失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「星の舟歌/星めぐりの歌」 EPO 1995年

2007-07-07 | 
EPOは1980年デビュー。相当数のシングルをリリースしている。このDiscographyを信じれば、これが32ndシングル。

①星の舟歌
作詞・作曲:EPO、編曲:笹子重治・EPO
EPOの伸びやかな声が活かされた、ゆったりとした曲。「宵の明星」「天の河原」「笹の舟」など、七夕関連ワードが、田舎の風景の描写とともに郷愁を誘う。詞も曲も、とても90年代に作られたとは思えない、いい意味で古典作品のようだ。歌詞に出てくる「美里」は日本各地にある地名だが、この歌は和歌山県美里町のことを歌ったものらしい。

②星めぐりの歌
作詞・作曲:宮沢賢治、編曲:EPO
ソングライター・宮沢賢治作品を、スペイシーなサウンドで。虫の声なども聴こえ、アンビエント色の濃いアレンジになっている。ここでのEPOは童謡歌手のように、普段よりもさらにはっきりとした発声で歌っている。後半現れるチェロの音も美しい。

③琥珀の魔法 (NHKみんなのうた)
作詞・作曲:EPO、編曲:笹子重治・EPO
3曲目はブラジリアン・テイストの軽快なナンバー。①と同じくCHORO CLUB(笹子重治・沢田穣治・秋岡欧 )がバッキングを務め、流れに違和感はない。


定価1000円、中古で100円。
ジャケのイラストも美しく、内容も素晴らしい、お気に入りの一枚。私はカラオケ嫌いというわけではないが、こんな締まった内容の3曲でまとめられると、カラオケ収録は無くて正解と思う。

右は細野晴臣、1985年の名盤『銀河鉄道の夜』。宮沢賢治原作の、同名アニメ映画のサントラである。ここで細野さんは「星めぐりの歌」をオルゴール・アレンジで聴かせる。さらに1993年の『宮沢賢治メンタル・サウンド・スケッチ』というオムニバスアルバムで、細野さんは裕木奈江をヴォーカリストに迎え、「星めぐりの歌」を再演している。このときのアレンジは、上記EPOヴァージョンと近い雰囲気であった。裕木さんのフワフワ声は、EPOとは対照的だったけど。



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