ナツじゃけん

　ツユ明け宣言か……。

ま～南大沢あたりは事実上、数日前から明けとったようなもんだったけどのう……。

ここんトコしめっぽい話題も続いたけん、こんなハレバレしたニュースもなんとのううれしいけん！。

そうはいうても、すんごい雨で被害もいっぱいでとるしのう……。

被災された方にはお見舞いもうしあげるけん……。

でもま、夏休み前の３連きうじゃけん！。

ここはわ～っとハメをはずしてのうっ！。

……、

絵本の仕事がたまっとったけん……。

大往生じゃけん

　ワールドカップの結果や、政権与党の大敗や、つかこうへいが死んだニュースを数日おくれでしった木曜日、動物病院から電話がかかってきたけん。

もねもねちゃんの病理検査の結果が出たそうじゃけん。

いまさら治療するワケでもないけどのう、彼を苦しめた原因はしっておきたいけん……。

ジツはガンも疑われとったけどのう、腫瘍細胞は見つからんかったけん……。

抜き取った胸水には多くの細胞がまじっとったけど、こんなに多いんはめずらしいといわれたけん。

さすがうちうじん……。




　高乗寺の火葬場で、小さいホネのカタマリになった彼を見たときにはフシギと冷静だったけん……。

ほんの小一時間前には大泣きしたのにのう……。

係のひとは小さなトレイに小さなホネを並べて、

「洋ネコは日本の風土にあわないのか、あまり長生きできないんですよ。このコは長生きしましたね～」

となぐさめられたけん。

そうじゃのう、ひといちばい長生きしたみたいじゃけん……。

大往生というてもいいんかのう……。

小さな、それでいてカタチのしっかりしたホネをハシでつまみあげながら、

「あ～、ココのトコはこんな手触りだったかのう……」

そんなコトを思うとったけん……。

エンターテイナーじゃけん

　もねもねちゃんがおらんで、なんとのう殺風景だった部屋に花が届いたけん。

差出人は動物病院……。

わしの家の歴代のネコたちを最後まで面倒みてくれた、界わいイチの名医じゃけん。

今でこそ南大沢に動物病院が何軒もあるけどのう、ひと駅となりのこの病院をこれからも使うと思うけん……。

……、いや、いまは使う家族がおらんのう……。




　家に戻ったもねもねちゃんだったけど、症状は一進一退だったけん……。

サークルの中を動きまわったかと思うと、へたりこんでしもうたり……。

とくに、大きく口を開けて呼吸するんは、かなり苦しい時のサインじゃけん……。

なにより、横たわるコトがしんどいらしうて、ずっと伏せとるけん……。

肺に負担がかかるんかのう……。


　負担といえば、通院もそうじゃけん……。

なにしろ飲んだり食べたりしとらんけん、点滴を受けんといかんけん……。

病院にいかんワケにはいかんけど、移動するごとに消耗しとるけん……。

しかも、こんどは点滴で補った水分を排泄しとらんのが気がかりになったけん……。


　夜になると、ネコのような甘えた声でわしらを呼んだけん……。

さみしうて、かまってほしいんか……、それとも苦しいんか……、それはわからんけど、あごや耳のうしろをなでると、少しは落ち着くようじゃけん……。


　日曜日、病院は通常休みだけど、点滴を受けたついでで、再入院をお願いしたけん……。

通院の負担と、尿毒症の不安から決断したけん……。

これが、最善と判断したけん……。


　……、その日の夕方……、病院から電話があったけん……。

かなり辛そうだが、面会にくるかちう内容だったけん。

こういう電話をするなんて、よっぽどのコトじゃけん。

クルマを飛ばして駆けつけると、先生が……、

「たったいま亡くなりました……」

と申し訳なさそうにいうたけん……。

寝てるのかと思って、ちょっと目を離したら、振り向いたときには……。

わしらが到着する直前のコトだったそうじゃけん……。

酸素室を覗きこむと、もねもねちゃんは寝とるように横たわっとったけん……。

この数日見なかった、穏やかな顔だったけん……。

穏やかないい最後だったけん……。

ダレも死に目にあえんかったんは、いちばん悲しいトコロは見せんちう、エンターテイナーとしての意地だったからに違いないけん……。

酸素ネコじゃけん

　借りとった酸素きうにう器を回収してもらうと、部屋が驚くほど広々としたけん……。

この大きな機械と、酸素室に使ったサークルは、物理的にかなりのスペースを占有しとったけん……。




　七夕の日、もねもねちゃんは肺から水を抜く手術をしたけん。

たいして心配しとらんかったんは、前日に面会にいった時ときに、わしらに目もくれずメシを食うとったからじゃけん。

いろいろ複雑な思いもあるけど、とりあえず食欲はあるいうコトじゃけん……。

もねもねちゃんの病室は、９９％の酸素を常時供給されとる酸素室じゃけん。

呼吸さえラクになれば、元気になれる……、そのときまではそう信じとったけん……。


　翌日、見舞いにいったワイフさまは、医療機器のレンタルを即決したけん……。

