失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ティアーズ・イン・ヘヴン」 エリック・クラプトン 1992年、憂歌団 1993年

2014-09-15 | 
“Tears in Heaven” Eric Clapton 1992

エリック・クラプトンの90年代ヒットと、翌年の憂歌団によるカヴァー。


クラプトンが音楽を担当した映画「RUSH」サントラからのカット。

①ティアーズ・イン・ヘヴン TEARS IN HEAVEN
(Eric Clapton/Will Jennings)
90年代を代表する鎮魂歌。クラプトンが不慮の事故で亡くした息子に向けて歌っている。悲痛ではあるのだけど、「悲痛」を乗り越えた者でなければ歌えない強さとキリスト教的慈愛が感じられる。聴いているだけで魂が浄化されているような、アコギの響きの美しさ。クラプトンは語りかけるように、自らに言い聞かせるように切々と歌う。極めて個人的な歌が、裏返って普遍性を獲得するマジック。

②トラックス・アンド・ラインズ TRACK AND LINES
(Eric Clapton)
こちらも「ラッシュ」サントラからインストナンバー。ブルージーなエレキギターが泣きまくる。

定価900円、中古で100円。
深い悲しみと敬虔さを感じるジャケ写真。



右、憂歌団。

①純愛だけど朝帰り
作詞:阿久悠、作曲:花岡献治、編曲:難波正司
朝帰りの倦怠感と太陽の眩しさを見事に表現したアレンジの勝利。憂歌団としては異色と言える爽やかさが漂っている。「抱きしめてくれない人を こんなにもしたいつづけて おろかしくなる おろかしくなる」なんて阿久悠節全開の詞を、木村充揮のあの声で歌われたら、ありもしない母性本能くすぐられそうになるわ。

②TEARS IN HEAVEN
編曲:憂歌団
ブルースバンド・憂歌団としてはややネタ的な選曲と思うが、これがまたまんまと切ないのだ。木村充揮の英語歌唱は一歩間違うと仮面ノリダー(シモニック唱法)チックになるスレスレのライン。アレンジはオリジナルを踏襲しながら、よりシンプルにまとめ、この曲のブルーズ=憂鬱を憂歌団スタイルで引き出すことに成功している。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で210円。
橋の下の四人。全員柄シャツできめた。




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