迷わず 

名護屋岳を巻いていった

 

そして…

 

 名護屋岳の分岐

 

ここからは下りだ!

チチが 励ますように声をかけてくれた

 

頷くようにチチを見て

そのまま 川上辻へと下っていった

 

 ミヤマシキミの蕾

 

途中、ミヤマシキミの群生に出会う

往路では気が付かなかったのはなぜ・・・?

 

ミヤマシキミもまた 冬越しの準備をして

その時を待っているかの様だった

 

ミヤマシキミは 蕾のまま冬越しをして

春に 花を咲かせて 色香を見せてくれるのだ

来年の春まで・・・お休みなさい

 

 下って下って最期防鹿柵!

 川上辻が見えてきたやった~♪

 戻ってきた川上辻!

 通行止めの看板確認!

 もう登らない!さっさと車道に出た

川上辻登山口

 

日出ヶ岳はこの時間 人が多かろう…

そんな事をも考えたが・・・いやいや

登り返しをご遠慮したい事が大きい理由だろうか…

そのまま舗装道路に出て歩いて戻る事にした

 

 20分ほどテクテクと歩こう…

 

ただいま~

 

大台ヶ原ビジターセンターの駐車場に戻ってきた

 

 駐車場もガッスガス!

 

約5時間程度の歩きだったけど

やはり 疲れた…

 

結局最期まで山は微笑んではくれなかったけど

激しい風雨でなかったことに感謝♪

そして神秘なる山を味わえた事に満足である

 

駐駐車場は 日頃に比べると少ないが

やはり 人の集まりはである

早々に片付けて どこにも立ち寄ることなく帰った

 

 

ところで・・・

 

いつになったら 

山歩き後の温泉を味わえるようになるのだろう・・・

まだまだ 気を許せることも無く

密を避けての山歩きが続くのだろう…

 

 

 

 

長編となってしまいました…

自己主観の山行記となってしまっていますが

最期までお付き合い下さり 本当にありがとうございます

 

 


初冬の大台ヶ原 三津河落山へ 再び…4 さんづこうちやま編

2020年11月29日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2020年11月22日(日) ☁/強風 日出ヶ岳~三津河落山

 

 

三津河落山 三つの分水嶺からの続きです

 

 三津河落山 1628m

 

標識には1654mとなっているが

それは三津河落山最高峰の如来月の標高だ

 

標識の付いている倒木の姿と見つめると

いつも思うのが なぜか北斗の拳

全エネルギーを天に放出して立つ

ラオウの姿と重ねて見る私…

 

わが生涯に 一片の悔いなし!

 

枯れた倒木が 今もなお空に向かって

エネルギーを放出している様な・・・

何かを指し示しているかの様に・・・

感じてしまう!

 

だけど 今日は満天の

それ所か 雨交じりでい空だ

今日は…一片の悔い…ありありだ!

 

 釜之公谷の方を見るが…

 

真っ白け!

 

以前登ったコブシ峠からのコースは

釜之公谷も 台高山脈方面の遠望も

すべて確認できるほど 澄んだ空の下

笹原の高原尾根を浮き彫りにした最高の景色だった♪

 

3年前の同季節の三津河落山から見た様子

 

だが・・・ 今日は・・・

何にも見えず…ガスの中!

 

景色は諦めて 笹原の高原尾根を進む

 

 釜之公谷方面

 大和岳へと向かう

農林水産省大台ヶ原雨量局

 

強風と戦いながら 大和岳まで行く事にした…

 

遮るものの無い高原の尾根は 風の思いのまま

大台ヶ原雨量局の吹き流しが、横一直線に靡いている!

強い過ぎ! 冷たい! 寒いぞ~!

飛ばされないように必死にチチの後を追う

 

花も無ければ景色も何もない 

灰色の世界から抜け切れず

藻掻くだけの山歩きに、何の楽しみがあるのか…

そんな事もちらりと考えてしまう…

 

それでも やっぱり山はいい♪

草紅葉というより 草枯れの様な草原を

幻想的な景色として歩くのも 味がある…

 

笹の踏み跡を辿って登ると左横手に何かが見える・・・

 

 気になるので行ってみる

 枯木に取り付けられた標識

日本鼻 1640m

 

ここが日本鼻?

農林水産省の雨量計のあたりをそう呼ぶらしいが

ここが日本鼻の最高地になるのだろうか?

以前は石碑のある所がそうだと思ったが…不明だ

 

 建設省の雨量計

 

日本鼻の標識からやや南西の離れた所にも 

もう一つの雨量計測所がある それは建設省管理のものだ

その裏にピークがあり 石標がある

 

今回は強風とガスの為 行く事は避けたが

以前 そのピークまで行ったことがある

 

 

 2017年11月12日の写真

 

その時 それが日本鼻と思っていたが

新たに作られていた標識を見ると 迷う…

 

日本鼻の頂点は?

