やっぱり本も好き

忘却率がUPしているのでメモとして

お金とモノから解放されるイギリスの知恵   井形慶子

2005年04月06日 10時53分02秒 | 
ごく普通のシンプルな料理をおいしいとし、日々の暮しの中で
食べ続けられれば充分と思う。これ以上の味や質の料理があることを
知っていても、それは暮しの中で追求すべきことではない。

人間の身体は気をつければつけるほど弱くなる。

どんな設定の中でもいつもどこかでふざけている。
笑い飛ばすことですべてを乗り切ろうとする。
そのふてぶてしさこそイギリス人の力の素、人生の喜び。
 
 自分にもほんの少々イギリス人の血が流れているかも?

王妃の館       浅田次郎

2005年04月05日 16時31分08秒 | 
豪華ツア-と格安ツア-が、旅行社の浮沈を賭けての故意の
ダブルブッキング、それにその舞台となるルイ王朝の歴史が
からまり、ややこしいことになりそうでなりません。
「私は大金を払ったからそれだけのことをしてもらおうなんて
思ったことはない。
そういうの、幸せな人の考えることだもの。
世の中そんなに甘かないわよ。どうせ狐と狸ばかりの
欺しっこだらけの世の中なんだから、払ったお金の分だけは
自分で楽しまなけりゃならない。
欺されたって、最後はありがとうって言えるように生きなきゃいけない」
権利ばかりを主張しがちになる時
この箇所を思い出すと謙虚になれます。

プリズンホテル・秋・冬・春   浅田次郎

2005年04月05日 13時59分51秒 | 
極道が経営するホテルのてんやわんやの物語。
「人相風体は決してその人間の本質を語らぬ。弱く優しい人間は
それをかばうために、いつも顔をしかめ肩をいからせている。
凶悪で粗暴な人間ほど、己れの本性を隠すためにことさら紳士を装う」
主人公の小説家が極道より破天荒で、ついていけないところもあるが
それにはいろいろな事情があり、最後はめでたしめでたし。
美空ひばりの唄が何故か心に浮かびました。
 人は哀しい 哀しいものですね~

翻訳夜話2サリンジャー戦記 村上春樹 柴田元幸

2005年04月03日 23時22分15秒 | 
「『キャッチャー・イン・ザ・ライ』について
その魅力、謎、すべてを語り尽くす。」
というだけあって私にとっては、こちらの本の方が魅力的でした。

「社会というのは個人関係の無数の組み合わせの集積だから、
そんなに簡単には腑分けできない。
ところが社会というものを、契約の上に成り立った純粋なシステムだ
みたいに見ちゃうと、それはやはり辛くなってしまう。
ただそのシステムにスポッと入って出来合いの価値観の中で、
特に何も考えることもなく生きていけば一番楽。
主人公みたいに導き手に対してはっきり「ノー」と宣言した時、
自分がそこからどこに行くかというのは、難しいことになるでしょうね。」

キャッチャー・イン・ザ・ライ J.D.サリンジャー

2005年04月03日 23時01分55秒 | 
『ライ麦畑でつかまえて』という本の存在は
知っていましたが、読んだことはありませんでした。
村上春樹が翻訳したということで不朽の青春文学をのぞいてみました。
主人公の少年の内面的葛藤というか、
「自己存在をどこにもっていくか」という個人的な闘いの物語だそうで、
「インチキ野郎」という言葉が妙に心に残りました。
世の中は多かれ少なかれインチキで満ちあふれていますし、
自分もインチキ野郎の一員だし、そんなに厳しく生きていけるものだろうか?