気まぐれ徒然なるままに

気まぐれ創作ストーリー、日記、イラスト

beautiful world 14

2021-11-18 14:55:00 | ストーリー
beautiful world  14





「これから何か予定入ってる?」

「特には… ボーリング7ゲームもしたしちょっと疲れましたし終わったら帰るだけでした(苦笑)」

でも帰りたくない…な

「え?7ゲームもしたの?」

ですよね(苦笑)
私もそこまですることになるとは思ってなかった

「ボーリングそんなに好きなんだ(笑)」

「それは私じゃなくて、」
あっ…

「彼がボーリングしたかったんだ(笑)」

私ってほんとデリカシー無さすぎだ

「この後時間あるならどっか行かない?疲れてるならゆっくりできるとこでも行く?」

ゆっくりできるとこ?

「僕 稽古終わりだし汗くさくない?」

「そんなことは…」

え?
ゆっくりできるとこ?
汗くさくないかって

まさかのラブ…
「カフェでもって思ったけど、汗くさいなら入りづらいかな(苦笑)」

私 何恥ずかしい勘違いしてんだろう!
先生がいきなりそんなとこ行こうなんて言う訳ないじゃん(苦笑)

「汗くさくないですよ?」

「一旦家に帰ってシャワー浴びてから出直していい?(苦笑)」

「私もついていっても構いませんか?というか…カフェじゃなくて先生んちでも良いですけど…」

「僕んちでいいの?(笑)」

「写真見たいですし…(笑)」
というか、先生と二人きりの方が嬉しい


電車に乗って二駅先
駅から徒歩10分ぐらいで先生の家だから近い

休日だけど最寄り駅が高校に近いから一応注意しておかなくちゃ

電車は少し混んでいて乗り込んだ反対側の扉の手すりに掴まった

フードを被りマスクを着けたら先生が不思議そうな顔で私の顔を覗き込んだ

「暑くない?」

「いえ、、」

だって誰に見られるかわかんないもん

電車を降りて改札を出ると
「あ!早センだ!」

女子高生の三人組が先生に声をかけてきて私は通りすがりの他人のふりをし駅を出た

「あれ?どうした。部活か?」

「そう練習~。今から遊びに行くんだぁ(笑)」

「試験も近いんだからちゃんと勉強しておけよ?」


教師の顔の先生、久しぶりだ(笑)

やっぱり教師の早見先生も素敵だなぁ…
私も高校生の時にあんな風に気安く先生に話しかけたかったな

でもそれじゃ今みたいな恋人関係にはなれてないよね…(苦笑)


「じゃあねぇ~早セン(笑)」

この駅ではこんな風に誰かと会う危険があるんだよね、ほんと要注意!


「お待たせ(笑)」

「ささっ!早く行きましょう!」

また誰かに会うかもしれませんからね!
足早で歩く私に先生はクスクスと笑いながら後から着いてくる

「そんなに急がなくても、、(笑)」

先生のアパートが見えてきた
ここまで来れば大丈夫

「笑いごとじゃないですよ。誰かに見られて噂を立てられたら先生のお仕事やりづらくなりますよ?」

「もし聞かれたら“彼女”だって言うから大丈夫(笑)」

「大丈夫ってそんな、ダメですよ~(苦笑)」

「どうして??教師だって恋愛や結婚も当然してるのに。」

先生はのんきだなぁ…

階段を登り一番奥の先生の部屋の前に着いて
先生は部屋の鍵を取り出しドアを開けた

「おじゃまします(笑)」

先生は熱気がこもってる部屋の窓を開き 冷蔵庫から冷たいお茶を出しグラスに注いでテーブルに置いた

「即行で入って来るから待っててね。」

「ゆっくりでいいですよ(笑)」


先生がいない先生の部屋
写真のある部屋で写真のアルバムを開いた

先生といろんな所に撮影旅行とか行けたらいいな… 

一緒にキャンプしたりとか?
先生ならソロキャンプとかやってそう(笑)

「ふふっ(笑)」

昼間撮影で回って夜は温泉旅館とかに泊まってまったりと...

胸板厚いし浴衣も似合いそう(笑)

紅葉で色づいた紅葉や銀杏の葉が鮮やかな写真

もう直ぐしたらこんな紅葉が見られるかな(笑)
写真撮りに行こっ!


“舞” のアルバムが目に入った

このアルバムだけはまだ開く勇気がない…

きっと今でも時々見てるからいつでも見られる所に置いてあるんだろうか...