全体を日本鼻というのか?

 

○○…とは 

山の稜線のつき出た部分を指す事が多いが

日本鼻はなんとなのだろう・・・

 

観測所があった跡地を示すもの・・・とも聞くが

詳しい事は分からない 

この辺り一帯を日本鼻というのだろう…

 

 踏み跡が複数あり迷いやすい

 

建設省の雨量観測所から北西に道をとり直し

大和岳へと進むが 踏み跡はいくつかあり

確信できる踏み跡に出た時はホッとした

 

笹原の高原は下りとなりどんどん下る

 

 

 樹林帯の中にはいる

 

笹原の草原を下っていくと 一旦

葉を落とした樹林帯の中を通り抜ける

そして 道が平坦になると再び登り返す

 

 登り返してホッチラコ

 何かが見えてきたドッコイショ

 んっ!あれは何だ!モアイ像か!

大和岳 1597m

 

ガスッガスの中に浮かぶ大和岳山頂

漸く着いたものの 風に吹き飛ばされそう!

 

人の顔の様に見える岩に囲まれた石標を確認したが

周りの景色など あろうはずもなく

風の吹き荒れる灰色の世界からげ出すように

すぐに引き返す事にした・・・

 

だが・・・

 

 山頂の人面岩?

 

見る角度によって色々な表情を見せるになった

最初はモアイ像の様にみえ

近くにいると 目を閉じて考える人の様でもあり

見る人によっては違うのかもしれないが

何か表情を持つ岩から 目が離せなかった…

 

だが、そんな私の事など お構いなく 

チチはさっさと下っていった・・・

 

 

 るぞ~

 

今日の目的のコースは終わった

来た道を引き返すだけだ 

その前に どこかで休憩をしたい…

 

疲れたよ・・・

 

風の当たらない所・・・

 

結局 農林水産省の雨量局まで戻る事にした

 

 

引き返す背中をが押す

 

 樹林帯の中へ・・・

 

樹林帯の中に入ると がぴたりとんだ…

不思議なほど 静かな時が流れる

足元を見ると 土に帰ろうとする枯葉

笹道の間に敷き詰められていた

 

 

 オオイタヤメイゲツの葉

 

この辺りはオオイタヤメイゲツ林の様だ

黄葉の時は山を染め さぞや綺麗だったのだろう…

思わず葉をすべて落とした冬木を眺め 

季節外れに来たことが少し寂しく感じた・・・

 

 

幻想的といえば幻想的な

ガスを纏う日本鼻へと延びる笹原道

ゆっくりと登っていく間 不思議と

風が姿を消していた

 

 

つづく


初冬の大台ヶ原 三津河落山へ 再び・・・ 3 如来月 山頂編

2020年11月28日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2020年11月22日(日) ☁/強風 日出ヶ岳~三津河落山

 

日出ヶ岳~川上辻からの続きです

 

川上辻から 急登が続く

ここもまた 保護のため防鹿柵が張られ

それ沿いに少しの間、登っていく

 

以前って来たコースだが、今度はりだ

同じコースでも雰囲気が変わって見える

 

さて…防鹿柵から離れて

名古屋岳へと急坂を登っていこう…

 

 

 

セピア色に染まった

ミヤコザサとシダ類の混生する斜面が

出口のない森の奥へと誘う様に続く

 

見上げても そこには青空は無い

ガスが立ち込め幻想的な世界が見えるだけ

 

大台らしい…

 

そう思いながら登っていくと

一瞬ガスが遠のき 

薄っすらと空に明るさが戻った…

 

 晴れてきた?

 狭いピーク

名古屋岳 1610m

 

笹原の急登を終えて狭い尾根に出ると

その先にひっそりと佇む名古屋岳が待っていた

 

以前は大きな木があったであろうそこには

木の株だけが残って

まるで墓石の様な石標が傍に置かれている

 

石標に刻まれた 名古屋岳・・・

他に 名護屋岳と書かれている石標があるとかないとか…

探すが 名護屋岳と書かれた石標は見当たらなかった…

 

では なぜ名古屋岳なのだろう…と思いつつ 

それは未だ知る術もなく、ただ通り過ぎていくが

私的には 名護屋岳の方に謂れを感じる・・・

 

 名古屋岳を通り越して

 直下の急斜面を下っていく

振り返って…隠された名古屋岳

 

足元が不安定な所もあり 必死で下って来た斜面

漸く平坦な所に出て 振り返ってみると

先ほど見えた薄明るい空など あろうはずもなく

ガスが追いかけるように降りてきていた

 

