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東京目黒から山梨へ育児のためにお引越し。40代高齢出産ママの雑記帳です。

女の顔 (平岩弓枝)

2007年12月14日 | 本のこと
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ランチタイムにちょっと抜け出し
紀伊国屋をうろついているときに
目に入った本書。

新装版とか。

最近歴史小説ばっかり読んでいたけど
たまには、こういうのも読まないと
ブログネタに事欠くからね。

「女の顔は男で変わる」そうで
確かにいっしょにいる人からは多少なりとも影響を受ける。
これは男でも女でも大人でも子どもでも変わりない。

主人公の津奈木まさきは、3歳のころからサンフランシスコで
母と共に暮らしていたが、母の死をきっかけに単身帰国。
突然のまさきの登場に父方はもちろん母方の親族も戸惑いを隠せず、
けっきょく親族以外の親切で落ち着いた生活と一生に一度と思うような
愛を手に入れたはずが、それも長くは続かず・・・というお話。

一見暗い内容ですが、著者の書き方には救いがある。

ただ、主人公まさきが現代では考えられないくらい清々しい女性なのが
ちょっと白々しさにつながりがち。また、まさきを取り巻く人間関係に
ここまでの偶然はあり得ないだろうというぐらい偶然に偶然が重なる展開は
やっぱりちょっと白けます。

物語全体としては、昭和の人々の心に根強く残る戦争の傷跡と
日本人としての誇りみたいなものが文章のそこここに見え隠れし
そこそこ楽しめる作品でした。