リビングの隣の部屋の扉を少し開き覗いてみた

大きなベッドが置いてあった

ダブルベッド?
先生身体大きいもんねぇ(苦笑)

起きた時に乱れたままの掛け布団

目が覚めて眠そうに起き上がる先生の姿が想像つく(笑)

「ふふっ(笑)」

布団を綺麗に直してると…
「ごめん、ありがと。まさか今日田中さんに会えるとは思ってなかったから、、」

まだ髪が濡れたままタオルを被ってる先生が立っていた

早っ!もうお風呂出たんだ!
「ほんとに早かったですね!」

「君が来てるのにのんびり入ってられないよ(笑)」

「前髪降ろしてるの初めて見ました(笑) 良い感じです!(笑)」


先生はそう?と言って笑いながら髪をガシガシ拭いた

濡れた髪の先生
雰囲気が変わるんだ

なんだかドキドキする…

水を飲む先生が
「田中さんも風呂入る?」と普通に聞いてきた

それが凄く自然だったから戸惑った

普通は彼氏の部屋に来るとお風呂入るものなんだ!? 

顔がカーッと熱くなって汗が滲んできた

「あ、変な意味はなくて、電車の中で暑そうだったから、、ははっ(笑)入らないよね(苦笑) 」

ビックリしたぁ…
彼氏の家でお風呂に入るのが普通なのかと思った

初めての交際
初めての彼氏とお付き合い

25にもなってわかんないことが多くて恥ずかしい…

「あ、そういや7ゲームもボーリングして腕疲れたんじゃない?」

「はい、だるいです(苦笑)」

「よし、どれどれ。」
私の隣に座って腕に触れた

「い、いいです、ほんと、」

「明日辛いかもよ?(笑)」

私の太い腕を先生に触れられているのが恥ずかしくて顔から火が出そう

「少し熱持ってるから冷やそうか。」と立ち上がった

「私太いから…ほんと痩せなきゃ…」
マジでこのままじゃ…

「まだそんなこと気にしてるのかぁ。」と持ってきた湿布を私の腕に貼りながらチラッと私の顔を見た

「そりゃ…気にしますよ。」

「僕は初めて触れた時凄く良いなって思ったんだけど。」  

初めて触れた時…?
「あ、電車の中で立ったまま爆睡した時ですか!?」

「そうそう(笑)」

「もうイヤだ…思い出さないでください…」
ずっと寄りかかっててきっと重かったに違いない

「ほんと…迷惑かけてすみません…重かったですよね。」

「え??普段から体幹鍛えてるし全然大丈夫だったけど?」
確かに鍛えられてて凄いですけど…

「田中さんぐらいなら軽くお姫様抱っこぐらいできるよ。」

「ほんとですか!?」

「そんなに頼りないと思ってた?ならやってみようか(笑)」

「いやいや!いいです、いいです!!」

全力で拒否すると目を細め怪訝そうな顔をした
「信じてないな。そんなに弱っちい男だと?」

「そうじゃなくて、先生はウエイトリフティング選手じゃないんですよ!?」

その言葉に先生は爆笑した
「頭上まで、持ちあげる訳じゃ、ないし、、くくくっ(笑) 」

「そんなに笑わなくても...(苦笑)」

「あーなんか悔しいな。そのくらいできるのに。」
少し拗ねた顔をした

「そんなことしなくていいんですっ!先生だって稽古でお疲れでしょ?」

「疲れてたってそのくらいできるんだっ。」
やっぱり負けず嫌いみたいだ…(苦笑)

「君はお姫さま抱っこが嫌いなんだな。これも覚えておく(笑)」

「そういう訳では…」
ないんですけど…

「風呂上がりだから暑いなー。冷蔵庫からお茶持ってきてくれる?」

「あ、はい、」

立ち上がったら先生も立ち上がった

すると足がフワッと宙に浮いた
「えっ!?」

「ほら、できるだろう?(笑)」

人生初めてのお姫様抱っこをされた

それはめちゃくちゃ
「こっ、恐いっ!恐いー!」

先生の首にしがみついた

「あはははははっ(笑)」
余裕で笑ってる

「やっぱり初めてなんだなー!(笑)」
落ちそうで恐くて感動どころじゃない!

「仕方ないなぁ~(笑)」
危なくないようにベッドサイドに座るように降してくれた

片膝を立て目線を合わせるようにしゃがんだ先生は
「人生初のお姫様抱っこは恐かったかぁ(苦笑) 初めてが僕とは嬉しいね(笑)」と笑った


“人生初めて”
先生とは初めてのことばかりですよ…

「キスも…初めてですよ、、」

少し驚いた表情をした
「…そうか。君の人生初を僕は2つも貰ったのか(笑)」

眉尻を下げて優しい表情で微笑んだ

唇が重なる…
初めての甘い大人のキスだった

溶けていくような不思議な感覚がした
頭がふわふわする


「僕はこんなにも強欲な男なんだと君と出会って思い知ったよ。」

強…欲…?

「君の3つ目の“初めて”も欲しい。」

「3つ目…?」

「君の身体も… 欲しい。駄目、かな。」

そんなこと聞かないで欲しい

“いいよ”って
どう答えたらいいのかわからない…

「急がないよ。いつかで良いんだ(笑)」


先生――

「だからいつか僕に、」

「いつでもいい…ですよ 」

「それは…今でもっていいってこと?」


言ってしまった








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