名古屋岳の頂上付近は隠れ

苔の付いた急斜面も消されていく勢い…

 

一瞬でも 

天気が好転することを期待したが

間違いだったようだ…

 

 広いコルは踏み跡が複数ある

 

降りてくるガス

広い笹原と朽ちた古木の残骸

白く浮かぶ樹々の陰… 

 

私はここを 独りでは歩けないかも・・・

独特な雰囲気に包まれて 少し弱気になる

 

風が樹林の隙間を抜ける音のみ

静かな 静かな 異国の世界がそこにあった・・・

 

思わずチチから離れまいとついて歩くが

登り返しになると またされそうだ・・・

 

 きつい登り返しになる

 

またまた一瞬

ガスの中を抜けたように明るくなった

 

空に登っていくように続く笹原の先に

岩の集まりが天を仰ぐ

 

 岩のガレ場を詰めていくと…

如来月 1654m

 

三津河落山最高峰とされる如来月に着いた

 

チチが ここで休憩を取ろうと声をかけてきた

冷たい風との戦いは 意外に体に応える

如来月の標識の先の岩陰に身を寄せて休む

 

ザックを下ろし 湯が沸く間 遠くに目を向けるが

周りは灰色の世界で何も見えない・・・

 

本来ならば 南西方向の展望が開け

南大峰山脈の山々が連なる稜線を愉しめるはずだった

 

残念な事に・・・ 

八経ヶ岳も釈迦岳…笠捨山も すべて閉店ガラガラ

眺望も何も得られず 

強い風との我慢大会が続くだけとなった

 

コーヒーの香りすら 風は持っていくようだ

冷めないうちにコーヒーを飲むが、追いつかない 

体はどんどんえていく

早々に片付けて 先を急ぐことにした

 

 

 如来月の標識

 如来月の石標

 三津河落山へ…

 

朽ち果てた残骸もまた 

オブジェとなって芸術品の一つとなる

 

道は下りから緩い登り また下る感じで

ブナとトウヒの樹林帯を進む

立ち枯れの多いトウヒの姿をよく目にするが

それも独特な姿で やはり芸術性を感じる

圧巻としか言いようのない雰囲気で 飽きる事はない

 

如来月から少し下って登り返すと三津河落山

 

 様々の姿の樹々を見て登る

 樹林帯を抜けて高原地帯へ

 高原の真ん中でチチが叫ぶ?

 石標

三津河落山 1628m

 

 

三津河落山に着いた!

 

本来ならば…

大パノラマが一気に広がって

迎えてくれるはずだった…

 

だが・・・今日は幕引きされたまま

眠ったように静かな出迎えだった

 

北大台の山域の主峰である三津河落山

日出ヶ岳の2番目に高いお山だ

 

その稜線は笹原で、大パノラマは素晴らしく

大峰山脈を見渡す事ができる 

今回は残念な事にそれは叶わなかったが…

 

なのに 余り人に知られず 静かな山だった

ただ 近年では 訪問者が増えて来て

良くも悪くも ガイドツアーなどで 

50名ほどの団体で来られる事もあるようだ

 

その三津河落山は、”さんづこうちやま”と読み

三つの川の分水嶺になっている事から

そう呼ばれるようになったと言う

 

また 三津河落山は

如来月・日本鼻・大和岳総称でもある

 

そして 三津河落山石碑のある場所が

名前の由来となった 

三つの川に分水する地点だという

 

① 釜之公谷から本沢川、吉野川、紀ノ川へと流れ 最終的には大阪湾に至る

② 西の谷からは 宮川となり伊勢湾に至る

③ 西大台から中の滝、東の川、北山川、熊野川に流れ 太平洋に至る

その三つの分水嶺の頂に立っている

 

恨めしや~ 

灰色のガスと 冷たい暴れん坊将軍たち・・・

 

つづく

 

 


初冬の大台ヶ原 三津河落山へ 再び・・・2  川上辻編

2020年11月27日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2020年11月22日(日) ☁/強風 日出ヶ岳~三津河落山

 

 日出ヶ岳からの続きです

 

吹き飛ばす勢いの風はいつ治まるのか…

全身に風を受けながら 

追われるように三津河落山へと向かった

 

まずは川上辻へと下るが

このルートは 初めてだ…

 

だが 大台の山だと実感するのは

日出ヶ岳山頂から西方向へ延びる尾根も また

笹原急斜面りから始まるからだ…

 

遮るものの無い尾根は

まさに 思う壺!

