話して~♪

私の話も、あなたの話も

裕子ちゃん

2007-03-20 15:53:22 | 花日記 

裕子ちゃん、今年もあなたが旅立った日が来ます。
心穏やかに過ごしていますか?
ご家族を心配してお母さんを見守っているでしょうか。

私は年に一度、この29日が来るたびに、あなたのことと
私の人生について考えます。
私はあなたの短かった人生に恥じない生き方が出来ている
だろうかと。


老人ばかりの成人病棟の中で一番年の近い新人の私をいつも
追いかけてきて、ナースステーションで忙しく働いている横に
車椅子で来ては取りとめもない会話をして行った。

子供の頃からずっとずっと病気で、安静ばかりの毎日なのに、
繰り返す入院や呼吸困難、つらい体調でもみんなには笑顔で
明るく未来について話せる子だった。
大恋愛を夢見て
結婚して、子供が産みたくて
私の出産や幸せを自分のことのように喜んでくれて
私を実の姉のように慕ってくれていた。

退院しても、手紙をやり取りしたね。
外来の受付のおばさんが意地悪だとか、先生になかなか聞けない
質問とか、悩みや愚痴をよく聞かせてくれた。
私の勤務のローテーションが合わず、病院に来てくれてもいなかったり
やっと会える頃には私が入院していてすれ違った・・・

あの頃の私は自分の人生に一杯一杯で、今の私のようにはあなたを
受け入れてあげられなかったことが悔やまれてなりません。
今あなたがいたら、抱きしめて頬をなでて、何をおいてもゆっくりと
あなたの為だけに時間を作ってあげるのに。

自宅で、お母さんの背中を流してあげると言ってお風呂でゆっくり
話をした翌日に、眠るように旅立ったと聞かされた。
穏やかだったことだけが救いだった。
もうすぐ桜の咲く美しい季節だったのに・・・やっぱりあの日も
寒の戻りがあったのかな。空を見上げるともう暖かなのに。

あの子はあなたをとても好きで頼りにしていました。と言われると
うれしくて、そしてつらかった。

心がきれいで天使のような、永遠の少女のようだったあの頃のあなたを
それからずっと私は心の中にいつも住まわせています。
一緒に幸せになるために。
悩んだり、選択を迫られる時、あなたがどう思うかな、って考えます。
そうすると、今でもあなたのハスキーで高い声が私の名前を呼ぶのです。

今度生まれてくるときには、嫌って言うほど長生きして人生の醍醐味を
味わい尽くせますように。そっちで根性つけとくんだよ!

また、会おうね。