

神保町のラドリオにて
ウインナーコーヒー
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雑誌の書評で『絶望名人カフカの人生論』が取り上げられていて
抜粋されていたカフカの言葉に、強烈にひきつけられてしまいました。
将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまずくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。
-フェリーツェへの手紙-
ぼくはひとりで部屋にいなければならない。
床の上に寝ていればベッドから落ちることがないのと同じように、
ひとりでいれば何事も起こらない。
-フェリーツェへの手紙-
ちょっとした散歩をしただけで、
ほとんど三日というもの、
疲れのために何もできませんでした。
-ミレナへの手紙-
『絶望名人カフカの人生論』頭木弘樹翻訳より
その他、多数の、あまりにも後ろ向きなカフカの言葉ですが、
翻訳者が「はじめに」で述べているように、読んでいて、
「かえって力がわいてくる」から不思議です。
彼の言葉は、腹の底からしぼりだされた、本音のかたまり、だからなのだと思います。
ポジティブな言葉も、そうでない言葉も、その言葉を発した人間の
心の底から、腹の底から、出てきたものである場合、こちらの心の深いところにある
なんだかもやもやしていて形にもなっていなかったものに、ふれてくるから、なのではないでしょうか。