失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「あした」 原田知世 1995年

2006-08-21 | 湾岸系
続いて、翌1995年の18thシングル。

「Egg Shell」と「Clover」の間にリリースされたこの8cmは、2曲とも今のところオリジナルアルバム未収録(①は映画サントラに収録)。知世ちゃんにとって激動の鈴木慶一期を締めくくるに相応しい、清々しくも切ない傑作になっている。

①あした 大林宣彦監督作品「あした」主題歌
作詞:原田知世、作曲:坂下正俊、編曲:鈴木慶一
いわゆる慶一三部作を完成させたあとのシングル曲は、大林映画の主題歌。私は映画未見だが、知世ちゃんは友情出演しているらしい。メインキャストではない映画の主題歌を任されるとは、いくら元大林組女優だとしても大抜擢では?しかも作詞も知世ちゃん。いかにも映画のエンディングが似合いそうな、ゆったりと盛り上がっていく名曲なんだな。作曲の坂下正俊さんはよく知らないが、過去にこんな曲を紹介していた。「Clover」収録の「消せない大文字I LOVE YOU」もいい曲だった。
慶一さんのアレンジは、ちょっとクリスマステイスト(鈴の音、終盤の子供コーラスなど)あり。ベスト盤にも収録されていないのは謎としか言いようがない。

アルバム「GARDEN」(1992)から「庭師」を引き受けた慶一さんの仕事は、誰もが認めるとおり、その後の知世ちゃんの音楽的基礎を作り上げた。このあとも「Clover」の一部や「空と糸」、ムーンライダーズの「幸せの場所」などでコラボレーションは続いていくが、やはり三部作の密度はただごとではない。私は残念ながらリアルタイムで追いかけてはいない。しかし後から聴いても「開花していく知世」を追体験する楽しさは十分に味わえた。そんな文脈を踏まえると、この「あした」は慶一さんが知世ちゃんに贈る卒業証書みたいな一曲(まあ、作曲は坂下さんなのだが)に聴こえてしまう。映画の内容に関連してなのだとは思うが、歌詞の中の「新しい旅の始まりは/みんな一人で」「別れても/遠くても」なんて部分を取り出して、深読みしてみたくもなる…おっとそこまでいくと、妄想ってやつだろう。
いずれにしても、三部作が好きな人には一聴をお薦めしたい。

②平凡な日々
作詞・作曲:原田知世、編曲:鈴木慶一
馬のいななきから始まる、SSW原田知世の作品。「UMA」も不思議な曲だったけど、これもノスタルジックでどこか不安定なところが魅力。

③①のカラオケ

定価1000円、なんかのオマケで0円。
これもジャケ写真が素晴らしい。ポイントはもちろん、おへそ。



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2 コメント

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ふふふ (nakamura8cm)
2006-08-22 08:25:42
半分くらいは石ばしさん向けに書いた記事ですから(笑)

あんまり中古屋では見かけない商品(ほとんど売れなかったから?)ですが、前回の短冊同様、Amazonで新品が手に入ります。いかがでしょう?(ってセールスマンかよ!)
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Unknown (石ばし)
2006-08-22 00:56:31
三部作が大好きな僕ですが、これは未聴なんですよねー。興味湧きます。ジャケット写真のおへそもイイです。
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