ミャンマー視覚障害者医療マッサージトレーニングセンターの日々の記録 「未来に向かって」

NPO法人「ジャパンハート」が、ミャンマーの視覚障害者の社会的自立を目指して立ち上げた新たなプロジェクト

トレーニングセンターに、見学の方がいらっしゃいました!

2011年06月22日 | 日記
こんにちは、ミャンマーのオフィス1でインターンをしているじゃすみんこと高橋です!
普段はオフィスにいる私ですが、先日トレーニングセンターに見学者の方が来られるということで
私自身の授業見学も兼ねて施設にお邪魔して参りました。

20日午後、来られたのは障害教育を勉強しておられる溝越さん。
彼女は現在大学4年生で、卒業後の海外での活動に興味があるらしく
今回はワチェ病院で5日間ほど一般ボランティアとしてお手伝いをしてくださいます。


まずは塩崎先生からジャパンハートの視覚障害者自立プロジェクト及び
トレーニングセンターの概要をお話いただき、そのあと授業風景を見学させていただきました。

月曜の14:10から始まる5限目は、生理学の授業です。
本来なら50分みっちりと講義があるのですが、先生のご厚意で貴重なお時間を割いていただき、
私たち2人から学生の皆さんに対して質問させていただくことができました。

一つ目の質問は、皆さんの年齢。
驚いたことに、年齢は17歳から38歳までまちまちです。
最年長の38歳の男性は、盲学校で英語の先生をしていたのを退職し、
もう一度勉強したいとの想いでトレーニングセンターに入ってきたとか。

そして二つ目は、「出身の盲学校とトレーニングセンターとの違いは何ですか?」という質問。
はじめは「ありません」と声を揃えて笑っていたみなさんも、
順番にひとりひとりに応えてもらうと様々な反応がありました。
まず多かったのは、食事や教室など勉強する環境が整えられていること。
そしてまた、先生が詳しく丁寧に教えてくださること。
それから何よりほとんどの生徒が回答したのが、
「医学が学べる。これは前の盲学校ではできなかった」というものです。

ミャンマーの既存の盲学校は学校間のレベルの差が激しく、
点字を教えるだけのところもあれば、きちんと大学進学が可能な教育課程を持つところもあります。
なかにはマッサージを教えるところもありますが、実技の指導にとどまっており
トレーニングセンターのように、医学史や社会学などを含む包括的な教育は行われていません。
その点を、生徒の皆さんはトレーニングセンターの優れた点であり特徴であると述べていました。


気づけば終了時刻まであと5分程度で、先生が前回の復習をされてこの日の全授業が終了。
トレーニングセンターのなかを歩いて設備等を見せていただきながら、
溝越さんも先生に熱心にご質問されていました。


私自身授業見学をさせていただくのは初めてでしたので、
生徒さんの熱心さや姿勢に圧倒されるばかりの数時間でした。
彼らが2年後、正式に教える立場として自らの学校に戻り
教鞭をとる日が来るのが楽しみですね。



じゃすみん

Happy celebration

2011年06月21日 | 日記

ミャンマーでも多くの学校で6月から新年度が始まった。

私たちのトレーニングセンターも、新入生を受け入れ、5月30日から授業を開始している。初めは緊張していた新入生も生活にずいぶん慣れ、明るい声がキャンパスに響くようになってきた。また、昨年本センターキャンパス内で勉強していた学生たちは2年生に進級し、卒業を目指してミャンマー全国各地の母校で教育実習に挑戦している。

そんな中つい最近、「セダン」(日本の大学入試センター試験のような物で、健常者でも1年・2年浪人当たり前の長男間試験。ミャンマーではこの試験の合格者にのみ高校卒業資格と大学入学資格が与えられる。)の合格発表があり、今年はミャンマー全国で14名の視覚障害者が合格した。その内、3人は本センターの新入生だが、彼らは大学に少し憧れはありつつも、「大学にはいつでも行けるから、まずは盲学校の医療マッサージ教員を目指してがんばりたい」と約束してくれた。

14人中トップ成績で合格した彼も新入生の一人で、しかも6月10日が誕生日。そこで、彼の誕生会と3人の合格祝いを兼ねて、放課後に急遽簡単なパーティーをした。パーティーといっても、センターの食堂に所狭しと並べたいすに座り、バースデーケーキを学生・職員やく20名で分けて食べる物。ご馳走もクーラーも何もない。一切れのケーキを汗をかきながら皆で食べる美味しさ。「まずい」、「暑い」、「足りない」と言う人など一人もいない。皆笑顔で心をこめてお祝いをする。

贅沢が当たり前になった昨今の日本社会、物事の本質よりも見た目に拘り見栄えが悪いとおかしいと気にする心。ある物に感謝し、最高の心をこめて祝うパーティーを通して、またミャンマーの人たちの「人間としてのすばらしさ」に接することができたように感じている。

最後に、本センター創立1年目の昨年も、なんとか無事に終えることができたことをご報告すると共に、多岐にわたりご支援・ご協力いただいた多くの関係機関・関係者の方々に心から感謝申し上げたい。また、引き続き本センターの様子をお見守りいただくよう、お願い申し上げたい。

    塩崎


講演会

2011年06月03日 | 日記
先日、2004年よりベトナムで視覚障害者にマッサージを指導し、
現在はホーチミンのMATAニャックアンあんま訓練教室で指導されている佐々木憲作先生がヤンゴンを訪問されました。
この機会に市内の盲学校で近隣の視覚障害者マッサージ師や盲学校教職員、当センター訓練生に講演をして頂きました。

ベトナムの概要から視覚障害者の状況、ホーチミン市の視覚障害者によるマッサージの歴史と現状をアジアの他の国の情報も織り交ぜてお話されました。
特に興味深かったことは、2004年頃から視覚障害者個人によるマッサージ店の出店が始まり、その後その数が増えているということです。
なかには二店舗を経営している視覚障害者の方もいるそうです。

また佐々木さんはマッサージが視覚障害者が安定した生活を送るための有効な手段であることも強調されました。
ベトナムでの視覚障害者の他の職業は、道端での宝くじ売りや家での内職が多いのですが、生活をしていけるだけの十分な稼ぎを得ることは難しいようです。
マッサージの場合、テナントを借りて、ベッド等の必要な物をそろえると多額の開店資金が必要となります。
しかし自宅で開業すれば、それほど多くの開店資金はかからず、夫婦でやるなどすればそこそこの収入は得られるのではないかということでした。

しかし、開業権を得ることが難しく、マッサージ業を開業しやすくする法改正が、マッサージの技術向上とあわせて必要ということでした。
最後に、何より医療従事者であるマッサージ師としての誇りと周囲から尊敬される人間性をもつことが重要であると講演を締めくくりました。

講演後は、会場からマッサージ師の教育制度やマッサージ料金、店舗の経営等多くの質問が寄せられました。
センターの訓練生はマッサージ師としての自立した生活と同時に、経営者になることを目標としたかもしれません。



Japan Heart