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昭和31年創業のチョロ松は、地元客でにぎわう料理屋さんで、その看板メニューの「かも吸」は先代の趣味である狩猟から生まれたそうです。I氏も今回初めてということでしたが、とにかく「かも吸ってなんだ?」ということで、好奇心の塊と化した我らが暖簾をくぐったのは、午後8時ごろのことでした。
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まずは、水分補給に生ビールをいただきます。このジョッキがすばらしく雰囲気があるではないですか。細長いカウンターと並んで我らが座っている座敷席があり、店の突き当り、一番奥にも2つほどテーブル席があります。入り口に近い座敷席では、若い女性を2人連れた50代の男性が、おいしいものをたくさん食べさせたいという気持ちからだと思いますが、豪快な量の鶏のから揚げを注文しており、けっきょく食べきれずにお持ち帰りにしましたが、このから揚げがものすごくおいしそうで、食いしん坊の我らの脳裏にしっかり焼き付き、かも吸を食べた後で余裕があったら絶対注文しようと密かに誓ったのでした。
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新鮮な海鮮をおつまみにしながら、「かも吸」の登場を待ちます。「かも吸」は注文が入ってからひとつの土鍋で鴨肉、鴨の内臓、ごぼう、こんにゃく、ネギなどを炊くのだそうです。一番おいしい状態で出すために、火加減やタイミングなどにとてもこだわりをもっているようです。裏の厨房と表をしきる女主人は2代目だそうです。
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ぐつぐつと煮えたぎった土鍋が運ばれてきました。一人1個の土鍋です。おばさんがふたを開けて土鍋の中に柚子の皮を落としてくれます。立ち上る湯気に柚子の香気がふわりとのって、食欲を刺激します。
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澄んだスープは脂がきらきらと光ってとても美しいです。豚のスープよりはあっさり、鶏のスープよりはこくがあり、ピリッと効いた胡椒が良いアクセントとなっています。この滋味あふれるスープを一口すすっただけで、ほ~っと、ため息が漏れてきます。
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ちょうど良い大きさの鴨肉です。鴨肉はビタミン群や鉄を多く含んでいます。特にビタミンB2は皮膚、爪、髪の細胞の再生に関与しており、鉄は女性に不足しがちなミネラルですが、鴨肉の鉄は葱のビタミンCにより吸収が促進されるそうです。女性にとって「かも吸」はまさに美容食です。冷めないうちに、最後まで食べつくしました。胃袋にはまだ余裕があったので、から揚げも注文してみました。
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大きな「鶏のから揚げ」は、東京のから揚げとは全くの別物です。衣は薄くてからりと揚がっており、肉はやわらかくジューシーです。揚げ物が苦手な私でもおいしくいただきました。何を食べてもおいしいチョロ松は本当にお勧めです。
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