Nさんより新国立劇場バレエ団の白鳥の湖の初日の寄稿頂きました。
日中国交正常化40年記念の節目として、バレエ団にとっては初の
中国のバレエ団よりゲストを招聘しての公演とのこと。
Nさんは大学の卒論で中国と日本のバレエ交流を取り上げられたとのことで
寄稿内容が只者ではないというのも納得です。
今回のポスターを添付。
写っているのはゲストのワン・チーミンとリー・チュンとのこと。
昨日の日本人ペアのバレエもご覧になったとのことでその寄稿も楽しみですね。
新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』2012年5月5日(土)
オデット/オディール:ワン・チーミン
ジークフリート王子:リー・チュン
ロートバルト:貝川鐵夫
王妃:楠元郁子
道化:八幡顕光
家庭教師:石井四郎
王子の友人(パ・ド・トロワ)
川村真樹 本島美和 奥村康祐
小さい4羽の白鳥:さいとう美帆 長田佳世 寺田亜沙子 細田千晶
大きい4羽の白鳥:本島美和 厚木三杏 堀口純 丸尾孝子
花嫁候補:寺田亜沙子 堀口純 丸尾孝子 川口藍 小村美沙 細田千晶
スペイン:厚木三杏 西川貴子 マイレン・トレウバエフ 江本拓
ナポリ:さいとう美帆 高橋有里 吉本泰久
ルースカヤ:湯川麻美子
ハンガリー:大和雅美 輪島拓也
2羽の白鳥:厚木三杏 堀口純
大きい4羽の白鳥(第4幕):本島美和 西川貴子 丸尾孝子 小村美沙
新国立劇場バレエ団にとっては
今年最初の純クラシックバレエの公演に足を運んだ。
今回は初めて中国よりゲストを招聘した。
ワン・チーミンは華奢でありながら
鋼の如く強靭な身体能力の持ち主で、
しなるような手足の表現が印象深い。
オデットでの感情表現は控えめだが、
何者をも寄せ付けまいとするどこか冷たい近寄り難さが際立っていた。
オディールでは柔軟性のある身体を更に大きく使って
小悪魔のようなオーラを漂わせていた。
リー・チュンの王子は
成人を迎えたばかりの王子にしては晴れやかさは抑え目だが、
知的で手堅く、サポートも安心して見ることができた。
八幡さんの道化は元気溌剌という言葉がぴったりな
可愛らしさがあり、場を大いに盛り上げていた。
パ・ド・トロワの女性に花を捧げようと
一生懸命礼を尽くす姿がまた健気であった。
楠元さんの王妃は気高く凛とした魅力があり、
その場にいる誰もが平伏したくなる鷹揚の効いたマイムも美しかった。
パ・ド・トロワは女性プリンシパル2名を投入という贅沢さで、
3人が登場すると、ぱっと明るく華やいだ雰囲気に包まれたのはいうまでもない。
花嫁候補はどの方も華があり、目の保養になる。
以前は大人しめの方もいらしたが、
回を重ねてきたためであろう、
登場時から盛大な行進曲に負けないほどの
気高く誇らしげな雰囲気をまとっていて、
一段と王女らしさが表れていた。
ルースカヤの湯川さんは、
じっくりとタメを効かせつつ大人の色気を滲ませ、
伸びやかな踊りに惹きつけられた。
そしてコール・ドの整然とした美しさも忘れ難い。
しっとりと幻想的な雰囲気を醸し出し、
非日常の世界に誘ってくれた。
ここのところクラシック作品が少なくなりつつあったが
それでも尚高いレベルを保っていることに
心から感激した。
大学の卒業論文で中国と日本のバレエ交流について書いたこともあり、
通い詰めている新国立劇場バレエ団が中国よりゲストを招聘してくれたことは
感慨深い思いであった。
松山バレエ団は日中国交正常化以前から交流を行い、
毛沢東や周恩来をも絶賛させたほど中国とは古くから親交がある。
東京バレエ団やKバレエカンパニーも中国公演を成功させ、
スターダンサーズバレエ団や東京シティバレエ団、牧阿佐美バレヱ団では
中国人のダンサーが活躍し、
雑誌のインタビューで中国と日本のバレエ事情の違いについて
語っていた内容は興味深いものであった。
今回新国立劇場バレエ団に新たな歴史が刻まれたことは
大変喜ばしい限りである。
明日は2年前に見事なオデット/オディールデビューを果たした
小野絢子さん、2月のこうもり以来の舞台復帰となる福岡雄大さんペアの主演である。
劇場の顔となりつつあるお2人による白鳥の湖での舞台が
今から楽しみである。
2005年11月から長いこと続けていらっしゃるんですね。ロシアで観劇放題だったとは、何とも羨ましい限りです。どのぐらい現地にいらしたのですか?美しい写真もいいですね。
特にアンドレイ・ウヴァーロフをNo.1贔屓にしていたので、懐かしさでしばし見入ってしまいました。記事が沢山あって、どこにアップされているのか見尽くすのは大変そうです。
DVDでドンキホーテ、TV放送でロミオとジュリエットは録音したものの、他にフルバージョン記録が見当たらず、アマゾンあたりを物色しないといけないのかなと思いつつ、なかなか実行に移していません。
なにかいい情報、お持ちではないでしょうか。
ブログ拝見させていただきました。
このところFaceBOOK中心になっておりこちらのブログのUPがおろそかになって返事遅くなり申し訳ありません。
ウヴァーロフは当方贔屓のザハーロワのパートナーだったこともあり本ブログでは多数UPしております。
記事をお探しいただくのはブログ左のSearchをお使いいただきこのブログ内でを選択頂ければ多数出てまいります。お試しください。