本センターも新年度が始まってからもうすぐ1ヶ月になろうとしている。
全国各地の盲学校から集った新入生たちは大分生活になれ、明るい声がキャンパス内に響くようになってきた。
そんな中、今年度第1回目となる避難訓練をした。今回は、午前10時半に厨房から出火したとの想定。
「火事!火事!」と言う知らせを聞いて、学生全員が職員の指導の下、外へ非難した。
出火想定時刻の10時半は、たまたま実習の授業時間。もちろん、緊急時は着替えに帰ったり、部屋に大切な物を取りに行ったりする時間などない。全員が実習用の白衣のまま、実習室から直接非難した。更に、本センターも含め、盲学校の学生たちは視覚障害があるため、お互いに声を掛け合い、周囲の腕に繋がって皆で逃げる必要がある。正に、職員の視覚障害ガイドテクニックとクラス内のチームワーク、お互いの信頼関係が試される。
また、今年は、センターから火災発生の連絡を受けたジャパンハートヤンゴン事務所担当者が、タクシーでセンターに実際にかけつける練習もした。
年度初めのこの避難訓練は毎年、「学生・職員全員が緊急事態発生時の対応方法に付いて理解すると共に、防災に対する日常の意識を高めること」を目的としている。そのため、前もって予告して授業時間内に事前指導を行い、避難訓練の目的・避難方法やその際の心構えに付いて学習させた。そして、訓練直後には全員を教室に集めて、訓練の反省と日常生活における防災対策に付いて指導した。
ほとんどの学生たちにとって初めての経験だったが、予告して行ったためか全員が余裕の様子だった。中には、出火予定時刻数分前から「そろそろかなあ」と周囲に耳を済ませて待っている学生もいた。しかし、災害は忘れたころにやってくるもの。
今回学んだことを、普段の日常生活の中で思い出し、高い防災意識を持ったセンター生活を贈ってもらえれば幸いだ。
塩崎