ミャンマー視覚障害者医療マッサージトレーニングセンターの日々の記録 「未来に向かって」

NPO法人「ジャパンハート」が、ミャンマーの視覚障害者の社会的自立を目指して立ち上げた新たなプロジェクト

1年生2学期期末テスト

2012年02月18日 | 日記

ミャンマーの学校では、今が学年末。
本センターでも、15日~17日までの三日間、1年生が2学期の期末テストを受けた。念4回あるテストの最後。
今回は三日間かけて、臨床医学系分野・東洋医学系分野・教職分野から合計6教科のテストを受けた。

10日ぐらい前から、センター内の色々な所で、真剣に勉強する学生たちの姿が見られた。
授業のノートを何度も読み返す学生、友だちと「どこが出るかなあ?」と相談したり、お互いに教えあったり確認しあったりする姿もあった。更には、テスト開始10分前に私のところに内容の最終確認をしにくる学生もいた。残念ながら、彼が確認したところは全く出題されなかったが、この意気込みはすばらしい。

一生懸命にテスト勉強をしたり当日時間ぎりぎりまであきらめずに答案用紙に向かうミャンマーの教え子たちの姿は、彼らの明るい未来を予感させてくれる。盲学校の医療マッサージ教育分野において、彼らが10年後・20年後のこの国を牽引するのかもしれない。そんなことを考えると、改めて自分自身の背筋が伸ばされる気がした。

今、私の机にはそんな学生たちの答案が山積みになっている。この週末は、採点と成績処理が待っているが、学生全員が、合格ラインの60点を超えますようにと願うばかりだ。


    塩崎

第1回盲学校オープンキャンパス

2012年02月01日 | 日記

1月28・29日の両日、ミャンマー中部にある二つの盲学校でオープンキャンパスを実施した。

ミャンマーには、盲学校が8校ある。それぞれの学校の規模や運営携帯も様々で、教育内容も各学校によって大きく異なっている。しかし、どの学校でも視覚障害教育情熱を持った先生方が熱心に指導されており、自立を目指して元気に生き生きと学ぶ生徒たちの姿は、日本の視覚特別支援学校にいるのではと錯覚しそうになるほど共通している。

一方で、この国でも盲学校の存在を全く知らずに、「眼が見えないと役に立たない迷惑な人間」と本人も家族も思い込み家の中でひっそりと一生を終える人も珍しくない。村の共同体が根強く残っているミャンマー社会では家族に視覚障害者がいるとそれをできるだけ隠し通そうとする傾向があるようだ。

これらの状況を目の当たりにし、来緬以来私はすばらしい教育ノウハウと情熱を持った全国各地の盲学校とその周辺地域の視覚障害者との接点を作ることはできないだろうかとずっと考えていた。更に、本センター卒業生が赴任する各地の盲学校をその地域における視覚障害者の教育や自立支援の中枢気管として機能させることができれば理想的だとも考えた。そして、色々な話し合いを重ね、今回関係機関と協力して視覚障害者の就学支援を目的としたオープンキャンパスを実施することになった。

今回私は、ただのお祭り気分・団体独自で騒がしく且無秩序に各家庭を訪ね歩くようなプロモートを必ず避けるようにジャパンハートに強く提案させていただいた。そして、政府・開催校の全面的な理解とご協力を得て、盲学校周辺の行政区単位で組織的にパンフレットを配布した。こうすることにより、全ての関係者に学校区の発送をイメージしてもらうことができるようになり、開催校には「周辺地域の視覚障害者については自分の学校でしっかり責任を持たなければ生らない」と言う意識を強くすることができる。

当日は開会式に続き、盲学校紹介・卒業生体験談発表・私の話を初め、点字やマッサージのデモンストレーションなど盛りだくさんの内容だった。両日あわせると、視覚障害者ご本人とその家族やく600名が参加して下さった。

なぜこんなにも人が集まったかと言うと、参加者には漏れなく「眼科診察無料クーポン券が配布される」と言うのがどうも効果的だったようだ。これは、このクーポンをミャンマー中部にあるジャパンハートの病院に持って行けば、無料で眼科診療を受けられるというもの。こうなると盲学校紹介と言う目的に合わずに、このオープンキャンパスは失敗だったとなるが、私は必ずしもそうではないと思っている。

一般的に視覚障害者やその家族は、盲学校に足を踏み入れるのに本当に大きな決断と勇気を迫られる。
「一般社会と隔離されてるのでは?」、「どんなことをしてる学校なのか?」、「近所や周囲から変な目で見られるのでは?」 ・・・、様々なことが頭を過ぎる。
そのような社会の中で、私は、たとえ参加目的が「無料クーポン券」だったとしても、こんなにも多くの方々が盲学校に足を踏み入れて盲学校内部の実態に触れたことそのものが、大きな意味を持つと考えている。今後、参加してくださった600名の方々がそれぞれの村に帰り、オープンキャンパスで聞いた話や体験したことを周囲に伝えてくれれば、人々の盲学校への認識が変わり入学希望者も増えると思う。

今回のオープンキャンパスはほんの第1歩に過ぎないが、一人でも多くの視覚障害者が将来への希望を持って盲学校にアクセスし、更には各盲学校を中心としてその地域における視覚障害者の社会参加の輪がコミニティレベルで進んでいってくれることを願っている。
 
  

  塩崎