失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「すきすきソング~FUNKY“アッコちゃん”DANCE MIX」 Lip's 1991年

2011-05-18 | アイドル系
Lip's are; 加藤貴子・吉村夏枝・山本京子

シングル4枚で解散した短命グループの3rd。最初の2枚は完成度の高いアイドル歌謡だったのに、セールスが伴わなかったためか、事務所がこらえきれなくなったのか、3枚目はこんなイロモノ風になってしまった。

①青い珊瑚礁~ブルー・ラグーン・ダンス・ミックス
作詞:三浦徳子、作曲:小田裕一郎、編曲:西脇辰弥
オリジナルは松田聖子、1980年。サビのハーモニーなんかは、まだまだ正統派を名のってもいい雰囲気もあるが、聖子を選択した時点でもうそれは相対的にB級にしか成り得ない。そんなことを百も承知で原曲の知名度に頼る戦略に出たんだろうけど。「Splendid Love」のファンはがっくりきただろうなあ。

②すきすきソング~FUNKY“アッコちゃん”DANCE MIX
作詞:山元護久・井上ひさし、作曲:小林亜星、編曲:西脇辰弥
アニメ「ひみつのアッコちゃん」エンディングテーマのカヴァー。オリジナルは1969年、シンガーは水森亜土。もともとミーニングレス&ファンキーな亜星サウンド(曲は「バットマンのテーマ」にインスパイア)を、西脇辰弥はブレイクビーツの王道中の王道、JBリズムにアレンジ。基本は「アイ・ゴット・ア・フィーリング」。そりゃカッコいいさ。イントロは1分以上男性ラップ(英語)で盛り上げて、ヴォーカルは3人のユニゾン中心。間奏のブルージーなギターソロもいい感じだけど、全体としてはなんとなく斜陽アイドルの悲哀を感じてしまう。それも味、と割り切れば①よりは完成度の高いカヴァー。PVが存在する。

定価800円、中古で300円。
正統派アイドル路線からドロップアウトしたことを痛いほど知らせてくれるジャケット。中央で両腕を高く上げているのが、現在も女優として活躍中の加藤貴子さん。右の山本京子さんはグループ解散後、ソロシンガーKyoko Yamamotoとして活動。ボーイッシュな吉村夏枝(上)はBabble Bunnyの一員として1998年シングル「なんとかなるでしょ」で再ビュー。すぐ消えた。


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3 コメント

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どうもーっす!!(ρ゜∩゜)/ (ドラム猫)
2011-05-19 05:13:59
ボクはこの辺の時代に、最も『アイドル冬の時代』を感じてしまいますなぁ!( ゜∀゜)o彡

正統派だったのに最後はイロモノ……なのに完成度は高いのがさすがメジャーって感じ。今聞いても充分にカッコいいのが凄いですな♪!(ρ゜∩゜)/
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ども! (nakamura8cm)
2011-05-19 22:39:21
考えてみるとこの時代はまったくアイドル歌謡を聴いてなかったですね。聴く機会が(よほど意識的な人以外は)なかった、というのが正確なところでしょうか。

じゃあ、何聴いてたかっていうと91年は『ヘッ
ド博士』か。ってことはレア・グルーヴとかB級ジャズファンクとかの頃。このシングルは、そんな流れの中に置いても違和感ないですね~
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これはこれで傑作 (パクちゃん)
2015-06-04 08:37:15
大好きな1枚です。Lip'sにハズレなし!
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