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きままに映画や趣味を

パヴァロッティ

2024-04-05 15:20:00 | 映画
プライムビデオを激しく観てる。年明けからコロナ流行もあるが、慢性疼痛が結構厳しくアクティブになれないからでもある。それなりに時間を割くわけだからちゃんとセレクトしなければならない。かなりの本数になっている。
勿論劇場にも行っている。
「風の電話」「hukushima50」も観てる。これは緊急事態宣言前だが。(2020.9のメモ)


「パヴァロッティ 太陽のテノール」
を封切の9.4に観て、また行かなきゃと思ってるうち終わってしまった。何とか吉祥寺で2回目を観た。何故入りが悪いのか理解できない。映画館はコロナ感染のおそれはないのに。オペラは嫌いなのかしら?


公開を楽しみに待っていた、予想を裏切らないとても優れた作品だ。

「ラボエーム」「トスカ」などの絶頂期のパフォーマンスをふんだんに味わえる贅沢な作品である。また、友人や家族のインタビューにとどまらずプライベートライフなどの貴重な映像も盛り込みパヴァロッティの生涯をまとめてくれている。

パヴァロッティが好きでない方もチャンスがあれば、このドキュメンタリー映画は観ておいた方が良い。

1935年イタリアのモデナで生まれたパヴァロッティは父の勧めで教師になる。が母親は非凡な歌の才能を確信している。
61年市立劇場で「ラボエーム」を歌いテノール歌手になる。
テノール歌手の最高音「ハイC」の能力を絶賛され、1963年のロンドン公演を契機に世界のパヴァロッティとなる。 

ダイアナ妃との交流。
地雷撤去などのボランティアへの支援。
U2のボノは彼のアーティストとしての信念を語る。

34年連れ添った前妻アドゥア。 68歳時に結婚したニコレッタ。3人の娘など、女性のインタビューはパヴァロッティの人となりを知る大きな手がかりになる。 
女好きで前妻アドゥアは手を焼いたと思う。ニコレッタとの件については複雑な想いかもしれない。

2006年トリノオリンピックの開会式の「誰も寝てはならぬ」が最後になった。一週間前の録音らしい。上手に口パクをやった。感動的だった。
パヴァロッティほどセクシーなテナーは
存在しないといつも思っている。

翌2007年、71歳時に膵臓癌で逝去。
(2020.9.28のメモ。2024.4.5リライト)



トスカーナ

2024-04-05 12:00:00 | 映画
パスタはよく作るし、好きだからイタリアンにはよく行く。毎日でもいいかと思う位だが自重して蕎麦屋にする。
イタリアに行きたいなと思うが、慢性疼痛を患っているので地球の裏側まで行く自信がない。せっかちで先を先を考えてしまうので、湯治に行ってもゆったりした気分とか今を楽しむという感覚を持てない。潜在的に効率性とかの意識が働いてるのかな?不幸な性格だと思う。

何気に観たトスカーナが何日過ぎても頭に残っている。
何が良かったのか?  
誰も傷つかない、殺しとか流血がない、ハッピーエンド?
主人公が自己呪縛から解放され自己再生の道をたどることになるからか? 

いや、やはりトスカーナの美しい映像にあるのだろう。またシェフの物語だから料理の美しさ、芸術・文化性の高い映像をみせてくれる。

デンマークでレストランを経営する一流シェフのテオに父親の訃報。父親は故郷のトスカーナの広大な土地で古城レストランを営んでいる。テオは自分のレストランを拡大する資金にトスカーナの土地を売却する方針にしている。父親とは疎遠でもあり何故か忌み嫌っていたからだ。

トスカーナに帰郷する。古城レストランでランチをとる。ひとくち手をつけただけで下げてもらう。
夕刻、故郷の風景を眺めていたテオのもとにランチを運んだ女性がワインを持って語りかけてくる。ソフィアだ。テオの父亡き後レストランの経営を行っていたのはソフィアだった。二人は幼い頃ひと夏を過ごした仲だった。

古城レストランでソフィアの結婚パーティの50人分の料理をつくることになり、テオはデンマークから料理人スタッフを呼ぶ。テオはソフィアと食材調達をするうち打ち解けいい関係になっていく。幼い頃ソフィアはテオのことが好きだった。彼女はテオと手を繋いだ写真を飾っていた。気難しやり屋のテオも昔日を思い出し心が和んでいく。
二人は結婚式の前日なのにキスを交わしてしまう。

婚姻の日、ソフィアの結婚の宣誓に間がある。遠くからているテオと見つめ合ってしまう。誰か気づいただろうか?

テオは約束どおり土地を売却してしまうが、
ソフィアは村を去る。自分を見つめ直すため、大学に入ることにしたという。

トスカーナの美しい風景はテオを癒やし、父親へ嫌悪感は消え自分を取り戻す。テオはデンマークを去り、土地を買い戻し古城レストランを継ぐことにする。

ハッピーな話だから誰も傷つかない。いやテオの土地売却の仲介をした弁護士、彼の傷は癒えるだろうか。妻の筈のソフィアが消えてしまったからだ。テオにくらったパンチひとつが救いだ。

テオはいい歳した中年だからソフィアだって妙齢な筈。二人が恋仲になったら急に若々しく見えてくる。血が通いだしたように生き生きしてくる。恋こそが味気ない生活の妙薬なんだ。

これは純愛なのだろうか。この映画のせいで好きだった女の子を思ってしまう。空白があっても会えば月日を感じさせない仲だった。彼女はもういない。そんなに早く亡くなるのなら、もっともっと会うべきだった。仕事漬けだったことを今更ながら後悔する。前だけ向いて歩くことや、振り返ることに否定的だった考えは間違いだった。少年の頃は純粋だったのに、生意気な大人になって傲慢に成り下がっていた。

夏の初めソフィアは大学が夏休みだと、トスカーナに舞い戻る。 

二人の姿に嫉妬しながらハッピーエンドに安堵する。