失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「Frozen Flower」 Nav Katze 1992年

2010-01-30 | 湾岸系
「神経質な猫」という名の、80'sニューウェーブの重要バンド。ナーヴ・カッツェのシングルと非売品サンプラー。

左のシングルはOVAのタイアップで、こんなジャケ。おそらくバンド唯一の8㎝シングルだろう。

①Frozen Flower 集英社週刊少年ジャンプビデオ「電影少女」挿入歌
作詞・作曲:飯村直子・山口美和子、編曲:杉山勇司&Nav Katze
いきなりこのシングルとは関係ないけど、インディーズ時代のアルバム『OyZaC』(1987)は当時、本当によく聴いた。文学少女の潔癖さを感じさせる楽曲と、飯村・山口による硬質なハーモニーが魅力だった。岡田徹のプロデュースは、おそらく素材のフレッシュさを壊さないことを念頭に置いていたのだろう。「和製ポリス」(は、さすがに演奏力の点で褒めすぎだとは思うが)とも呼ばれた、ストイックとも言えるアレンジも素晴らしい。個人的には、ゼルダ『空色帽子の日』(1985)と並ぶ、80年代日本のニューウェーブの代表作と思っている。
そんなロックトリオからドラムの古舘詩乃が脱退って、考えてみたら昨年のカーネーションと同じ状況だな。ふたりユニットとなってはじめてリリースされたアルバム『The Last Rose in Summer』からの先行シングル。ゆったりと夢の中を歩くような曲調に、お世辞にも表現力豊かとは言えない情緒を排したヴォーカルが、凍りついた透明な世界を描き出す。シングルにしては地味だとは思うが、これがナーヴの持ち味。しかし、インディーズ時代にあったダークサイドの魅力が、残念ながら薄まってしまった印象は拭えない。

②メッセージ
作詞・作曲:飯村直子・山口美和子、編曲:岡田徹・杉山勇司&Nav Katze
初期EBTGあるいはマリン・ガールズっぽいか。こちらのアレンジに岡田徹が参加。アルバム未収録。

③メッセージ(インストルメンタル)
ただのカラオケじゃない。②の歌メロを、「ラララ」コーラスとギターでなぞるインストヴァージョン。CD盤面のクレジットによると、このトラックも①と同じくOVA「電影少女」の挿入歌だったようだ。

④Frozen Flower(カラオケ)
こちらは通常のカラオケ。

定価1000円、中古で300円。
ジャケは「電影少女」原作者の桂正和によるイラスト。裏はナーヴのおふたりの写真。


右の小さい紙ジャケ8㎝が、アルバム『The Last Rose in Summer』(1992)のサンプラーCD。

①アルカディア

②名残りの薔薇

③マリリン

クレジットなし。シングル曲「Frozen Flower」が収録されていないのはなぜだろう。
「アルカディア」もナーヴらしく清々しいリリシズムが光る作品だが、アルバムのタイトルトラックとも言える「名残りの薔薇」が名曲!

非売品、中古で10円。

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