何もない部屋

言葉や感情が溢れそうな夜に、
詩や日々考えていることを書いてます。

いつか

2016-07-23 11:15:37 | 
「何もない部屋」

ベッドとTVしかない僕の部屋に
あなたが初めて来た時
つぶやいた言葉を思い出していた

真夜中のタクシーの中で
そっと手をつないだ
そういえばあれが最後だった

あなたは僕のことまだ誤解したまま
僕のいない毎日を過ごしているんだろうな
あの時はそれでも良かった
何を言っても信じてもらえなかった
あなたの心は動くことはなかった

この部屋であなたを抱きしめた
愛した残り香はもう消えてしまったけど
何故か寂しくないんだ
いつかまた会えるような気がするから
確かなものなんてないんだけど

嫌いになんかなれないから
憎んだりなんかできないから
まだ好きだから
まだ愛しているから
そばにいたいから

今でも殺風景な僕の部屋
くだらないことも
あなたとなら可笑しくて笑えたんだ
言葉や想いはこぼれ落ちて
この部屋に落ちて
いつか届くことを願って止まない

「何にもない部屋」
あなたの笑った顔が溢れる日々を
いつか