失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「BOOING」 岩下京子(上原さくら) 1995年

2016-09-07 | 陽水民生&安玉
上原さくらのプレデビューシングルは、声優として演じた役「岩下京子」名義。

①BOOING TBSテレビ系アニメ「行け!稲中卓球部」エンディング・テーマ
作詞・作曲:立花海、編曲:星勝
立花海が井上陽水の変名だって、最近知った。「夢の中へ」(1973)を思わせるギターのイントロ。陽水サウンドを支えてきた星勝アレンジだから。「終わりかけたらBOO サヨナラなんてBOO」とBOOで文末をキメていく投げっぱなし感のあるAメロは言われてみれば陽水ぽいし。「私はブルジーアイ、雨だれよ 窓辺の月もめんどうで 夜空を広がるさまよいは 大人びためまいのあこがれ」の黄昏るメロディも激陽水チック。この部分、平易な言葉が並んでいるようで、つながりが全部ヘン。これは並の作詞家には書けない。ていうかボツになりそう。ここがBメロで、またAに戻るとそれがサビっぽい扱いになる展開。天才陽水が思いっきり力を抜いて作った傑作。上原さくらは役になりきっているのか初レコーディングで緊張しているのか、のちの録音で聴けるセイコイド歌唱は封印。つまらなそうにこの名曲を歌いきる。

②ム・リ
作詞:上原さくら、作曲:松本俊明、編曲:タカノタカシ
ダウナーでヒップホップテイストが効いたアレンジに岩下京子の独白が乗る。「好きだって伝えたい でも…伝えたくないの いつだって 片想い もう…それでいいのよ」ストレートな言葉を並べる上原さくらの詞もいい。こちらは素直にキュートヴォイスで歌っていて①よりだいぶこなれた感じ。ラップパートも卒なくこなしている。

③④カラオケ

定価1000円、中古で525円。
稲中知らないけど、ジャケを見る限り「BOOING」がつまらなそうな外向きの顔を、「ム・リ」でキュートで乙女チックな内面を表現しているのだろう。


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