映画など街など

きままに映画や趣味を

フランソワーズ アルディを悼む

2024-07-01 20:45:00 | 日記
大好きなアーティストだった。  

学生の頃からずっと聴いてきた。
一生涯の出会いだ。
逝去された情報が入り凍てついた。
先月中頃だ。

優しく透き通るオシャレな声、ポップでいて誰も真似できない彼女の表現、センス。
容姿も想像どおりの知性的で美しい。
大好きなシンガーだ。

iPodやCDで半世紀経つ今も聴くことはできる。でももういないととても寂しい。彼女はマリアカラスでもジャニスジョップリンでもない。同時代のアーティストなんだから。
本当に過去になってしまったようで。

長く病と闘っていたことを後から知った。
安らかに眠ってほしい。
もう森になんか行かない。








シルビーバルタンは大丈夫かなと、思ってしまった。たぶん同年代だと思う。










オッペンハイマー

2024-06-07 23:21:00 | 日記
 すぐに観ようと思っていたが、遅れ遅れになった。3時間に及ぶ長さの覚悟と上映時間の関係からだ。いざ行こうという時は満席だったりして結局ピーク過ぎてからになった。
 課題をやっと果たしたみたいな感じなのだが、不覚にも前半シーンで意識障害(居眠り)に陥ってしまった。

ドキュメンタリーを観ているよう、役者の演技感を意識させない丁寧に創っているなとの第一印象。観終わり胃の中(心の中)にザラザラした砂が入ってる感じがして、スッキリ感から程遠かった。

 赤(共産主義者)狩りで原子力委員会に聴聞されている状況を軸に、オッペンハイマーの生き様や心理状況を描いた作品なんだが、少しお勉強してから観ないと入り込めず、共感を覚えない作品ではなかろうか。

映像、シナリオもしっかりと練っているとは思われる。
オッペンハイマーは悪人ではなく苦悩のヒトなんだよ、科学者を利用する政治家が悪の不条理劇だ、と君たちに訴えているんだよ。とか言われても全然理解出来ないし、納得などしない。そんなことは当たり前のことなんだから。むしろ創ったことを評価して下さいと言うことか?(核はNO!と言ってる監督を)

天才的な超有能な人間だか、原子物理学を兵器として実用可能なものに開発にすれば、どうなるのか?そんなことは自覚していたのだろうが、それでも実行するか?ナチスドイツ、ロシアとの競争のせい?
人類の破滅に向かうシロモノのと理解しているはずなのに。

実験成功に狂乱してる科学者、政治家に鼻白み嫌悪を感じた。オッペンハイマー自身も高揚していただろう。1945年7月16日のトリニティ実験、用意周到だ、無人の砂漠だからね。
そのあと直ぐに広島、長崎。

歴史は変えられないが、だいたい東京大空襲だけでオレ的にはアウトなのだ。原爆を落とす必然性などどう説明されても永遠に理解不能だし、アメリカはきちんと謝罪しなければならない。 

そんなんでは「オッペンハイマー」の観かたが違うだろ、と言われそうだが、日本人には無理ではなかろうか。

国家権力に抗うなんて無理なことはほとほと身に染みている。オレは性格的には性善説なのだが、権力とか組織とか関わってくると性悪説にならざるえない。
何人もの輩、とりわけ上席に裏切られ騙され貶められたことか。生涯会いたくない人間がやたら増えてとても悲しい。奴らは善良な顔した狡くて自己保身に長けた小ちゃなヒトたちだった。今でもいいから謝罪なり言い訳をしたら許してあげるが、奴らにはそんな感覚は不在なのだろう。とても私的なことであるが、何年経っても心のなかに棲んでいる。威張る、狡い、小心者、この3つで表現できる奴ら。内省しないのかな?ホンマに何が楽しいのかな?

