【韓国議員団・竹島上陸】日本政府、予定通り「10億円」拠出へ 国際司法裁判所への提訴も当面見送り 韓国側の不法行為定着の恐れ
韓国の超党派の国会議員団による竹島上陸について日本政府は「極めて遺憾」(菅(すが)義偉(よしひで)官房長官)と強く非難している。ただ、昨年末の日韓合意に基づく元慰安婦支援財団への10億円の拠出は「話が別」(官邸筋)として予定通り行う方針。世論や与党内からは強い反発が出そうだ。
菅氏は15日の記者会見で「竹島領有に関するわが国の立場に照らし、到底受け入れられない。事前の抗議や働きかけにもかかわらず、訪問が強行されたことは極めて遺憾だ」と不快感を表明。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長が在日韓国大使館の李(イ)煕燮(ヒソプ)公使を呼び出して抗議したほか、ソウルでも鈴木秀生臨時代理大使が韓国外務省の鄭(チョン)炳元(ビョンウォン)東北アジア局長に抗議した。
日本政府は13日にも竹島上陸を中止するよう韓国側に求めていたが、事前抗議は無視された形だ。
日本政府は今回の動きについて「韓国政府が完全にコントロールできるわけではない」との認識を示している。このため、韓国側に再発防止を強く求めるものの、国際司法裁判所(ICJ)への提訴などは当面見合わせ、関係改善の流れを維持する対応にとどめる。
ただ、「政府は関知しない」という説明は、韓国政府の常套手段だ。ソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去問題や国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(記憶遺産)への登録申請も「民間団体」によるものとしている。日本政府が事態を軽視すれば、韓国側の不法行為が定着する恐れがある。
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