失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「夢先案内人」 山口百恵 1977年、TSF 1990年

2008-10-27 | アイドル系
非売品8cmの中で、中古屋で見かける頻度No.1(私調べ)、「mydoカードの正しい使い方ご案内CD/CD選書インフォメーションCD」。ただのガイダンスだけでは誰も聴かないので、ソニーミュージックの看板女性アーティストふたりの音源を付けて、というタイアップ。

①mydoカードインフォメーション
女性ナレーターがmydoカードのセールスポイントをアピールする。カードに入会した人に、ガソリンスタンドで配られていた8cmCD。1993年製。

②mydo SALSA/mydo Boys
CMでも流れていたような気がするキャンペーンソング。「まいどまいど、いつもどーも」とコーラスが入るサルサ作品。

③夢先案内人/山口百恵
作詞: 阿木燿子、作曲: 宇崎竜童、編曲: 萩田光雄
「バカラックサイド・オブ・竜童」とでも呼びたくなるような、軽やかなポップス。阿木・宇崎コンビの百恵シングル13作の中で、最も(従来の)アイドルらしい曲なんじゃないかな。他のはロック寄りだったり、インパクト重視だったり、色気がありすぎたりするから。歌詞を改めて読むと、「そんな夢を見ました」以降の描写はリアルなのか夢の続きなのか、わざと曖昧に書かれているようにみえる。今さらながら、テクニシャンやねえ。

④Sweet Memories(New Version)/松田聖子
作詞:松本隆、作曲:大村雅朗、編曲:鳥山雄司
1983年のオリジナル・ヴァージョンから9年、オリジナルアルバム『Sweet Memories'93』(1992)のために新録されたヴァージョンがなぜかここに。現役アーティストとしては最新作をプロモーションしたかったのだろうね。アレンジはほとんど大村雅朗によるオリジナルをなぞっている。聖子の歌はねえ…まあ成熟と言えば成熟なのかもしれない。でも1983年にあった輝きは、残念ながら失われている、と言わざるを得ない。だからこういうリメイクは危険なんだって!

非売品を中古で100円。
これは裏ジャケで、「CD選書」シリーズから百恵の『百恵白書』、聖子の『ユートピア』のアルバムジャケットが小さく並べられている。ちなみに上記の2曲はこのアルバムに収録されてない。おそらくシリーズ中で「顔がはっきり大きく写ってるジャケット」という基準で選ばれたのだろう。「CD選書」は1枚1500円、この当時で312タイトルあったそうな。


右、1991年にリリースされたフランスのグループ・TSFによる「夢先案内人」のカヴァー。

①QUEL BONHEUR(夢先案内人) 山一證券CF曲
仏語詞:TSF、編曲:Philippe Berthe
1997年に破綻(自主廃業)した山一證券がまだ元気だったころのCMタイアップ曲。当然日本の広告代理店がオファーしたんだろう。TSFは、男女4人の混声コーラスグループで、裏のコピーによれば「笑い薬をふりかけた上等のシャンパンのよう…」ってよく分からないよ。分かりやすく言うと、「フランスのマンハッタン・トランスファー」ってことで。オシャレBGMとしてどうぞ。

②TSF
作詞・作曲・編曲:Philippe Berthe
こちらはオリジナルの自己紹介ソング。

定価800円、レンタル落ち100円。
TSFって何の略なんだろう、と一瞬思ったがあまり調べる気にならなかった。


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