失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「さらにコンパクトに」 フリッパーズ・ギター編 1990年

2016-12-20 | 8cm論
フリッパーズ・ギターは1990年に3枚の8㎝をリリースした。

1st「FRIENDS AGAIN」 1990.1.25
2nd「恋とマシンガン」 1990.5.5
4th「LOVE TRAIN」 1990.11.21


3rdシングル「カメラ! カメラ! カメラ!」も1990年だが、これはマキシシングル(12㎝CD)なのでコンパクトにはならない。

この3枚は格子の向こうにオリジナリティあふれる「さらにコンパクトに」が見える。仕掛けたのはもちろん信藤三雄。


では、「フレンズ・アゲイン」から開いてみよう。



格子の向こう編で紹介した安全地帯盤と同じ説明文。①でトレーを折り切り、③で「スジ押し」という専門用語が登場するのがポイント。文章は同じだけど、絵は完全オリジナル。まず、左上の「さらにコンパクトに」のコピーの下の完成図のジャケットに「FLIPPER'S GUITAR」「FRIENDS AGAIN」の文字が見える。①のトレーを折り切っている手に服の袖が描かれているのも特徴的。


「恋とマシンガン」はどうだろう。



4x4の格子の向こう、16マスの正方形で遊ぶのは信藤さんの得意技。左の列から3段目、4段目、3段目、4段目の4コマに「フレンズ・アゲイン」と同じ説明がある。(ただし③の「ミシン目または、」が省かれている。実際にミシン目はなくスジ押しされているので。)1コマの面積は4分の1になって、せま苦しい。描かれたジャケットは空白。灰色地に白抜き文字はソニー感あり。


最後は「ラブ・トレイン」。



4x4の1マスに説明の1コマを入れるのは「恋とマシンガン」と同じ。こちらは左上から右下への対角線4コマに説明を並べた。「恋とマシンガン」では何とか読めた説明文は、ここでは文字サイズが極小でほとんど読ませる気がないようだ。黒地に白抜きで周りはサイケ模様。意外なことにジャケにはおなじみのショートカット女性像が見える。格子の向こう編で紹介した安全地帯盤と同じ絵(縮小版)を使用しているようだ。


3枚ともジャケにスジ押しあり。1990年はまだコンパクト化が普通に行われていた時期だった。




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2 コメント

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Unknown (3rd=D)
2016-12-20 20:23:46
ここまでオリジナルを貫かれると脱帽です(笑)
スジ押しは確かに1991年頃を最後に無くなった気がします。
SONYはそれを境にトレイがジャケ貼りから裏ジャケ貼りに変わりましたね。
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Unknown (nakamura8cm)
2016-12-22 00:47:22
やはり1991年あたりで「コンパクト化は違うんじゃないか」という雰囲気になってきたんでしょうね。
縦長短冊のサイズ感に消費者が慣れてきたり、折り畳みを前提としないジャケデザインが普通になってきたり。
ジャケのほうに貼ってあると、経年で四隅に糊付けのあとが浮き上がってきて見た目が残念な感じになります。
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