MARTIN SP-5B MARLIN
マーチン SP-5B マーリン哨戒飛行艇
ハセガワ 1/72
ハセガワの古いキットで数種の飛行艇がラインナップされていたうちの1機種です。
PS-1はともかくといたしまして、二式飛行艇のお出来があんまりよろしくありませんでしたので、
どんなものかと思いましたが、完成してみるとこの通り、なかなかの出来栄えであります。
米海軍と10機ほどの供与を受けたフランス海軍のデカールが入っていますが、すでに
キットのデカールは使用不能でしたし、バリエーションがあるのであれば、なるべく米軍以外
をチョイスすることにしていましたので、シックなブルーのフランス海軍機にしました。
さて、このマーチンSP-5Bマーリン は対潜哨戒機としてはP-3B以前のトラッカーやP-2V
と同様でレーダーや目視で、浮上潜水艦を捜して爆雷や対潜爆弾で攻撃する大戦中の
潜水艦映画のような、対潜水艦戦闘を行います。 もちろん潜没したあとは、MADで標定し
エンジンナセルのウェポンベイに装備された、魚雷、機雷、対潜爆弾などで、攻撃します。
海上自衛隊のPS-1のように、着水して、ディッピングソナーを海中に降ろしたり、P-3のように
ソノブイを使った対潜探知攻撃は出来ません。
さらに、潜水艦はすでに原子力になりつつありましたので、従来型の対潜哨戒機は次第に廃れて
いきました。
そんななか、稀な戦闘参加では、水上機母艦とともに、ベトナム沿岸で北ベトナムの小型輸送船の
監視にあたったのが、戦歴と記録される程度の地味な飛行艇です。
高い波でも着水離水が可能などという、高性能が売りではないのと、運用整備の難しさも
かさなって、本機をもって飛行艇は米海軍から姿を消すことになりました。
ガル翼やピンと伸びた主翼、細身な胴体をみると、海鳥のようですね。
海に降ろすときや、海から上げるときの人力加減は日米とも同等に大変だったようですね。
※なお、フランスに供与された10機は、主に西アフリカのフランス植民地沿岸の哨戒にあたり、
5年ほどで、返還されたそうです。 やはり、平時ではコストが大変だったということか・・・