韓国「ウォン急落」で防衛ライン突破間近 文在寅が払わされる反米・反日のツケ
5/14(火) 17:00配信
韓国ウォンが急落する。米中経済戦争がきっかけだ。それに米国・日本との関係悪化が追い打ちをかける。韓国が通貨危機に陥っても、誰からも助けてもらえないと市場は見切ったのだ。(鈴置高史/韓国観察者)
5月14日の韓国外為市場でウォンは前日比1・90ウォン安い1ドル=1189・40ウォンで引けた。一時1190ウォン台に乗せるなど、前日(10・50ウォン安の1ドル=1187・50ウォン)の地合いを引き継いだ。2年4カ月ぶりの安値水準で、韓国通貨当局の当面の防衛ラインと見なされる1ドル=1200ウォンに迫った。
米中の関税引き上げ合戦で中国経済がますます悪化するとの懸念を反映した。韓国は中国向けの輸出比率が25%前後と高いため、中国経済が減速すればもろに打撃を受ける。
すでに、2018年12月から輸出が前年同月比でマイナスに転じており、貿易黒字も急減した(デイリー新潮「韓国、輸出急減で通貨危機の足音 日米に見放されたらジ・エンド?」参照)。
5月13日発表の最新の通関統計(5月1~10日)では、輸出は前年同期比6・4%減の130億ドル。中国向けが同16・2%減だったのが響いた。品目別には輸出の20%を占めてきた半導体が同3・8%も減った。
半面、輸入は同7・2%増の152億ドル。10日間で22億ドルの貿易赤字を記録した。1月1日から5月10日までの累計では110億ドルの黒字を確保したが、同40・4%の激減ぶりだ。
韓国は貿易赤字が発生するか、黒字でもその幅が急減した際に通貨危機に直面してきた。1997年、2008年、2011年である(デイリー新潮「韓国、輸出急減で通貨危機の足音 日米に見放されたらジ・エンド?」参照)。
市場は今、その悪夢を思い出している(デイリー新潮「ウォン安が止まらない韓国、日米との関係悪化で“助け舟”も絶望的の自業自得」参照)。
ウォンの下落ぶりがそれを示す。今年4月以降の下落率は「震源地」中国の人民元が1・7%前後というのにウォンは4%を超える。ウォンより下落率が高いのは通貨危機に陥ったトルコ・リラやアルゼンチン・ペソぐらいだ。
「韓国売り」の背景には少子高齢化がある。経済の活力のバロメーターである生産年齢人口の割合は2017年をピークに減り始めた。人口自体も2019年を境に減少する見込みだ(「文在寅の“ピンボケ政策”で苦しむ韓国経済、米韓関係も破綻で着々と近づく破滅の日」参照)。
4月25日に発表された、2019年第1四半期のGDPは前期比で0・3%減(速報値)だった。ウォンはこの発表を受け急落した。人口が減れば経済は縮小する。単なる景気の悪化ではなく、経済そのものが縮み始めたと市場は見なしたのだ。
ウォンはこれを期に、1ドル=1110~1140ウォン台のボックス相場を1年9カ月ぶりに離脱した(デイリー新潮「文在寅の“ピンボケ政策”で苦しむ韓国経済、米韓関係も破綻で着々と近づく破滅の日」参照)。