改善して自宅療養に切り替えるワケでのうて、最後をみとる覚悟でのコトじゃけん……。

手術後、回復するどころか状態は悪くなる一方だったんは、わしの目にも明らかだったけん……。

おそらく、手術にたえられるだけの体力がなかったのかもしれんのう……。

夕方には機械が届き、サークルにカバーをかけて、病院と同じ環境を整えたけん。

移動用の酸素ボンベもそろって、ようやくもねもねちゃんを連れ帰るコトができたけん……。

ぐったりとして、ときおり息苦しうしとるけどのう、やっぱり家が落ち着くのかもしれんのう……。

ビニールのカバーをめくってノドをなでるとごろごろいうたけん……。

この高濃度の酸素室こそが、彼の生き延びる最後の希望じゃけん。

カバー越しとはいえ、もねもねちゃんとわしらは、わしらの家で生活していけるけん！。


　……、

高濃度酸素は、呼吸機能が低下しとる患者には必要だけどのう……、健康な生物にはキケンな物質じゃけん……。

もねもねちゃんとマクラを並べて寝とったら、はげしい頭痛とめまいにおそわれたけん……。

同じ部屋にいながら、わしらは同じ空気を吸えんでいたけん……。

最後の闘いじゃけん

　高尾駅の南口から、山の方に進んでいくと、しだいに道は狭うなって、リッパなお寺さんに突き当たるけん。

高乗寺は由緒ある禅寺だけど、座禅や写経、それに手芸とか、カルチャースクールっぽい親しみやすさがあるけん。

このお寺さんの一画にのう、小さな家族たちを火葬してくれるトコロがあるけん……。

深い緑の中に立っとる２本のエントツの片方から、ゆらゆら熱気が上がってのう、その最後にかすかに煙が立ちのぼったけん……。

「ホントに空に昇ってくんじゃのう……」




１週間前には想像もできんかったのう……。

なんとのう、けだるそうにはしとったけど、４８時間サイクルで活動的な日と寝とる日が交互にくる彼の、その寝る日だったしのう……。

でも、翌日になってもしんどそうだったけん、とにかく病院に連れていったけん。

この時、やけに耳が冷たいんが気になったけん……。

もう何年もお世話になっとる獣医の先生が、レントゲンを見せるなりこう言うたけん……。

「重症です……」

肺に水がたまって、呼吸がままならない状態だったけん……。

ジツはこの時、ひそかに最後の闘いに挑む覚悟はできとったけん。

あの耳の冷たさは、４年前ミミゾウくんが亡くなる数日前によう似とったけん……。

おわびするけん

　きのうはたくさんのコメントをもろうたのに、返事も書かんとすまんかったのう……。

この怒濤の１週間のできごとを、ご愛顧いただいた読者のみなさんにキチンと報告するんは、わしの責任じゃけん……。

事後報告になってしもうたコトは、深くおわびするけん……。

病理検査の結果をまって、記事にする予定だったけどのう、その前に彼は旅立ってしもうたけん……。

いろいろ心配かけてしもうたのう……。

彼は苦しむコトもなく、眠るように安らかに還っていったっけん……。

帰還……

　ちきうじんのしょくん……。

わしもいよいよ、うちうにかえるひがきたけん……。

ずいぶんながいコトせわしたのう……。

それじゃあのう……。

またあえるといいのう……。

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…………………………(涙)

投票日じゃけん

　スモウとかワールドカップとかさなったせいか、どうも選挙は盛り上がりにかけとるのう……。

これで天気もいいなら、投票率はがく～んとさがるけん……。

この選挙のシステムものう、もうちょっとたのしうするといいのにのう……。

たとえば、来場者１００人目は税金をぜんぶ返すとかのう……。

……、

ダメかのう……。

せめてお茶くらいだしてくれてもいいと思うけん……。

スタバのコーヒーとはいわんけん……。

いや、人気のカフェで投票できたら、みんな選挙にいくけん！。

抹茶フラペチーノトールと◯◯党１票！。

名古屋場所じゃけんどすこ～い

　てけてんてけてん……、

すったもんだで開催じゃけん！。

ま～さすがにテレビのちう継はやらんか……。

いい機会じゃけん、地デジでしか見れんようにしたらどうかのう……。

お年よりが一斉に地デジに買いかえたりせんかのう……。

で、ＮＨＫは日本ぢうから怒られるけん！。

放送より興業の形態を考えんとのう……。

もともと神事じゃけん、神社でやったらいいけん！。

もう悪いコトはできんけん！。

新築じゃけん

　あったこうなってのう、南大沢でうまれたツバメのひとも、ずいぶんと大きうなったけん！。

でものう、ちょっと大きうなりすぎたんか、ファミレスの軒先の巣が崩落してしもうたけん！。

コドモツバメも大ピンチじゃけん！。

でも、巣をかけた場所がよかったのう……。

お店のひとが、手作りの巣を作ってくれたけん！。

壁と壁に梁をわたしてのう、がんじょうにできとるけん。

おかげでのう、コドモツバメもますます大きうなっとるけん……。

はよう巣立ちせんと、またこわれるけん……。