いま 窓を開けました。
空には星が。
静かで生ぬるい空気です。
あの日の夜は
避難所の小学校の寒い体育館で
まともに聞こえぬラジオに
耳を傾けて、電話も繋がらず
家族とも連絡が取れず
見知らぬ人々と寒さを忘れるようにと
固まって震えていました。
地元の東北では
もっともっと辛い人々がいた。
でもあの日は
自分たちのことで精一杯だった。
次の朝、並んで水を調達し
家に帰ると、中はぐちゃぐちゃだった。
変わり果てた街を抜けて
自転車で職場へと向かう。
ディズニーランドから
多くの人々が浦安へと歩いて来る。
そこを逆走している自分が
不思議な気分だった。
道路がうねり
泥水があふれ
信号が傾き
半分地面に埋まった建物。
泣きながら自転車をこいだ。
私生きている。
行ってらっしゃい
おかえりなさい
いまこの言葉が愛おしい。
大事にしなきゃ