ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

今夏の日本語能力試験、ベラルーシでは中止。代わりに「私たちのテスト」独自作成

2021-02-11 | 日本文化情報センター

 ベラルーシ日本語能力試験実行委員会から、今年7月に予定されていたミンスクでの試験実施が、コロナウイルス感染拡大のため中止と決定したという連絡が来ました。

 昨年7月の試験は全世界全ての会場で中止。12月はそれぞれの地域の状況により、実施された会場と中止になった会場といろいろでしたが、ミンスクはもともと1年に1回だけ、それも7月だけの実施と決められているのです。

 昨年申し込んで受験料を支払ったベラルーシ人に対して、すぐに返金あるいは1年後(2021年)の受験料に振り返るかどちらか選んでください、と言われ、返金手続きが面倒なのと、全額返ってくるわけではない(銀行の手数料が引かれる)さらに来年必ず受験するから、と返金手続きを取らなかった人もいるのです。

 その受験希望者(すでに受験料支払済の人)に対して、また中止になったから、今回は全員返金します、とミンスクの実行委員会から日本語教師に生徒さんに説明しておいてくださいねというメールが届いたのです。

 ベラルーシでは建国以来ずーっとインフレが続いているので、1年前の80ルーブルで買えていた物が、もう今年は買えないのですよ。再び中止する可能性も考慮に入れて、去年申込者全員に一律に返金するべきでしたね。結局は時間差で全員返金になって、去年返金だった人と今返金になったベラルーシ人の間に不公平感が生まれています。

 

 1年前に授業料支払済みの人がいるのですから、もうちょっと実施に向けて進めてほしかったです。コロナウイルス感染がベラルーシで拡大しているから、というの理由も弱いです。

 なぜなら、ベラルーシでは非常事態宣言も出ておらず、ロックダウンも営業時間短縮も外出禁止令もありません。

 冬の今、感染者が増えるのは当然ですが、実際の試験は夏なのでその頃にはコロナだけではなくさまざまなインフルエンザなどの病気も感染者数が少なくなっているはずです。

 また日本ではまだ始まっていないコロナウイルスワクチン接種もベラルーシではすでに先月から始まっています。

 そうであるにも関わらず、またすでに受験料を支払っている人もいるのに、日本語能力試験の公式サイトを見た限りでは、ベラルーシが世界で一番早く今年7月の試験中止を決めた会場のようです。悲しいですね。(コロナウイルスだけが中止の理由なんでしょうか。)

 1年に1回しか実施されない会場なので、2年連続中止になると、影響が出てきます。日本語の勉強をやめてしまって、別の外国語に切り替える人もいますし、認定証をもらって、日本への進学や留学、就職を考えていたベラルーシ人の人生計画が狂ってしまいます。

 

 私としては今まで受験勉強を続けてきた日本文化情報センター日本語教室の生徒たちが不憫です。そこで日本語能力試験の代わりになる日本語テストを独自に作成することにしました。

 出題形式やレベルは本物の日本語能力試験と全く同じで、問題の内容は私が自力で作成します。合格の基準なども日本語能力試験と同じ条件です。

 公的な認定証は発行できませんが、受験することによって、将来の合格に役立つ模試にしたいと考えています。このテストの結果により今年9月の新学期以降のクラス編成を行います。

 このテストの名称は「私たちのテスト」で、チロ基金の支援により作成・実施します。(何のひねりもないネーミングですね。(笑)分かりやすいほうがいいかと。)

 受験料はチロ基金の支援のおかげで、全員無料です。会場は日本文化情報センターで、5月末にN3レベルのテストを、9月初めにN4とN5のテストを行います。8月には直前特訓授業が予定されています。

 実は「私たちのテスト」は昨年7月の日本語能力試験が全世界中止になったので、その代わりとしてN3,N4,N5レベルは実施しました。その後その結果によりクラス編成を決定し、今年の受験を目指して勉強していたのですが・・・

 この「プレ・私たちのテスト」ですが、コストカットのために表紙は省いたり、いろいろ工夫した結果、いかにも簡易版・・・という感じでした。しかし、今年の「私たちのテスト」は、もっと本物の日本語能力試験に近づけようと考えています。

 いつもベラルーシでの日本語学習を応援してくださっているチロ基金支援者の皆様には、今年ミンスク会場が現地の実行員会の独自の判断で中止になったこと、ご報告するのも心苦しく感じています。

