今年は戦後70年ということで新聞でも、テレビでも特集が組まれていた。
昭和20年といえば、私は5歳。
それくらいの歳ではおぼろげながら、ところどころの記憶があるものだけれど・・・
テレビでよく見かける、玉音放送をみんながうつむいて聞いて涙をぬぐっている。という場面は私の記憶にはない。
私の記憶では、ちょうど終戦の年、20歳だった姉がずうっと闘病生活を送っていて、お仏壇のある部屋の真ん中に姉の寝ているお布団が敷いてあって、その周りを何人もの大人が取り囲んでいたのを覚えている。
だから、姉が亡くなったのがちょうど15日だったんかな?と思っていた。
先日、お墓参りに行ったとき実家で過去帳?を見て、姉が亡くなったのは23日であることがわかった。
姉と同年代の従姉が来ていたのも覚えているし、近所の人が来ていたのも・・・だから、私の記憶などあいまいでそれぞれ違った日だったのかもしれない。
私の強烈な思い出は、姉のお葬式の日、下の兄は提灯持ちで、上の兄は棺を担いだのだと思う。
私は両親とともに家で見送った。
母が激しく泣いていた。私は母が泣くのを見るのが初めてのことなので、不安で後ろの母を振り向いた時、父と目が合った。
その時父がニコッと笑ってくれて、気持ちがすうっと楽になったのをはっきり覚えている。
よほど不安そうな顔をしていたのだと思う。
私の終戦記念日の思い出は、いつも姉の旅立ちと重なるのだ。