冥土 in Japan -メイドインジャパン-

闘病記録を後悔ブログとし、
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西洋医学と東洋医学の違い

2021年04月18日 22時11分35秒 | 雑感
西洋医学と東洋医学の違いを、私の知る範囲でまとめてみました。
最大の違いは、人体、病気、治療の概念だと思います。。
西洋医学は、細菌、特に病気を起こす病原菌の発見から始まりました。
そのため、病気の原因の細菌を見つけて取り除く(退治する)…というのが基本です。
これは、病気の原因がウィルスやガンなどになっても同じで、見つけて除去するのが基本です。

そのため、病原菌がどこに隠れるかを臓器なども細かく構造を調べて、体の仕組みを解明してきました。このように系統付けられた解剖学を「局所解剖学」とも言います。
治療も手術と、病原菌の退治が主になります。
その結果、専門の臓器がどんどん細分化してゆき、心臓の手術をする先生やお腹の手術をする先生が、手の傷を縫えない…などという事が起こります。

しかし、医師の育成が簡単で、大量の専門家をすぐに作れるというメリットがあります。
この仕組みで最も重要なのは、病院や医師相互の連携と、最初に患者を看て、専門の病院に振り分ける医師の存在です。
この仕組みで最も進んでいるのはアメリカのERですが、旧ソ連崩壊までは、旧ソ連の医療システムがまさにこれでした。(現在のロシアの医療は情報がなく判りません)
日本は、振り分け担当の医師がほぼいない、という位の絶望的状態で専門医ばっかり増やしてます。

対して、東洋医学は、人体を臓器や器官、骨や筋肉のネットワークと考え、病気とは、その暮らしてる環境も含めたネットワークの異常、治療とは乱れたネットワークを適正化することと考えます。
そのため、病原菌という概念がありません。極論すれば、インフルエンザでも盲腸でも、症状と体質、体の状態が同じなら同じ治療になったりします。
また、同じ病気のはずなのに、患者さんによって処置が違うという事は普通にあります。

この体のネットワークの基本は、インドヨガのチャクラで、漢方の「経絡(けいらく)」は、それをさらに細かく分けて体系化したものです。ちなみに鍼灸でよく使う「ツボ」とは、経絡という線路の上にある駅のような感じです。
このネットワークは住環境や生活習慣などを通して大自然とも繋がっていると考え風水などもその一部になります。

これは非常に巨大な理論体系になり、一人の一人前の医師を作るのに軽く10年位かかったりします。その結果、医師の不足が起こり、ニセ医者が横行することになります。
パソコン関係でも、パソコン自体のトラブルを直せる技術者は沢山いますが、ネットワーク関連の技術者が非常に少ないのとよく似てます。

このように、まったく違う理論体系なので、それぞれに一長一短があり、不得意分野もあります。有名な所では、戦国時代、日本に来た宣教師が「日本人は傷口を縫うことを知らなかった」と報告したりしてます。
また、ジギタリスという植物が入手できなかった漢方は、心臓に起因する不整脈の有効な治療はほぼできませんでした。