 代わりに「私たちのテスト」で、ベラルーシ人の日本語学習者の情熱が冷えないようにしたいと考えています。ご協力くださっている日本の皆様に感謝申し上げます。実際に「私たちのテスト」が実施されましたら、改めてご報告いたします。


ベラルーシのコロナウイルス感染者26万3551人。死者数1820人。

2021-02-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 2021年2月11日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は263551人になりました。1日の新規感染者数は1692人です。ほとんど1700人で、減った感じはありません。1日の新規検査数は17000件なので、やはりこれぐらい多く検査すると陽性結果数も増えますね・・・。

 死者数は1820人です。

 252068人が回復しました。

 462万件を超える検査数となりました。

 


2021年2月11日。全ベラルーシ国民会議始まる

2021-02-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 2021年2月11日。今日から二日間の予定で、全ベラルーシ国民会議が始まりました。そのため、町のあちこちに国旗や、赤と緑色の旗が掲げられました。警戒体制下のミンスクのメインストリートは一部が一時的に閉鎖されました。また中心部に警察車両や軍車両、護送車が多く見られました。

 会議には2700人のメンバーが全国から集まりました。メンバーは大統領の指名によって選出された人たちです。マスクをしている人もいることはいます。

 会議ではルカシェンコ大統領は3時間40分に及ぶ演説をしました。特筆すべきは、ベラルーシとロシアが強い同盟関係にあり、ロシアと協力しあっていれば、全てうまく行く。ロシアは立派な大国であり、我々(ベラルーシ人)はロシアのために命を捧げよう(死んでもいい)と発言したことで、さらに、そのとき議会では万雷の拍手が鳴り響いたという点です。

 さらにドイツやフランスなどの西側諸国については、感染症(コロナウイルス)の暗闇に包まれた(あわれな)国と表現。その点、ベラルーシは・・・と言うところです。

 またネットなどに依存することはよくない、反政府の色が濃かったベラルーシ大学も国会議長自らが対話した結果、今では学生・教職員の55%が現政権を支持している・・・などなど、多方面に渡る長い演説でした。途中ひどい咳が出て演説が中座しましたが、がんばれ!という意味での応援の拍手も起きました。

 ベラルーシには(日本人が命名したところでは)ニート法があることで有名ですが、大統領は現在ミンスクに、まだ年齢的、健康的にも働けるのに無職という人が6万8000人もいるとし、改めて、この人たちに対して、働かないといけない!と強い口調で繰り返しました。

 育児休暇中ではない専業主婦もこの中に入るのですが、日本人の私からすると、え、たったの6万8000人しか無職がいないの? と感じてしまいます。ミンスクの人口はおよそ200万です。日本は全国でニートだけで70万人います。専業主婦の数も入れるとどうなるのか・・・

 またルカシェンコ大統領は、ベラルーシの公用語は二つ、ベラルーシ語とロシア語であり、ロシア語を公用語から外すことはない。それはロシア語が偉大な国(ロシア)の言語であり、偉大な人物、レーニンが使った言語だからだと理由を説明しました。

 さらに自動小銃を持っていた様子が報道されたことを受けてか、自分が英雄になりたかったわけではない。私はベラルーシを誰にも渡さない!・・・といういつもの決め言葉を言い、会場は再び割れんばかりの拍手で満ちあふれました。

 ベラルーシを誰にも渡さない、ということですが、結局ロシアに依存していることも演説中に話しています。確かにロシアの軍事力がついていないと、ベラルーシは弱小国ということを話しているのと同じなんですよね・・・。ええ、そうですよ、弱小国ですよ、だからこの国父に任せなさい、という状態がずっと続いています。

 また新しいベラルーシ憲法の草案は今年末までに完成すると話しました。どうなるのか・・・。 

 

 オクレスチナ収容所で今年初めて、差し入れが許可されました。今日の午後5時までに持ってきなさい、ということですが、急に言われても・・・という人も多かったでしょう。

 

 スイス国籍で現在更生施設に収容中の女性を解放するよう、スイスの国会議員87人がベラルーシ外務大臣に宛てに公開状で訴えました。スイスとベラルーシ間の関係が悪化していると指摘されています。

 日本国籍の男性もまだ刑務所内ですが、早期釈放を日本の国会議員がこんなに大勢ベラルーシ外務省に求めてくれるでしょうか・・・。