やっぱり本も好き

忘却率がUPしているのでメモとして

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2017年10月04日 18時01分55秒 | Weblog
朝日新聞夕刊より
 終わりと始まり 池澤夏樹
  この数年間、安倍晋三という人の印象はただただ喋るということだった。
 枯れ草の山に火を点けたかのようにぺらぺらぺらと途切れなく
 軽い言葉が出てくる。対話ではなく、議論でもなく、一方的な流出。ーーー
 安倍晋三は主題Aについて問われてもそれを無視して主題Bのことを延々と話す。
 Bについての問いにはCを言う。
 弁証法になっていないからアウフヘーベンもない。
 これは現代の政治にまつわる矛盾の体現かもしれない。
 資本主義と民主主義という二つの原理の間にどうしようもない矛盾がある。
 民主主義は権利や富が万民に行き渡ることを目指す。
 資本主義は富の集中と蓄積を旨とする。ベクトルが逆なのだ。
  現政権の面々はほとんどが富裕層の出身である。
 有権者の九割九分は富裕層ではないのに、なぜ彼らに票を入れるのだろう。
---加計と森友で追い詰められて一方的に解散。
 その上で国難とはよくも言ってくれたものだ。---
 野党の無力と与党の制度疲労の隙間から小池百合子がむくむくと頭をもたげた。
 一党独裁の停滞期から変動期に入ったように見えるが、
 彼女の「日本をリセット」と
 安倍晋三の「日本を取り戻す」は無意味という点では同じ。---
 政治は必要である。どんなに質の悪い政治でも無しでは済まされない。
 アベノミクスが嘘で固めた経済がこの先どこまで落ちてゆくか、
 見届けるためにも少しはましな政府が要る。
  選挙の原理はこの「少しはまし」ということに尽きるのだろう。
 理想の候補はいないとしても、誰かの名を書いて投票しなければならない。--
 我々には愚直な一人一票しかない。それならば、
 絶望の一歩手前で踏みとどまって、まずはこの権利を行使しよう。
新聞を読んでスッキリしました 共感しました。
ぺらぺらぺらぺらとただ流れていく話を聞くと具合が悪くなりそうでしたが
 自分だけではなかったようで・・・
自民党にも公明党にも一度も投票したことはない
これは私の自慢です なんちゃって。
 
今話題のアウフヘーベンとは あるものをそのものとしては否定しながら
更に高い段階で生かす。矛盾するものを更に高い段階で統一し解決すること。
止揚 揚棄ということだそうです。