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きままに映画や趣味を

生きて帰ってきた男

2015-11-08 23:29:44 | 映画
るいわゆる読書量が減っている。
体調のせい?忙しいせい?

村上春樹の1Q84が単行本の時は手にしなかったが、文庫本が積んであったので
1巻目を買ってみた。結局、またたくまに6冊読んでしまった。たまたまノーベル賞の時期だった。
今年も逃がしたが。

「風の歌を聴け」の群像新人賞から読んでるから相当年数になる。
1Q84 は長い、内容の割に長い。
退屈してしまったのが正直なところ。
最初のBOOK1を読んでいるとき、何故かミレニアム、ドラゴンタトウの女 を思い出した。
あれは最高に面白い作品だった。映画もいい。3部作。

それはさておき、表題の本、岩波新書から出ている。日経新聞か忘れたが書評に
あった、自分の親父に取材して書いた、親の戦争体験を中心にした生活史だ。
しかも単なる生活史ではなく、社会学的、経済学的、政治学的な観点も入り込んでいる。


下の下の生活だったと本人が言うよう、決してエリートの話ではない。
普通の庶民の生活や意識をリアルに現した。若い方には昭和という時代がちょっと前はこんなんだったよと理解して貰えると思う。まさか皆さんが中流?これはたぶんに意識操作と統計のまやかしにすぎないと思う。今になってワーキングプアとかいうが、周りはみんなプアだった。多かった。


じつはこの夏帰省した際に、兄貴と一緒に、親父から戦争体験と終戦時の話を聞いた。兄貴には聞いたことを活字にしてあげればいいのにと、口にしたが、本作品筆者が代わりに書いてくれたんだなと思ってしまうのだ。

筆者は小生より10歳位若い学者であるが、親は小生の親と同世代。だから重なる部分がかなりある。
小生の幼きとき、まだ家の中心に父という男が存在していた。そして苦労人の優しき母がいた時代を思い出されるのだ。

小津安二郎の映画ではないが。でも小津の世界こそが中流、あるいはそれ以上の家族.ブルジョアだ。小津は家族の崩壊を描いた。まるでヴィスコンティの貴族の没落のように。社会の重要なシステムが
壊れていく落日の美学と言えば言いすぎか?

本作品はそんな小難しいものでもない。
たぶん我が国の当時の殆ど、8割がたは筆者の書いた親と似たり寄ったりの生活レベルだったと、小生は思うのだ。

懐古趣味ではないが、我が日本はつい最近前はこの本に書いてある状況だったことを忘れないでいたいものだ。

泥の河の ?食堂を営む少年の家族を想起して欲しい。
?
何故だろうか、
今日の同世代、団塊世代、少し若い世代の政治家やジャーナリストには、読んで欲しいものだと思ってしまうのだ。


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