この夏は、私としては珍しいことに、何本も立て続けにアニメーションを観た。日本やアメリカの新作、或いは美術館ホールでの特集として各国の旧作、最近作などなど。劇場で一日に3本続けて観たときには、冷房が苦手な私としてはもうクタクタなのに、それでも家に帰るのが信じられないような、不思議なトリップ感のようなものが残った。楽しい遠出の一日の終わりに、子どもが、既に半分寝かかっているのに「かえりたくなーい」とい . . . 本文を読む
このところ、本が全く読めない。エネルギーがあまりに足りないと、内容が全く把握できなくなって眼が文字を追うこと自体困難になったりするけれど、今回はそうではなくて、ただ単に「忙しすぎる」のだと思う。
この一年半ほどは、自主上映の映画を観に行く回数が増え、その片方ではこういう文章を書くようにもなり、スローにしかコトが運べない私にとっては、時間は足りなくなる一方だ。子どもがある程度の年齢になってからは、 . . . 本文を読む
先日、久しぶりで金沢に帰った際、実家の近くの美術館で「出光コレクションによるルオー展」をやっていた。たまたま時間があり、何も知らずに入ってみると、「受難」の連作や「ミセレーレ」シリーズの作品が順番に並んでいた。私はこれまで、これだけの枚数のルオーを一度にまとめて観たことがなかったので、突然放り込まれたこの画家の世界に目を瞠った。
私にとっては旅先に等しいような故郷で、さらなる異世界を漂っているよ . . . 本文を読む