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12年もやってると、もう記事にしたようなした気がする8㎝が意外とまだだったりすることもある。
今回はそんな一枚。
山下達郎の22ndシングル。
①ターナーの汽罐車 ―Turner's Syeamroller―
作詞・作曲・編曲:山下達郎
たっぶり30秒あるイントロから「退屈な金曜日 埋め合わせのパーティー」と気怠いムードの導入部。リズムのモチーフは当然汽罐車(歌詞では「走る 音も立てず」ではあるけど)。Aメロの単調な繰り返しと淡々としたアレンジは、虚飾の宴を冷ややかに見つめる視線。「虹色のシャンペインを かたむける君の 見つめる絵はターナー」とカメラのパン&ズームが見えてくる映像的な描写が冴える。バックのサウンドが気づかぬくらいに徐々に熱を帯びてきてのサビ「こんな夜の中じゃ 愛は見つからない」。ちょっと唐突ともいえるサビの爆発だが、開放感からはほど遠く諦念を感じさせる。間奏のソロ&後半に活躍する難波弘之のピアノも、盛り上げるというよりはどこか冷めた視点で見守っている印象。終盤リズムが退いて再度登場する「虹色のシャンペイン」の部分はシャンペインの泡の音画的アレンジ。「おぼろげな汽罐車」と歌われると同時にドラムが戻ってきてズンズン進んでいく展開は何度聴いてもグッときてしまう。達郎版「甘い生活」と言える退廃的な舞台設定だが、「汽罐車」が出口を探しているようなイメージもあり、退廃のままでは終わらせまいとする意志のかすかな光は暗示されいている。
80年代ほどには熱心に達郎の活動を追いかけていなかったので、リアルタイムではCMで流れていたサビしか聴いていなかった。収録アルバム『ARTISAN』(1991)もあとになって中古で買ったくらいで。全体を聴いても最初は地味な印象でピンとこなかった。しかしいつからだろう、じわじわこの曲のよさが沁みてきて今では90年代で最も好きな曲。
ところで裏ジャケにはこの曲の歌詞の下に「©1986 Tenderberry Music, Inc.」とクレジットされているのは単なるミスだろうね(後述の「REBORN」では©1991なので)。
②ONLY WITH YOU [Live Version]
作詞:Alan O'Day、作曲・編曲:山下達郎
1986年10月9日郡山市民文化センター大ホールでのライブ録音。オリジナルは『BIG WAVE』(1984)収録。今もサンデーソングブックのテーマとして毎週流れる耳慣れた曲なので、イントロでスタジオ盤にはない土岐英史のサックスが入ってきて驚く。どちらかというと淡々とした展開の曲なのに、なんだか熱い演奏に心揺さぶられる。達郎の喉も絶好調で、セルフ合いの手のような唸り声にニヤリの名演。
定価900円、中古で100円。
アルバム『ARTISAN』と同じイラストの色違い。
時は流れて2017年。50thシングル「REBORN」のカップリングに「ターナーの汽罐車」のLive Versionが収められた。
④ターナーの汽罐車 -Turner's Steamroller- (Live Version)
2017年7月9日中野サンプラザでの録音。山下達郎・伊藤広規・難波弘之のトリオによる演奏。オリジナルよりスピードアップ。3ピースなので難波弘之ももちろん最初から演奏に参加。スタジオ盤で達郎がひとりで打ち込んだリズムを3人の生音で再構築していく。6分39秒のトラックの後半は難波弘之ピアノソロをフィーチャー。
私は同ツアー「PERFORMANCE 2017」を4月29日神奈川県民ホールで見た。3人の余裕と緊張感の同居した「ターナーの汽罐車」はライブのハイライトと言える文句なしの名演で、ますますこの曲が好きになった。
達郎のシングルをリアルタイムで買ったのは本当に久しぶり。いつぶりかと思い返してみたらたぶん「土曜日の恋人」(1985)以来だから32年ぶり!(スミマセン)
「REBORN」がよかったので買った。門脇麦が好きだったってのもある。
「REBORN」今聴くと言音一致の純音楽家、遠藤賢司の顔が浮かんでくる。
たくさんのありがとう 少しだけのさよなら
今回はそんな一枚。
山下達郎の22ndシングル。
①ターナーの汽罐車 ―Turner's Syeamroller―
作詞・作曲・編曲:山下達郎
