失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「オーシャン・ブルー」 稲垣潤一 1984年

2009-08-10 | ユーミンみゆき
1984年の7thシングルのA・B面を、1989年にそのまま8㎝化。

①オーシャン・ブルー
作詞・作曲:松任谷由実、編曲:松任谷正隆
そりゃ1984年頃のユーミンは、もう手がつけられない勢いさ。83年末に『VOYAGER』、84年末に『NO SIDE』と安定感のあるヒットを連発し、「年末行事としてのユーミンの新譜」を定着させた。なんと1995年の『KATHMANDU』まで連続年末リリースは続くのだった。そんな売れっ子作家が個性派ヴォーカリストに書き下ろした本作は、メジャー感バリバリのユーミン節。ユーミン本人がコーラスつけてるし、正隆さんが編曲ってのも、本気度が高いことをうかがわせる。「散水車」のくだりのキラキラ感は見事だし、潤くんのしぼり出すようなハイトーンが活きたサビもいい。アレンジもメリハリ効いてて、松任谷夫妻の勢いを感じる仕上がり。
稲垣潤一の声って、やっぱりインパクトあるよな。正直いうと「苦手」の部類に入るかも。でも大瀧作品を歌ったりしてたので聴いてはいた。粘りのある、こもった高音。最近はいろんな女性とのデュエットによるカヴァー・アルバム出したりしてたけど、誰とも溶け合わない強烈な個性を持った歌い手さんだと思う。この曲にはこの声しか考えられない。最高傑作!(よく知らないくせに言ってみる)

②あの頃のまま
作詞・作曲:呉田軽穂、編曲:山田秀俊
1979年、ブレッド&バターへの提供曲。ブレバタヴァージョンは、細野晴臣&松任谷正隆がアレンジしている。70年代のユーミンらしい、独特の内省的な雰囲気は、「あの日にかえりたい」に通じるものがある。潤くんヴァージョンもいい感じです。
YouTubeにユーミン&ブレバタの、結構ぐだぐだなライブ映像があった。
あと、島田歌穂もカヴァーしてる。

定価937円、中古で315円。
7インチのジャケ写真を再構成して縦長デザインに。
2曲とも、ユーミン本人が『Yuming Compositions: FACES』(2003)でセルフカヴァーしている。2曲とも正隆さんではなく、Ricky Petersonのアレンジ。オリジナルに比べると、残念な出来。

また1984年なので、「1Q84」の話。
「リトル・ピープル」が、どうしてもホルモーの「オニ」のイメージで頭に浮かんできてしまって、困った。ほうほう。



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