1月8日(火)
本日、大学病院、消化器内科に入院しました。
事前検査を受けた後、主治医の先生から詳しい説明を受けました。
これまで、検査ごとに、説明していただいておりましたが、改めて病状を説明いただきました。がんは大きく食道の半径を覆っています。内視鏡治療で確実に切除できるか分からないが、いきなり外科手術するのももったいないという感じです。食道の外科手術は大掛かりな手術になり、合併症の危険も大きいためです。
内視鏡的食道粘膜下層剥離術 (ESD) でがんを切除し、採取した病変を病理検査します。がんが深部に湿潤していたり、リンパ節移転が疑われる場合は、追加治療が必要になります。追加処置、外科手術か放射線化学治療の選択は、急いで決めなくてもよいと言われましたので、今はそうならないことを願うだけです。
また、がんが食道の入り口にあり、通常は縮まっており、全容を見ることができません。治療時に、気官に圧縮空気を送り、顎を持ち上げ、食道を伸ばします。状態によっては、内視鏡による治療は無理と判断し、治療を中断することもあるとのことです。
以上の説明を受け、同意書に署名しました。
今夜から絶食です。
9日(水)
午後、内視鏡による切除を受けました。初めての全身麻酔でした。
がんは、内径の半分 x 長さ 6cm とかなり大きいものでした。
内視鏡治療は楽かと思っていましたが、喉にかなりの痛みと、唇と舌が、からからの感じで、動かすだけで痛みました。
10日(木)
一日経っても痛みは引かず、昼過ぎから7度台の熱が出てきてしんどくなってきました。
切除部分に孔が開いていないか急遽 CT 検査を受けました。幸い孔は無かったのですが、誤嚥による軽い肺炎があるので、抗生剤を続けて投与し治療することになりました。
夜には熱も下がってきました。
11日(金)
急激に回復へ向かい、痛みも少なくなり、気分も良くなりました。昨日とは大きな違いです。昼から、食事の再開です。最初は、三分粥です。
12日(土)
食事が、五分粥になり、食欲もでてきました。喉にまだ痛みが残っていますが、快方へ向かっているのを実感しました。
切除した傷口が治癒するに従って、食道が狭窄する可能性があり、対策の説明がありました。一つは、ステロイド剤の投与です。内視鏡で直接傷口に注射する方法もありますが、傷の位置から困難で、投薬による方法になります。もう一つは、風船で膨らます方法ですが、これも傷の位置から全身麻酔になってしまいます。よって、投薬による方法を、結果を見ながら2~4ヶ月続けることになります。
がん治療の点滴は終了しましたが、肺炎治療の抗生剤を朝夕点滴するため、針は残したままです。
13日(日)
喉の痛みも、風邪をひいて喉が痛い程度に収まってきました。朝起きて、空腹感を覚えましたので順調に回復していると思いました。今日は七分粥です。
14日(月)
祝日です。食事は、全粥になりました。
明後日に、病理検査の結果が分かる予定です。追加治療が必要ですと言われても動揺しない心づもりすべく、インターネットで集めた資料、プリントアウトしたものと iPad に入れてきたもの、を読み返しています。これまで、がんは手術で取るものある。そして、放射線化学療法は手術ができない場合の治療で、副作用が大きいというイメージでした。考え直す必要があると感じています。
15日(火)
肺炎の完治が確認され、抗生剤の点滴は今日で終了しました。
16日(水)
今日から、食道の狭窄を防ぐステロイド剤を服用していきます。薬の注意書きには、長期服用の危険性しか記述してないですが、注意しなければならないのは、免疫力の低下で、肺炎の完治を確認してから投与されたのはそのためです。服用中はいろいろな感染に注意が必要です。
病変の病理検査結果がでて、先生から説明を受けました。
がんは、粘膜上皮に留まる0期で、追加治療は不要でした。ただ、食道全体が同じ環境に置かれていたので、他の部位に多発する可能性があります。5人に1人の割合で多発しているそうです。酒とタバコを完全に断てば、リスクは1/4に減少します。「完全に」とは、飲むか、飲まないかの二者択一で、週に一回ならの選択はないというお話です。
タバコは止めてかなり経ちます。酒は、現役時代毎夜飲んでいましたが、退職してからは減らしていき、今は週に一度ぐらいでビールしか飲みません。病院に通院し始めてから2ヶ月間禁酒していました。傷が塞がるまでは禁酒しますが、その後は厳しい選択です。20%のリスクを抱えて飲むか、禁酒してリスクを5%へ減らすか、残り少なくなった人生をどう生きるかという問題でもあります。週一でもビールを飲める楽しみはリスクを4倍にするに価するか、傷が治るまでに考えておきます。
17日(木)
退院です。一週間後に内視鏡による検査が予定されています。
文末ですが、主治医の先生、看護師の皆様方、病院スタッフ各位に心から感謝申し上げます。