原子物理学者が政府の要請により実用可能な兵器を開発、製造する。
仮にもナチスならば許されると、そんな理屈にも支持しない。毒ガス、ホロコーストに倍返しだという論理は成立しない。オッペンハイマーの愛人ジーンは自殺するが(殺されたのかもしれないが)彼自身の苦悩の先取りだ。

こういう視点、皮層的というかそんな感じでしか観れないのである。作品と対峙出来ないのかもしれない。

市民を巻き添えし都市の破壊は許してはならない。刺客を送るなりして権力者の暗殺でもすることにしたら(やっていたかもしれないが)どうか。

恫喝しないと日本は降伏しない?東京はじめあちこちの都市を空襲で破壊し市民まで殺戮しただけで充分ではないか? 
投下したいのならトリニティ実験と類似の地域を選択しても十分恫喝になるだろうに。
何寝言言ってるの?と言われることは百も承知だ。)
興奮してしまったようだ。 
 
偽善者より根っからの悪者の方が救いだ。
こんな感じだからもう一度、ちゃんと映画作品として観なきゃと思うのだが、
早川書房の本を読んでからでなければまた居眠りしてしまうに違いない。




池田満寿夫展

2024-04-15 20:00:00 | 日記
10年も前のこと。
5月の連休3日から6日迄山形にいた。

5日に山形美術館で池田満寿夫展を観た。

見事な池田さん独特の版画作品。

だいぶ前に熱海で観てますが、改めてホレボレする作品に感動。

熱海の「創作の家」はまだ、あるのだろうか?

版画、絵画、映画、小説!天才アーティスト池田満寿夫氏と、世界を舞台に幼い頃から活躍した、これまた天才ヴァイオリニストの佐藤陽子氏の家=芸術活動拠点。

佐藤さんの方は、ドレス、楽譜、年譜、写真などが展示されていた。

池田さんも佐藤さんも亡くなってしまったが、感性が合えばこんなに仲良く暮らすことができるんだな。つくづく思ったものだ。

(2013年のメモ、2024.4.リライト)

スリーパーズ

2023-09-04 22:10:02 | 日記
 贅沢キャスト!深夜になっても見続けざるえなかった。参ったな。
やはりブラピーはカッコいい、
ダスティホフマンの名演技、
デニーロが神父役やるとは! 
ケヴィンベーコンはまだ若かったろうに。27.8年前の作品だからね。  

何で当時観なかったのか? 
振り返れば仕事漬けの日々であった。当時失われたものは多すぎる。働き方改革とかパワハラとかと無縁の時代だったから。

チョコレート

2023-05-29 12:30:00 | 日記
数年前のメモだ。

海外ドラマは少し飽きてきたので、「チョコレート」を観た。確かアカデミー賞を受賞を。レティシア役のハルベリー、主演女優賞かと思う。 

ハンクは白人の3代続く刑務官。自分と父と息子だ。父バックは引退してるが猛烈な黒人差別主義者。ハンクは影響受けないわけにはいかない。息子のソニーは黒人とも親しくしており二人を冷ややかに見ている。処刑執行の日に新人のソニーは失態を演じる。ハンクに強くなじられたソニーはハンクに銃を向けるも自殺してしまう。
失意のハンクは職を辞する。

夫ローレンスを死刑執行されたレティシアは過食症の息子を抱え車は壊れ家賃滞納の苦境の身。
ある夜レティシアは息子がひき逃げされてしまう。通りがかったハンクの車で病院搬送。
二人の関係はそこから始まる。

黒人差別主義でありながらも黒人女性を愛することになるハンク。
ネタバレはやめるが、シンプルなストーリーで切なすぎるが暗い作品ではなかった筈。
また、観かえそうかと思う。レティシア役はアカデミー主演女優賞をとったくらいだから言うまでもない。ハンク役がビリーボブソーントンだとはその時気がつかなかったし。

淡白に観たのだろうな。

「チョコレート」という邦題はいただけない。白人男性と付き合う若い黒人女性の隠語をタイトルにするとはいささかイージーでもあり偏見に満ちてる。
原題はMonster's Ball= 死刑執行前に看守達が行う宴会の意味だと言う。原題に忠実にした日本語の表現は出来なかったのだろうか?
2001年の作品。