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今日は最後の文化講座で、盧溝橋とそのそばにある中国人民抗日戦争紀念館を見学しました。
盧溝橋は、古くから北京の西の入り口となってきた永定河にかかる橋です。元の時代、ここを訪れたマルコ・ポーロがその美しさを称えたことからマルコ・ポーロ・ブリッジとも呼ばれ、年を経た石造りの獅子が欄干に並んで北京を訪れる人を迎えます。
1937年7月7日、この橋のそばの河原で演習していた日本軍と中国軍との間に衝突が起こりました。盧溝橋事件(七七事件)です。これが1945年8月の日本の無条件降伏まで8年間に及ぶ日中戦争(中国での呼び名は抗日戦争)の引き金となりました。抗日戦争紀念間は、その間の中国人民の戦いぶりと日本軍の侵略による被害を示すもので、日本で言えば広島の原爆資料館と似たところもあります。学生は、戦争の生々しい記録や写真に心を痛めながら展示を見て回ったようです。
私たちは、日本の学生が中国にとっての抗日戦争がどのようなものかを知ることは、今後の日中関係を作っていく上で必要なことだと考えて、ここの見学を語学研修の中に組み入れています。毎年8月は日本と同様、中国でも戦争を振り返る時期でもあるので、テレビでも抗日戦争のドラマなども流れています。今日感じたことを、今後、さまざまな方面で中国の人々との関係を築き深めていく上での、ひとつの土台としていってくれればと思います。
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