失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ウルトラQ」 宮内國郎 1966年、「恋ってなんだろう」 円谷皐&ナディア・ギフォード 1995年

2008-11-06 | アニメ・特撮
「ウルトラマンCDシングル全集1」は、シリーズ第一作「ウルトラQ」のサントラから。

巨大ヒーロー・ウルトラマンが出てこない唯一のウルトラシリーズ。ウルトラマンシリーズは初代(再放送で)からタロウくらいまでは夢中になって見ていた世代だが、「Q」は見た記憶がないんだよね…断片的に見る映像では、結構おどろおどろしい印象だったような。

そんなよく知らない作品のサントラを鑑賞。

①ウルトラQ主題曲〈タイプA, B, C〉
作曲・編曲:宮内國郎
1分強のインストルメンタル。微妙にアレンジが異なる3ヴァージョンを、トラックを区切らず並べるという、わりと大胆な編集で。「007」のテーマ曲を思わせる、サスペンスタッチのでろでろギターが期待感を盛り上げる。日本の幽霊モノでは定番のミュージカル・ソウ(ノコギリ)の不気味な響きや、悪い知らせを伝えるノックのように乱れ打つパーカッションも不穏で素敵。

②大怪獣の歌
作詞:東 京一、作曲・編曲:宮内國郎、歌:みすず児童合唱団
前回登場した「ウルトラマンの歌」(初代の主題歌)と同じチームの作品。大怪獣が大暴れし、「焼ける夜の大都会」と歌われるが、何も解決せずに終わる。巨大ヒーロー不在で、どう落ちをつけていた(誰が怪獣退治をしたのか?)のかが気になるところ。

③ウルトラマーチ
作詞:東 京一、作曲・編曲:宮内國郎、歌:みすず児童合唱団
歌の途中で、主役の淳(佐原健二)とレギュラーの一平(西條康彦)、由利子(桜井浩子)が一声ずつ台詞を叫ぶ。

定価1000円、中古で100円。
ジャケ画は開田裕治。白黒画にいろいろな怪獣を詰め込んでいる。真ん中のカネゴンだけはカラー。
中古だけどちゃんと挟まれてたトレカは初代ウルトラマン。ハヤタ隊員と並んで立っているのは設定上不自然だよな。しかもハヤタの左手はウルトラマンの左肩に回されている。

横型ジャケは「恋ってなんだろう」円谷皐&ナディア・ギフォード

①恋ってなんだろう 円谷プロ企業CMイメージ・ソング
作詞:藤公之介、作曲・編曲:若草恵
父と娘、という設定で歌われる、どこかミュージカル調な楽曲。円谷皐(つぶらやのぼる)は、円谷英二の次男で、円谷プロ3代目社長。どういうわけか1991年に歌手デビューした。この曲はリードヴォーカルはナディア(8歳)で、のぼるはコーラス&語り担当。分かりやすく言うと、「崖の上のポニョ」における藤岡藤巻のポジション。

②夢へようこそ -Welcome to the dream-
作詞:藤公之介、作曲・編曲:若草恵
こっちはのぼるソロで、ドリーミーなバラードを朗々と歌う。安定感のある素人って感じ(事実そのとおりなのだが)。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で21円。
ジャケにはウルトラマン、バルタン星人なども仲良く一緒に。

95年4月発売のシングル。なんと発売から間もなくの6月、円谷皐は亡くなっている。11月には4枚のシングル曲が収録された追悼盤がリリースされている。

関連ナディア
ラスト・クリスマス

これが縁だったのか、ナディア・ギフォードはこのあとも円谷関連の仕事がつづくのだった。




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3 コメント

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あ、 (通りすが(ry)
2008-11-23 23:28:44
これ欲しいです

「ウルトラQ」は予算とか特撮に限界があった中で作られた傑作だと思いますわ

モノクロが更なる効果を引き出した作品としては「佐武と市捕物控」と並ぶ傑作だと思っています
返信する
これは珍屋だったかな (nakamura8cm)
2008-11-24 00:48:59
おお、「ウルトラQ」のご記憶がありますか!
傑作と言われてますよねえ。

カラー時代になって、白黒作品はほとんど再放送されなかったんでしょうね。
今ならDVDとか出てるんでしょうか。
返信する
出てるよ! (CFB48)
2016-03-25 22:08:09
知らないんすか?とっくにリマスター盤のDVDが1980+税で全話出てます。TSUTAYAでレンタル可能でブックオフなら980円で売ってます。あと、ブルーレイで「総天然色ウルトラQ」が目の飛び出る値段で出ていますがTSUTAYAでDVDでレンタル可能です。
それはオリジナルフィルムをコンピューターで着色したものでづ。
本屋では「円谷プロ特撮DVDマガジン」があります。それはウルトラQとブースカをセットにして全話を刊行していくものです。
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