たっぶり30秒あるイントロから「退屈な金曜日 埋め合わせのパーティー」と気怠いムードの導入部。リズムのモチーフは当然汽罐車(歌詞では「走る 音も立てず」ではあるけど)。Aメロの単調な繰り返しと淡々としたアレンジは、虚飾の宴を冷ややかに見つめる視線。「虹色のシャンペインを かたむける君の 見つめる絵はターナー」とカメラのパン&ズームが見えてくる映像的な描写が冴える。バックのサウンドが気づかぬくらいに徐々に熱を帯びてきてのサビ「こんな夜の中じゃ 愛は見つからない」。ちょっと唐突ともいえるサビの爆発だが、開放感からはほど遠く諦念を感じさせる。間奏のソロ&後半に活躍する難波弘之のピアノも、盛り上げるというよりはどこか冷めた視点で見守っている印象。終盤リズムが退いて再度登場する「虹色のシャンペイン」の部分はシャンペインの泡の音画的アレンジ。「おぼろげな汽罐車」と歌われると同時にドラムが戻ってきてズンズン進んでいく展開は何度聴いてもグッときてしまう。達郎版「甘い生活」と言える退廃的な舞台設定だが、「汽罐車」が出口を探しているようなイメージもあり、退廃のままでは終わらせまいとする意志のかすかな光は暗示されいている。
80年代ほどには熱心に達郎の活動を追いかけていなかったので、リアルタイムではCMで流れていたサビしか聴いていなかった。収録アルバム『ARTISAN』(1991)もあとになって中古で買ったくらいで。全体を聴いても最初は地味な印象でピンとこなかった。しかしいつからだろう、じわじわこの曲のよさが沁みてきて今では90年代で最も好きな曲。
ところで裏ジャケにはこの曲の歌詞の下に「©1986 Tenderberry Music, Inc.」とクレジットされているのは単なるミスだろうね(後述の「REBORN」では©1991なので)。
②ONLY WITH YOU [Live Version]
作詞:Alan O'Day、作曲・編曲:山下達郎
1986年10月9日郡山市民文化センター大ホールでのライブ録音。オリジナルは『BIG WAVE』(1984)収録。今もサンデーソングブックのテーマとして毎週流れる耳慣れた曲なので、イントロでスタジオ盤にはない土岐英史のサックスが入ってきて驚く。どちらかというと淡々とした展開の曲なのに、なんだか熱い演奏に心揺さぶられる。達郎の喉も絶好調で、セルフ合いの手のような唸り声にニヤリの名演。
定価900円、中古で100円。
アルバム『ARTISAN』と同じイラストの色違い。
時は流れて2017年。50thシングル「REBORN」のカップリングに「ターナーの汽罐車」のLive Versionが収められた。
④ターナーの汽罐車 -Turner's Steamroller- (Live Version)
2017年7月9日中野サンプラザでの録音。山下達郎・伊藤広規・難波弘之のトリオによる演奏。オリジナルよりスピードアップ。3ピースなので難波弘之ももちろん最初から演奏に参加。スタジオ盤で達郎がひとりで打ち込んだリズムを3人の生音で再構築していく。6分39秒のトラックの後半は難波弘之ピアノソロをフィーチャー。
私は同ツアー「PERFORMANCE 2017」を4月29日神奈川県民ホールで見た。3人の余裕と緊張感の同居した「ターナーの汽罐車」はライブのハイライトと言える文句なしの名演で、ますますこの曲が好きになった。
達郎のシングルをリアルタイムで買ったのは本当に久しぶり。いつぶりかと思い返してみたらたぶん「土曜日の恋人」(1985)以来だから32年ぶり!(スミマセン)
「REBORN」がよかったので買った。門脇麦が好きだったってのもある。
「REBORN」今聴くと言音一致の純音楽家、遠藤賢司の顔が浮かんでくる。
たくさんのありがとう 少しだけのさよなら
明けましておめでとうございます。
ターナーの汽罐車、僕も昔から大好きです!
シングルバージョンはアルバムとエンディングが少し違うんですよね。聴けば聴くほど味わい深いです。
打ち込みのリズムの淡々とした響き。
元々は青山 純さんのドラムでもレコーディングしたようですが、結局は打ち込みの方が採用されました。
昨年のライヴでも良かったですね。
城北トリオといえばこの曲!的なレパートリーになりつつあるようですね。サンソンスタジオライブでも聴けましたし。Bomberも凄かった!
なるほど生ドラムも録ってたのですね。この曲の世界観には打ち込みのひんやり感が正解と思います。