 

笹の葉を揺らして 自分の存在を誇示する風が 

激しくぶつかって来た時には

バランスを崩して がりそうになる…

 

踏ん張って耐風姿勢を取ろうにも

不意打ちをくらう感じで 掴む所も無い急斜面では

姿勢を低くするにも それが 辛い…

 

 

それでも 風と戦いながら

川上辻へと下っていく

 

 吹きっさらしの笹原

 

恨めしや~ 暴れん坊将軍たちよ!

 

 見た目より歩き難い!

 

笹尾根の下りは足元も見えない

にバランスを崩され

隠れた段差に ヨロッ!

ッと 危ない危ない! 

緩やかになるまで必死の形相だ!

 

 足元に気を付けて下る!

 

コルの部分か? 平坦になった笹原

やっと気が緩むのを感じた

 

笹原はこれからも続く 

その笹原で出会う強い風には閉口してしまう

 

広がる笹原は気持ち良く見えるが

歩いてみるといものがある…

 

特に下りは 用心!用心!

油断すると足を引っかけたり 滑ったり

容赦ない風と笹原とはず~と  付き合う事に…

 

 再び急な登り…

 倒木満載!

 鹿除けの柵出現

 笹床の斜面が一旦途切れる

 

笹原が無くなると 

岩や石のごろつく尾根に変わる…

 

些か急になった尾根を登っていくと

最初無名ピークに出る

ここが巴岳?と思ったが うようだ

標識も何もない…

地図を見ると手前のピークの様だ

 

 最初の無名ピーク

 一旦らねばならぬ…!

 平坦になるがまた笹原現る

 暫く 笹原をゆるりと登ると…

巴岳 1640m

 

日出ヶ岳と川上辻の

ちょうど中間点に位置するピークが

巴岳だった 展望は無いが石標があった…

 

 暫くゆるりと上下して下る

 鹿除けの柵が現れる

 

長い鹿除けネットが続き

それに沿って暫く歩く・・・

 

基本 尾根を下っていく

 

 石楠花の森?を通過

 

巴岳から 小さなアップダウンがあるが

基本は下り 川上辻までどんどん下る

 

途中シャクナゲの森を通り過ぎると

笹原の尾根になり川上辻まで続く

 

 笹原を 慎重に下っていく

 

ここもまた さっさと下るにはがあった

やはり笹原の下りは足元が見えず

慎重にならざるを得ない

 

だが 笹原の良きところは

見晴らしがいいという事

遮るものがないという事

風も通れば 車の音も通る

 

目の前に車道が見えて

川上辻が近いのを教えてくれる

 

 車道からの道と合流点

 川上辻 1523m

 

車道からの道との合流点が川上辻であった

以前はこの合流点からの出発だった

 

今回は 日出ヶ岳からの慣らし山行を考え

三津河落へ向かおうをしている

 

ただしここは通行止になっている

以前 三津河落山へ登った時に

ビジターセンター内の案内所で確認した事があった

 

伺った内容は次のようなものだった

 

センターでは 決められた登山道を歩いて頂きたい

植生保護の立場で立ち入り禁止を唱えているが、

入山を規制るする法的な根拠はないため、

立ち入りを阻止したりすることはない

但し、管理者がいないため 災害などで道が崩れていたりして

危険な状態になっていたとしても どうなっているかわからない

ですので、禁止区域には入らないで頂きたい

保護のためにも 大人数での入山は控えて頂きたい

道がどうなっているかわからないし 管理もされていないので
何かあったとしても 何があっても自己責任という事で・・・

自己責任という4文字を背負って

その時は登ったのだった・・・

 

 川上辻から筏場方面の分岐へ

 筏場の分岐は左側のルートへ

 

前回の時に下って来た道を

今回は登っていく…

 

今回もまた 前回同様に・・・

十戒+1が脳裏に浮かんだ




1. ペット禁止 ペットなどの生きた動植物を持ち込まない
2. 餌付け禁止 野生動物にエサを与えない
3. 撮影等の禁止 野生動物の生息状況に影響を及ぼす方法での、撮影、録音、観察等を行わない
4. ゴミ禁止 ゴミを放置・廃棄しない
5. 野外スポーツ禁止 球技などの野外スポーツを行わない
6. 騒音禁止 大きな音や強い光を発っしない(花火、拡声器など)
7. 動植物の採集禁止 網、竿その他動植物の捕獲及び採取のための道具を持ち込むこと
8. 火気取扱の禁止 たき火、火入れを行うこと
9. 禁止行為 その他吉野熊野国立公園特別保護地区で禁止されている行為をしない
10.   10人を超える団体行動、動植物の採取、土石の採取などしない  

               -大台ヶ原HPより-

そして 最後の11  自己責任というザック背負います

 

 

つづく