このところ断水も停電もめっきり減ってきたミャンマー。確実にインフラ整備が進んでいることを実感できる。そして、そのスピードにはいつも驚かされる。
しかし、本センター周辺地域一体で、最近1週間近くに及ぶ断水があった。本当に久しぶりだ。
こういう場合は、いつもできるだけ貯水タンクの水が減らないように皆で協力して様々な工夫をしなければならない。騒いだり腹を立てても、余計に暑くなって流れる汗がうっとおしいだけ。
手や顔は、浴槽やバケツにあらかじめためた水で洗う。トイレはできるだけためてから後でまとめて流す。もちろん、断水なので思いっきりシャワーを浴びたり洗濯をしたりもできない。逆に、水が出る時には常に浴槽に水を満杯にしておく。これはミャンマーに来て現地生活の中から自然に学んだ断水対策だ。昼間から浴槽に大量の水を貯めている姿に不思議な感覚を覚えた初来緬のころを思い出す。
真夏のような暑さの中どこをひねっても一滴も水が出てこない、そして、それがいつまで続くか分からない生活・・・。24時間ライフライン供給が当たり前になっている日本ではこんな経験はあまりなかったが、気付くと現地の人たちと同じ事をして、「水がなくても通常通り授業をしましょう。その内、復旧するから。」と教室でミャンマー人学生たちに汗びっしょりで元気よく言っている自分がいた。
そして、予想通り数日後水が使えるようになった。皆喜んで感謝しながら水に触れ、溜まった洗濯物を片付けたり、シャワーを浴びたりした。脾肉にも断水中一度も降らなかった雨も、なぜか水が復旧したと同時に降り始めた。断水中にこんな大雨が降ってくれれば良かったのだが、世の中そう簡単にはいかない。
これはこれである意味充実した生活だが、急速に発展し始めたミャンマー。この国から断水や停電が完全になくなるのも、時間の問題だろう。
塩崎